2012年 10月 15日
先日、世田谷パブリックシアターで、串田和美の「K.ファウスト」を見た。 21世紀の現代劇としての『ファウスト』創作をめざして串田が芸術監督を務めるまつもと市民芸術館を拠点にワークショップを重ね、5年の歳月をかけ取り組んできたもので、サーカスアーティストと俳優、ミュージシャンが舞台いっぱいに紡ぎだす見世物小屋的道化芝居といった趣。 ファウストは笹野高史、メフィストフェレスが串田和美、この二人のロードムービー的な旅を、道化の小日向文世が追っかける。 若返った笹野高史は、ギンギラに化粧したジョン・トラボルタみたい。串田のメフィストはしょぼくれたちょいワル親父で゛ほとんど悪魔的な感じがしない。それが狙い目なんだろうけど、私は小日向のメフィストを見てみたかったな。 サーカスのひとたちの肉体と、老いの途上の笹野と串田の対比がそれだけでなんとも現代版ファウストといった感じだった。 ■作・演出・美術/串田和美 ■音楽/coba ■出演/笹野高史 小日向文世 雛形あきこ 小西康久 さとうこうじ 内田紳一郎 片岡正二郎 皆本麻帆 笹丘明里 広瀬斗史輝 近藤隼 佐藤卓 串田和美 ■サーカスアーティスト/ヴァネッサ・パウ ヴァロンタン・ベロ タンタン・オルゾニ シャルロット・コリー セシリア・マンフリーニ ニコラ・ロングショー ■ミュージシャン/coba 大熊ワタル 十亀正司 ギデオン・ジュークス 飯塚直子 写真は、劇場近くの「安曇野」というそば屋の梅冷や汁蕎麦 #
by sustena
| 2012-10-15 22:30
| Theatre/Cinema
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2012年 10月 15日
国立劇場で「塩原多助一代記」を見る。 三遊亭円朝の人情噺を国立劇場文芸課が補綴し、六幕十一場にまとめたもの。 三遊亭円朝=口演 三世河竹新七=作 序 幕 上州数坂峠谷間の場 二幕目 第一場 下新田塩原宅門前の場 第二場 同 奥座敷の場 第三場 沼田在田圃道の場 第四場 同 庚申塚の場 三幕目 第一場 横堀村地蔵堂の場 第二場 同 裏手の場 四幕目 神田佐久間町山口屋店先の場 五幕目 昌平橋内戸田家中塩原宅の場 大 詰 第一場 本所四ッ目茶店の場 第二場 相生町炭屋店の場 大好きな三津五郎が出るので、地味な話かなぁと思ったけど出向いた。前の席がかなり空いていたのでいい席がとれたけど、いささかスカスカなのは残念な気がしたよ。 配役は以下の通り。 なんといっても、円次郎が多助のかわりに殺され、こにとどまっては自分も殺されてしまうと、多助が愛馬の青と別れる場面(馬が熱演♪)と、炭屋に奉公する多助が実父母に20年ぶりに再開するが、父親には養家を再興するまでとお目通りが叶わなかった場面(團蔵と東蔵と三津五郎の三人の行きがぴったり)がよかったー。孝太郎はお栄とお花の二役だが、お花のかわいらしさとは対照的な尻軽な悪女のお栄がブキミであります。 三津五郎が悪党の道連れ小平と純朴な多助が早変わりするところは期待していたんだけど、別に交替で出てきただけで早変わりではなかった。ちょっと残念。 巳之助ののびやかさが好き。萬次郎はいつもながらいい声。 丹次が橋之助のまたたびお角(橋之助の女形は初めて見た)と道連れ小平に殺される場面、ちょっとストーリーがわかりにくかったなぁ。それと馬の青がもっと出てきてほしかった。 #
by sustena
| 2012-10-15 22:08
| Theatre/Cinema
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2012年 10月 14日
本日は近くの八幡宮で流鏑馬があったので出かけた。 5年に一度行われているのだが、平日だったり、前回は雨で中止で、この地に越してきて見学するのは初めて。ちなみにこの八幡宮は頼朝が奥州征伐の折、戦勝を祈願して八幡大神を主祭神とするようになり(公園の遅野井の滝も頼朝伝説によるもので、頼朝との縁が深いことから60年前の1952年かち、流鏑馬の神事をとりおこなうことになったらしい。 東京で流鏑馬が行われるのは、東京都大田区の六郷神社と東京都台東区の隅田川河畔、明治神宮、新宿区の穴八幡宮ということで、けっこう珍しいのであります(ちょっと自慢)。 開始1時間前に出かけたら、見物人がズラリ。なんとか三の的の近くに陣取る。 初めてなので勝手がわからないけど、的は一尺八寸角の板で(檜?)、要は鎌倉時代の武士の狩装束を着たひとが、馬から矢を射るのである。遠くでどよめきがあったと思うと、イッキにドドドっと駆けてくる。 は、速すぎる・・・・・。 的に当てるのはけっこう難しいようで、3~5回に一度ぐらいしか当たらない。 あと数回を残すのみとなった頃、駆けてきた馬がドウと横転してちょっと心配したけど、騎手も馬も怪我がなくてホッ。 #
by sustena
| 2012-10-14 21:36
| つれづれ
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2012年 10月 12日
きょうお昼どきに松屋まで遠征した帰り道。 地下道を通ると、イッセイミヤケのウィンドウディスプレイが目に留まった。 なんとも、こんな表現ができるなんて! プレゼンテーションの場面を想像して、一人でニヤリとしてしまった。 #
by sustena
| 2012-10-12 21:20
| まち散歩
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2012年 10月 09日
『こんにゃく屋漂流記』がむちゃくちゃおもしろかったので、同じ星野博美さんのデビュー作『謝々!チャイニーズ』(文春文庫 2007年10月刊 親本は1996年2月情報センター出版局)を読んだ。 時は1993年。中国に魅せられた星野さんは、ベトナム国境から上海まで、改革開放に沸く中国・華南地方を埃だらけの長距離バスに乗って旅をする。地球の歩き方を片手に歩くような旅とはわけがちがう。他人の「辺境証」を手に(パスポートもVISAもなしに)中国人の団体客にまじってベトナムに足を踏み入れたり、山賊の出没するコースをからだをはってルートバスを運転する面々をレポートしたり、日本に帰るときに一緒に連れて行ってくれ、「朋友」なんだからと迫られたり。 急激な改革開放の波に翻弄される中国で、生きるパワーにあふれた「見なければいけない『夢』がありすぎる」人たちとの出会いとその中で20代の星野さんが考えたことが詰まってる。 星野さんは1966年東京生まれ。会社員生活のあと写真家・橋口譲二氏のアシスタントを経てフリーに。全身から溢れ出るようなひとに対する好奇心で、まっすぐに相手のココロに飛び込んでいく強さとのびやかさ、熱い思いをイッキに読ませる文章力をかねそなえた人だ。 たとえばほんの1ページ読むだけで、星野さんの文章にひきこまれてしまう。 左手に真っ茶色の■江(みんじゃん)の濁流を望みながらガタガタの道を走り抜け、だだっ広い畑の間を走る道に入ると、険しい山のふもとに突然、建設中の白亜の高級住宅群が出現した。背後に忍び寄る山波が、銭湯の富士山の壁画のようにしらじらしい。新聞の折り込み広告の高級マンションの完成予想図を超拡大コピーして、山の前に貼りつけたような、嘘でしょう、と思わずいいたくなる現実感のなさ。 この山あいの町に住む人々が、昔ながらのやり方で普通に暮らしていたら、こんなビル群が建つはずがない。これらが建ったのは、ここの人たちが何か尋常でない方法で暮らしているからに違いない。 ここは普通じゃない。 それが長楽の第一印象だった。 超オススメであります。 第1章 東興 第2章 北海から湛江まで 第3章 広州 第4章 〓門(あもい) 第5章 〓洲島(めいちょうだお) 第6章 平潭 第7章 長楽 第8章 寧波 終章 東京 #
by sustena
| 2012-10-09 23:35
| 読んだ本のこと
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Comments(2)
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