いつもココロに?マーク

sustena.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

<   2008年 11月 ( 80 )   > この月の画像一覧


2008年 11月 15日

シアタートラム『友達』

c0155474_23322192.jpg『友達』は、1967年に初演された安部公房の代表的な戯曲である。

私が初めて安部公房を読んだのは、大学入試のために上京した夜行の寝台列車のいちばん上で。『壁』だった。それからしばらくは安部公房やカフカ、倉橋由美子にはまってしまい、「フジョーリ」なんて言葉を使ったりした。残念ながら、彼の芝居を見に行ったことはなかったけれど。

初演から40年、いまいったいどんな『友達』が描かれるのだろう? 演出は、チェルフィッシュの岡田利規さん。昨年、大江健三郎賞も受賞した才人である。

ストーリーはこうだ。

一人住まいの青年のアパートの一室に、ある夜、9人の家族が闖入してくる。孤独な暮らしを送っている人に、友情を届けることを使命としている。青年からの通報を受けて警官と大家がやってくるが、関心を示さず、被害も受けていないのに、と立ち去ってしまう。家族は、善意に満ちた笑顔で、次第に要求をエスカレートさせていく……。

驚いたことに、まったく古くさくない、というより、いかにも今そこであってもまったく不思議ではないリアリティがある。

ト書きには「きわめて平均的なくせに、どことなく怪しげな家族たち」とあるのだが、その実、今回の芝居の役者は、どことなく、どころか、全面的にアヤシイ。

元ベジャール・バレエ団のプリンシパル小林十市(青年)、「大駱駝艦」を主宰する麿赤兒(祖父)、「天井桟敷」の中心的な役者だった若松武(父)、木野花(母)、最近あちこちで見かける今井朋彦(長男)。
こんな連中が、コートを着てスーツケースを持ってやってきた日には!

麿赤兒の存在感は圧倒的だ。木野花も、この人が出ると、どんなにありえない設定でも、現実感がそなわる。ただものではない。小林も、ウシの着ぐるみパジャマを着て、モウ困ります、とモウと言うたびに客席の笑いを誘っていたが、この人の動きと、麿のブレイクダンス風の動きに吸いよせられてしまう。

くねくねと軟体動物のように動く若松は(うまいのだが)、ああ、この人が出ると、そこだけ60年代になってしまう(先日パルコ劇場の通路で見かけたときも、ただ立っていただけなのに、その空間だけアングラだった。どの芝居でもそうなのだ!)

三女役の呉キリコは、下手なんだか演技なんだかわからないギリギリの感じが妙に印象に残った。

他に、剱持たまき(長女)加藤啓(次男)ともさと衣(次女)柄本時生(三男)塩田倫(婚約者)泉陽二(婚約者の兄)麻生絵里子(大家)有山尚宏 (警官)

c0155474_23235655.jpg


by sustena | 2008-11-15 23:25 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2008年 11月 15日

国立劇場 11月歌舞伎公演「江戸宵闇妖鉤爪」― 明智小五郎と人間豹 ―

c0155474_2232189.jpg国立劇場で「江戸宵闇妖鉤爪」を見た。副題に「明智小五郎と人間豹」とある通り、江戸川乱歩の『人間豹』を歌舞伎に仕立てたもの。

乱歩自身、大の歌舞伎好きであって、このミステリーも、連続殺人、見世物小屋、明智と人間豹の対決と道具立てには事欠かない。

いったいどんな歌舞伎になるのか?最初に見たチラシは「乱歩が歌舞伎になる」と、スーツ姿の幸四郎親子。その後のチラシでは、月代・着物姿となっていた。歌舞伎化するにあたって、昭和初期の物語を、江戸時代を舞台とし、明智を隠密廻り同心に設定したのだ。

それをどう見るか。

たしかにストーリー自体は、江戸時代でも違和感なくおさまっていたけれど、私としては、昭和初期の魔都東京、一歩裏道を入れば、乞食がいて見世物小屋があって、インテリと貧乏人の落差がある世界を期待していたので、ちょっぴりがっかり。でも、昭和を舞台にしたら、歌舞伎のセリフ廻しや身体が生きないのかな。
それと、人間豹と明智の対決シーンも、大団円は別として、いささかちゃちだったな・・・・。殺陣を減らして心理シーンを盛り上げる手もあると思うけど、それだとあまりに現代劇ふうになってしまうのかもしれない。むずかしいところだ。

ところで、シェークスピアや現代演劇に出ている幸四郎は何度も観ているけれど、歌舞伎の舞台はほとんど見たことがない。染五郎も、朧の森・・・の印象が強い(あの陰な感じが魅力だよね)。だから、親子競演の歌舞伎舞台は今回が初めて。

染五郎は、恋人二人を殺されて気が狂ってしまうセンの細い神谷芳之助と、殺人鬼の人間豹の二役で大活躍なのであった。早変わりも楽しめるし。なんといっても、最後の染五郎の大凧での宙乗り!花吹雪も舞って、カッコイイ。

一方の幸四郎の明智小五郎は、ちょっと私のイメージと違うのだけれど(ちょっと落ち着きすぎ)、人間豹だけカッコよくても釣りあわないから、重厚さは必要なんだろう。

難点もいろいろ目についたけれど、サービス精神満点で、それなりに楽しめました。

作  江戸川乱歩
脚色 岩豪友樹子

■第一幕 
第一場   不忍池、弁天島の茶屋の前
第二場   江戸橋広小路の支度小屋
第三場   ウズメ舞の場
第四場   隅田河畔の茶屋
第五場   浅茅ケ原

■第二幕 
第一場   団子坂、明智小五郎の家
第二場   笠森稲荷
第三場   団子坂近くの一本道
第四場   洞穴、恩田の隠れ家
第五場   浅草奥山の見世物小屋
エピローグ 同    見世物小屋裏手

■出演
明智小五郎          松 本 幸四郎
小林新八/お玉        市 川 高麗蔵
お甲/お蘭/明智の女房お文  市 川 春 猿
老婆百御前          澤 村 鐵之助
目明かし           松 本 錦 吾
神谷芳之助/人間豹・恩田乱学 市 川 染五郎

c0155474_22175938.jpg

写真はLX3 なんとなく乱歩ふうに。もっと暗闇で妖しい感じでないとダメなんですが。

by sustena | 2008-11-15 22:19 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2008年 11月 15日

木登り

久しぶりに木登りしている女の子を見かけた。満面の笑顔。後ろからではまるで良さが出ないのだけど。
c0155474_21154788.jpg


by sustena | 2008-11-15 21:15 | まち散歩 | Comments(0)
2008年 11月 15日

うそくさい写真

きのう試して喜んでいたVibrant(バイブラント)というのは、「ダイナミックよりさらに彩度高め、より鮮烈の色設定」で、きょうは昼間太陽サンサンのときに撮ってみた。おおー、うそくさい写真だー。
c0155474_2155048.jpg
c0155474_216179.jpg

池の鯉もなんだかギトギト。
c0155474_2162411.jpg

どれも自分の写真のような気がしないので、このフィルムモードはしばらく封印にしようっと。

by sustena | 2008-11-15 21:07 | LX3 | Comments(2)
2008年 11月 14日

渡辺 保『舞台を観る眼』

c0155474_23515935.jpg演劇評論家の渡辺保さんの『舞台を観る眼』(角川学芸出版 2008年3月)を読む。

評論家で好きな文章は、吉田秀和さんと渡辺保さん。二人とも、自分が出かけていないコンサートや芝居を、まるで目の前に浮かぶように伝えてくれる。ひらたい言葉で、読み手が文意を掴みかねてウロウロするところがまったくない。まるで自分が賢くなったかのようにスッと頭に入る。そして余韻がある。渡辺保さんの『黙阿弥の明治維新』など、読み終わるのが本当にもったいなかったなぁ。

さて、『舞台を観る眼』である。これは、白洲正子と三島と折口信夫の三人に関する文章を3つの柱にして、舞台評と、短いエッセイを集めたもの。

章立てはこう。

1 白洲正子の思い出(白洲正子恐怖症;白洲正子と能 ほか)
2 舞台の精神と身体(「もの」への執着;国家を殺す女 ほか)
3 戯曲の深奥(タテことば―三島由紀夫の戯曲;小町とルネ―三島由紀夫の変身譚 ほか)
4 批評家の視座(定紋の椀;豊竹山城少掾 ほか)
5 折口信夫という存在(劇評家・折口信夫;折口信夫の陰謀)

身体と言葉の関係とか、いろいろ興味深い発見があったのだが、へぇ・・と思ったのが、渡辺さんが、食べるのが好きだということ。本人は食通でもグルメでもない、単なる食いしん坊だと書いているのだが、その書きっぷりが、本当においしそうなのだ。

「鯛の釣針」というエッセイからひいてみる。

「・・この鯛が絶妙であった。瀬戸物の蓋をとるとかすかに白い湯気とともに梅が香る。桜色の、しゃりしゃりに焼けた鯛の頭の鱗に点々と花びらのように朱色の梅干しのかけらが散っている。・・(略)まず眼肉を食べた。鯛の頭は眼肉がうまいということを教えてくれたのは、亡くなった祖母であった。「おばあちゃん子は三文安」というが、私もその三文安の口である。しかしこんなことを教えてくれたのだから三文ぐらい安い方がいい。食べているうちになつかしい祖母の面影が浮かんできた。やっぱり眼肉はうまい。おばあちゃんのいった通りだ。」

こうして、夢中になって骨をつつきまわしているうちに、箸の先が銀色に光る釣針にぶつかるのであるが、渡辺さんはこう綴る。

「その釣針に海が映っている。晩春、いやもう初夏の、白くくだける浪と、その浪間にきらめく鯛の鱗が、一瞬私の心をかすめた」

釣針の釣ったものは、本当に鯛だったか、自分の心も釣られたのではないかと思いめぐらし、

「食べものはむろんおいしくなければ困る。しかしおいしいだけが全てではない。もっと幻想的ななにかを人間に与える。
 芝居も、芸も、また同じか。」

と括る。

八十助(現三津五郎)からの手紙の話も印象深い。今面白がられるか。十年先に絶賛されるか。ここが辛抱のしどころであって、正しいことをめざして歌舞伎が滅びても、なまじ観客に媚びて生き残るよりはいい、と言ってのける。
また、踊りのおもしろさは、魂が「あくがれ出」ることだと語るところ。ベジャールの三島を通じた日本論を分析してみせる手際なども、実におもしろかった。

写真は、秩父の紅葉。
c0155474_23524851.jpg


by sustena | 2008-11-14 23:52 | 読んだ本のこと | Comments(0)
2008年 11月 14日

Vibrantモードで

自然は難しいとぼやいていても始まらない。大自然はもともと無理だし、広い範囲は悩んでしまうので、とりあえず、小さく小さく迫ることからスタートすることにした。
それで、アッ、光がきれい、と思ったときに撮ることにする。LX3のVibrantモードがおもしろそうなので、それで寄ってみる。ということで2枚。ミョーに、派手ハデしているのは、Vibrantのせいだよ。
c0155474_2202317.jpg
c0155474_220401.jpg


by sustena | 2008-11-14 22:01 | LX3 | Comments(2)
2008年 11月 14日

エリック・レッシング写真展『KARAJAN』

帰り道、ゼッタイに入るものかと思っていたライカ銀座店の前を通ったら、エリック・レッシングの「カラヤン」の写真展をやっていることに気づき、誘われるように中に入った。豆腐のような根性のワタクシ。

レッシングは、1950-1960年代に「Life」、「Paris Match」などを舞台に活躍。「マグナム・フォト」にも参加し、戦後のヨーロッパや、ハンガリー動乱を撮った。

今回は、世界的な指揮者・カラヤンの、人間性あふれる姿を写し出したモノクロームの写真が14点、展示されていた。

カラヤンというと、LPジャケットで 、ちょっと顎を上につきあげ、指揮棒を手に、前髪がゆれるように額にかかる、チョーかっこいい姿と、ベルリンフィルの明晰で、研ぎ澄まされたような音が頭の中で鳴り響く。なんだかあまりにカッコよすぎて、人間味が感じられなかったのだけれど、レッシングの描くカラヤンのなんと愛らしいことか。

有名な、自家用機をのぞきこむ姿や、語らう自然な表情が、やわらかな、ふくらみのあるプリントで伝わってくる。

こんな味はデジタルではなかなか出ないよねぇ、と思いながらあとにした。
外はもう暗くて、JUN のビルがきれいだったのでぱちり。こちらはLX3
c0155474_21482597.jpg


by sustena | 2008-11-14 21:48 | Art/Museum | Comments(0)
2008年 11月 14日

RING CUBE「フォトカレンダー展」

銀座4丁目角にあるリコーのRING CUBEで昨日からフォトカレンダー展をスタートしたのを思い出して、昼休みついでに立ち寄ってみた。

初めて訪れたときはガラガラだったけど、きょうは何人かが作品に見入っている。
以前リコーに勤めていたという初老の男のひとが、「きのうの夕方まではカレンダーがあったんだよね。こんなに来るとは思ってなかった」と、先着50名様のカレンダープレゼントを逃したことを悔しがっていた。私もホントはきのうの昼に行こうかなと思っていて、すっかり忘れていた口なので、残念でしたねと同意しながら、「リコーフレックスってすてきですよね」「昔持っていて、あれは、よくピントがあったなぁ」なんて話をした。ここに来るのはやっぱりリコーファンが多いのかな。

過去2年間のカレンダーも展示されていて、2009年のカレンダーは、先日のフォトコンテストの入賞作から選ばれていて、年度によっても雰囲気がだいぶ違う。

いい写真だなぁとタメ息。

夕方、クライアント先から戻る途中、このところGRDIIにごぶさたなのを思い出して、すでにつきはじめた街灯を見上げながらぱちり。
うーん、進歩がないわ・・・。
c0155474_21223247.jpg


by sustena | 2008-11-14 21:24 | Art/Museum | Comments(0)
2008年 11月 14日

ggg『M/M (Paris):The Theatre Posters』

昼休み、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「M/M (Paris): The Theatre Posters」を見た。
c0155474_2145413.jpg
M/M(Paris)は、ミカエル・アムザラグとマティアス・オグスティニアックの二人組。ミカエルは1990年国立美術装飾学校(パリ)を卒業、マティアスは、1991年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)を卒業して、1992年にM/Mを設立。疸アルアートデザインの枠を超え、デザイン、ファッション、現代美術の各界にインパクトを与えているんだそう。

今回の展覧会は、この二人が1995年から手がけてきた、CDDBブルターニュ演劇センター・ロリアン劇場のためのポスター40点を紹介したもの。

 コルネーユなどの古典喜劇から現代戯曲まで、さまざまなポスターなのだけれど、これが芝居のポスターなの?これでフランス人は、パッとタイトルがわかるの?? とことんアートしているフォントや、ビジュアルにびっくり。

展覧会の紹介文によると
「時にユーモラスに、時に狂気じみていて、無邪気なことも攻撃的なこともあり、装飾的なことも、グロテスクなことさえあります。極めて即興的な印象を与えるのですが、実のところ、個々の視覚的破調は、綿密に統制された全体の一部を構成しているのです。それぞれの作品は共鳴しあい、迸るような視覚的連続性を感じさせつつ、一度として自己満足や陳腐な表現に陥ることがありません。彼らは非凡かつ魅力的で、雄弁なグラフィックの表現様式を生み出しているのです」

うーん、これでは何かすごそう!と思うだけで、なにやらワカラナイと思うけど、言ってみればイメージのおもちゃ箱なのであって、床に置かれたネームプレートに戯曲のストーリーが書かれているのを読んでも、絵解きの助けにはほとんどならないのだった(知らない作品ばかりだった)。
c0155474_2143631.jpg

入口のこのポスターは銀色でメタリックに光っているんだけど、写真ではむむむなので想像してください。

by sustena | 2008-11-14 11:32 | Art/Museum | Comments(0)
2008年 11月 13日

窓のあかり

夜自宅付近で、窓のあかりが揺れていた。
いい色だなぁ、と思ってぱちり。
c0155474_22552744.jpg


by sustena | 2008-11-13 22:55 | LX3 | Comments(0)