いつもココロに?マーク

sustena.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

カテゴリ:Theatre/Cinema( 499 )


2018年 07月 31日

カクシンハンPOCKET08 「冬物語~現実と夢幻のデッド・ヒート~」

c0155474_17171649.jpg新井薬師前から徒歩7分のウエストエンドスタジオで、カクシンハンのPOCKET公演「冬物語」があった。
「冬物語」は言うまでもなく、シェイクスピア晩年のロマンス劇。

演出の木村龍之介は、「喪失」の気分が色濃い今の時代に、奇跡によって復活・再生する希望に満ちた芝居をする意義がある、という意味のことをアフタートークで語っていた。

たしかに、前半は喪失の物語だ。親友と妻の密通という嫉妬にかられた王が、愛するものの死に直面し、信頼する部下にも、親友にも去られ、孤独の中に日々を送ることになる。妄想と嫉妬の息苦しさ、すさまじさ。それを、なんと、舞台の四隅に立てた柱をラップで巻き、レオンティーズの衣装にもラップを巻くことで表現。
照明や煙の効果も相まって、その妄想がわがことのように思えてくるのだ。

そんなモノトーンの重苦しい舞台から一転、休憩後は、ボヘミアの夏。
愛を語り合う若い二人の夢や希望にあふれ、羊飼いの道化が登場し、夏祭りで観客もまじっての西洋風盆踊り?大会が開かれる。実に明るくカラフル!

そして、再び彼らがシチリアに戻った場面では、再会を告げるセリフが流れるなか、真っ暗い舞台に色とりどりのサイリウムが光り、まるで祈りの光のようだった。
最後、彫像のハーマイオニが歩き出す場面は静かな喜びが広がっていく。

3方正面の客席と舞台が非常に近い空間で味わうシェイクスピア。
今回はこんな発想で挑戦してきたか、と、毎回新鮮な驚きで演出のおもしろさを実感できる。
真以美さん、裁判でのハーマイオニのセリフがなんときれいに耳に入ってくることか、羊飼いの道化役のかわいいこと!
c0155474_17173036.jpg
このところ、まだ若いカワセミに毎朝会う。まだ人に慣れないのか、いつも遠くに陣取ってる

◎あらすじ
シチリア王レオンティーズは、妻のハーマイオニが、レオンティーズの親友であるボヘミア王ポリクシニーズと密通しているという妄想にかられ、嫉妬から、カミローに親友を毒殺するように命じる。そこでカミローはポリクシニーズとともに、ボヘミアに逃げる。
レオンティーズは王妃を投獄、獄中で生まれた娘を、臣下のアンティゴナスに命じ、ボヘミアの領内に捨てさせる。
裁判で身の潔白を王妃は訴え、神託もまた王妃の無実を告げるが、レオンティーズは聞く耳を持たない。息子・マミリアスが母を心配するあまり死に、王妃も息子の死にショックを受け死んだと告げられたレオンティーズは、孤独のなか深い後悔の日々を送ることとなる。

16年後、ボヘミアでは捨てられたパーディタが美しい乙女に成長していた。ボヘミア王子フロリゼルはパーディタと恋仲となり、父の反対を押してシチリアに渡ると。。。。

演出 木村龍之介
翻訳 松岡和子

■CAST

河内大和------ シチリア王レオンティーズ/羊飼い/紳士4
真以美------ シチリア王の妻ハーマイオニ/レオンティーズとハーマイオニの娘・パーディタ/道化
岩崎MARK雄大----- カミロー/紳士1
井上哲----- ボヘミア王子フロリゼル
のぐち和美----- アンティゴナスの妻・ポーライナ/時

客演
島田惇平----- ボヘミア王ポリクシニーズ/エミリア/ダイオン/熊/紳士3
野村龍一----- アンティゴナス/クレオミニ-ズ/羊/紳士2
伊是名モアナ----- シチリア王レオンティーズの息子・マミリアス

ドラム演奏
ユージ・レルレ・カワグチ 


by sustena | 2018-07-31 17:22 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2018年 07月 26日

大阪松竹座七月大歌舞伎 夜の部-----------大阪18夏#2

大阪松竹座で開催中の七月大歌舞伎、夜の部、3階席がゲットできたので見る。
二代目松本白鸚と十代目松本幸四郎の襲名披露興行であります。
c0155474_07540193.jpeg
最初の元禄忠臣蔵「御浜御殿綱豊卿」は、仁左衛門と中車の丁々発止が素晴らしい! 真山青果の理屈っぽいセリフ劇が、互いの心情がほとばしる、目を離せない心理劇に!綱豊のやさしさ、大きさにウルウルしちゃった。

口上では、藤十郎のほか10人の役者が列座し、お祝いを述べる。鴈治郎が、新幸四郎が関西好きなことを紹介し、関西人になる近道は、読売巨人軍から阪神タイガースファンになることだといって、万座の拍手。
仁左衛門は、気の早いことに、今の染五郎が11代目幸四郎なって、幸四郎が三代目白鸚に、そして白鸚は黒鸚なる日を楽しみにしてるって、この絶え間ない襲名寿いだ。
大阪松竹座は拍手や歓声が、劇場いっぱいに響いて、とてもいい雰囲気。

猿之助と幸四郎の「女殺油地獄」は2011年だったかな?銀座セゾン劇場で染五郎×亀治郎で見たんだけど、その時の印象より今回はチンピラで軽薄すぎる与兵衛。関西風なのか?それともウケ狙い?
猿之助のお吉が、じっくり造形されてて、与兵衛はいささか浮きすぎな感じも。。。
油で滑るシーンはいつ見ても「おおお!」って思う。
歌六と竹三郎の夫婦は、豊嶋屋でやりとりが良かったー

大阪松竹座の3階席は初めてだけど、結構見やすかったよ。

真山青果 作 元禄忠臣蔵より
一、御浜御殿綱豊卿

徳川綱豊卿 片岡 仁左衛門
富森助右衛門 市川 中車
中臈お喜世 中村 壱太郎
小谷甚内 片岡 松之助
上臈浦尾  上村 吉弥
御祐筆江島 中村 扇雀
新井勘解由 中村 歌六
                                  
二、襲名披露 口上

三、女殺油地獄

河内屋与兵衛 染五郎改め松本 幸四郎
七左衛門女房お吉 市川 猿之助
山本森右衛門 市川 中車
芸者小菊 市川 高麗蔵
小栗八弥 中村 歌昇
妹おかち 中村 壱太郎
刷毛の弥五郎  大谷 廣太郎
口入小兵衛 片岡 松之助
白稲荷法印 嵐 橘三郎
皆朱の善兵衛 澤村 宗之助
母おさわ 坂東 竹三郎
豊嶋屋七左衛門 中村 鴈治郎
兄太兵衛 中村 又五郎
河内屋徳兵衛 中村 歌六


                   
                  


by sustena | 2018-07-26 07:54 | Theatre/Cinema | Comments(4)
2018年 07月 23日

「万引き家族」

c0155474_17530455.jpg先日、ミッドタウン日比谷で是枝裕和の「万引き家族」を見た。

是枝はどうしてこんなに子供の描き方、表情のとらえ方がうまいんだろう!
樹木希林は、いつも以上に存在感がハンパなくて迫力あるばあちゃん。リリー・フランキーは、だらしない愛情深いダメ男をやらせたら地なのか?と思ってしまうし、安藤サクラはまたもや江口のりことどっちがどっちかわからなくなっちゃうんだけど、のびやかな肢体にぐっときちゃうなー

撮影と音楽もすてき。

ところで、ミッドタウン日比谷はサインがわかりづらいとか、導線がNGだとか、オープン以来ろくな噂をきかなかったけど、たしかにそう言われるのはナットクだな。
映画館の椅子は気持ちよかったよ。

監督・脚本・原案・編集 是枝裕和
撮影 近藤龍人
音楽 細野晴臣
出演者
リリー・フランキー 柴田治
安藤サクラ  柴田信代
松岡茉優   柴田亜紀
樹木希林   柴田初枝
城桧吏    柴田祥太
佐々木みゆ  ゆり
緒形直人   柴田譲
森口瑤子   柴田葉子
池松壮亮   4番さん
柄本明    川戸頼次
山田裕貴   北条保
片山萌美   北条希
c0155474_17535798.jpg
c0155474_17534877.jpg
c0155474_17542020.jpg


by sustena | 2018-07-23 17:54 | Theatre/Cinema | Comments(4)
2018年 07月 23日

ナイロン100℃「睾丸」

c0155474_16543358.jpg10日ほど前に、ナイロン100℃、25周年記念公演 第2弾「睾丸」を見てきた。
いつもながら、すごーい、なんてうまいんだろう!とひたすら舌を巻いちゃう。
こんなにハズレの少ないのはケラぐらいだよね。

25周年記念ということで、今から25年前の1993年と、さらに25年前の1968年、学生運動華やかなりしころを行き来して話が進む(それにしても、ケラって1963年生まれだよね。68年のころを描くのって、こわくないのかな・・・)。

かつてあるセクトに属していた赤本夫妻(三宅弘城・坂井真紀)のもとに電報が届く。セクトのリーダーでカリスマ的存在の長らく植物状態にあった七ツ森(安井順平)がついに死んだというのである。
赤本夫妻は実は離婚が決まっていて、亜子はこの家を去ろうとしていてすでに荷物もまとまっているのだが、なぜだかまだ健三のところにいる。この家には亜子の弟・光吉が居候していて、光吉のもとには離婚した元妻がやってきてはSEXしていく。
そんななか、25年ぶりにセクトの仲間だった立石(みのすけ)が訪ねてくる。家が火事で燃えてしまって泊めてほしいというのである。

のっけから、なんだか不穏な空気のなか、会話のビミョーなずれが笑いを生んでいく。
牛乳がこんなにまがまがしいなんて!

話が進んでいくうちに、それぞれの関係や25年前のセクト内のさまざまなエピソードから、七ツ森の人物像が明らかになっていく。
そして、なんでこの芝居のタイトルが「睾丸」なのかも、ハハーン、ナルホドとじわじわしみてくる仕掛け。
タマがついてるんでしょ!

後半は急展開だよー

三宅もみのすけも坂井も長田もうまいけど、今回とくに気に入ったのが光吉の元嫁を演じた新谷真弓。いいキャラだー。
赤堀雅秋はいつもは暑苦しくってちょっと苦手なんだけど、実にピッタリだったな。

見終わったあと、無性にピーチネクターが飲みたくなったよ。、

大きなパンフレットにもひかれたけど、Tシャツを買っちゃった♪
c0155474_16545140.jpg
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:
三宅弘城 赤本健三
坂井真紀 赤本亜子(健三の妻)
根本宗子 赤本桃子(娘)、看護士
赤堀雅秋 光吉(亜子の弟)
新谷真弓 浩子(光吉の元嫁)、看護士

みのすけ 立石伸高
長田奈麻 立石静(妻)
森田甘路 立石伸也(息子)、学生、入院患者

安井順平 七ツ森豊

廣川三憲 霧島作郎(亜子の恋人)、学部長、マスター、入院患者

喜安浩平 多田厚夫(巡査)、医者
吉増裕士 歌田(愛美の父親)、入院患者
菊池明明 歌田愛美、ウェイトレス

眼 鏡太郎 コマザワ(学生)、医者
皆戸麻衣 ワタナベ(学生)、入院患者
大石将弘 江戸一、カンバラ(学生)






by sustena | 2018-07-23 16:58 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2018年 05月 07日

GW最終日は歌舞伎座昼の部

c0155474_17484497.jpg昨日は歌舞伎座で「雷神不動北山櫻」と、時蔵の「女伊達」を見る。
海老蔵の「雷神不動北山櫻」は2008年正月に新橋演舞場で見て以来。鳴神上人と粂寺弾正、早雲王子、安倍清行、不動明王の5役を勤めるので、途中20分と30分の休憩をはさむけれど、発端から大詰めまで、4時間10分ほとんど出ずっぱりの体力勝負って演目。

込み入った筋だというので、まず冒頭で海老蔵による簡単なストーリー紹介がある。
演じる5役の紹介とともに、今年が成田山開基1080年であり、2階にお不動さんが出張してきてることや、二世市川團十郎生誕330年であり市川家にとって縁の深い演目で、成田屋という屋号の由来などの解説もあったよ。

さて、なんといっても素晴らしかったのが三幕目、鳴神から大詰めの不動に至る場面だ。
菊之助演じる雲の絶間姫の色香に、鳴神上人がフラフラとなって、ついに落ちちゃうところ。ハメられたことに、怒髪天をついて大きな目を剥いてのミエが、すごく似合う。たっぷりの立ち回りは3階席から見ていても迫力があったなぁ。そして最後、赤々と燃える炎の中に不動明王が登場するシーンでは、やんやの「成田屋!」の大向うの掛け声が降ってきて、ああ、團菊祭!なのだった。

5役の中ではこの鳴神上人が最高だったけど、100歳を過ぎても色っぽい安倍清行が不思議な雰囲気。
『毛抜』のシーンは、腰元巻絹の雀右衛門がよかったな。

通し狂言「雷神不動北山櫻」

鳴神上人/粂寺弾正/早雲王子/安倍清行/不動明王 ……海老蔵
雲の絶間姫 ……菊之助
秦民部 …… ……彦三郎
文屋豊秀 ……松也
秦秀太郎 ……児太郎
小野春風/矜羯羅童子 ……廣松
八剣数馬/制多迦童子九 ……團次
小原万兵衛/実は石原瀬平/黒雲坊 ……市蔵
白雲坊 …… …… 齊入
小松原中納言…… 家橘
関白基経…… …… 錦之助
八剣玄蕃…… …… 團蔵
小野春道…… …… 友右衛門
腰元巻絹…… …… 雀右衛門


「女伊達」

女伊達木崎のお光…… 時蔵
男伊達中之島鳴平…… 種之助
同  淀川の千蔵…… 橋之助

写真は、ここ3年ぐらい公園を歩くたびに、何の木?キウイでもないし・・と思っていた木、花が咲いてわかった。白雲木だった。花はちょっとエゴノキに似ている。
c0155474_17474559.jpg
c0155474_17480281.jpg
こちらはコゴメウツギ。この時期は白い花の咲く木が多い。
c0155474_17473774.jpg


by sustena | 2018-05-07 17:48 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2018年 04月 16日

エルンスト・ルビッチ『生きるべきか死ぬべきか』

c0155474_16532166.jpg銀座のメゾン・エルメスで、エルンスト・ルビッチ監督の『生きるべきか死ぬべきか』(原題 To Be or Not to Be 1942年/アメリカ/99分/モノクロ)を見る。

第二次世界大戦直前の1939年、ワルシャワ。俳優のヨーゼフとマリアのトゥーラ夫妻は、「ハムレット」で主役を演じる看板役者。マリアの楽屋に、連日花が届く。前列2列目に座って、熱いまなざしでマリアを見つめる空軍中尉・ソビンスキーからの花だった。ぜひ一度会いたいというメッセージをよこした中尉に、マリアは「To Be or Not to Be」のセリフを合図に楽屋に来るように伝言。ハンサムな中尉に、マリアは逢瀬を重ねる。
そしてついにナチがワルシャワ侵攻。トゥーラ夫妻も地下組織の一員として、ナチへの抵抗を続けることに。一方、中尉は、イギリスでドイツへの反撃の準備を進めていた。そんななかシレツキー教授がワルシャワに赴く密命を帯びていることを知った中尉は、教授の態度にナチのスパイではないかと疑う。ゲシュタポにワルシャワの地下組織のリストが渡ってはたまらない。このピンチから逃れるために、役者たちは大芝居を打つ・・・

と、あらすじを書いていっても、この映画のおもしろさは到底伝わりそうにない。
とにかく、ナチやヒトラーをめいっぱいおちょくっているとともに、男女の三角関係、ハムレットやユダヤ人のシャイロックのセリフが絶妙にブレンドされていて、最高におもしろかった。

こんな映画を第二次大戦まっただ中に作るなんて、エルンスト・ルビッチ、すごいなぁ。ルビッチは、1892年ベルリン生まれ。典型的なユダヤ人の風貌から劇団のコメディアンとなり、その後映画監督として成功を収める。1922年に渡米。1935年には、ナチによってドイツ市民権を剥奪されたひと。コメディは得意中なんだって。。
c0155474_16510039.jpg
c0155474_16514521.jpg
監督:エルンスト・ルビッチ
脚本:エドウィン・ジャスタス・メイヤー
撮影:ルドルフ・マテ
音楽:ウェルナー・R・ハイマン
出演:
キャロル・ロンバード:マリア・トゥーラ
ジャック・ベニー:ヨーゼフ・トゥーラ
ロバート・スタック:ソビンスキー中尉
ライオネル・アトウィル:ラウィッチ
フェリックス・ブレサート:グリーンバーグ
シグ・ルーマン:エアハルト大佐
トム・デューガン:ブロンスキー
スタンリー・リッジス:アレクサンダー・シレツキー教授



by sustena | 2018-04-16 16:53 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2018年 04月 15日

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」

c0155474_08071023.jpgスティーヴン・スピルバーグ監督の「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」(原題:THE POST 2017)を見る。

ベトナム戦争の反対運動が次第に高まる1971年、ニューヨーク・タイムズがベトナム戦争が失策だったことを分析した政府の極秘文書「ペンタゴン・ペーパーズ」をすっぱ抜く。政府のおひざ元のワシントン・ポストも、ニューヨーク・タイムズに対抗し、文書をリークしたランド研究所の調査員で、文書作成にかかわったダニエル・エルズバーグからコピーを入手。ポストの編集主幹であるベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は、ニューヨーク・タイムズが連邦地裁から発行差し止め命令を受けているときに、記事を掲載しようと考える。

そのころ、ワシントン・ポストは、家族経営から脱却し、経営の安定を図ろうと株式上場に踏み切ったばかり。社主のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は、夫が自殺したあと新聞社を引き継いでいたが、男性の役員たちからは経営手腕を疑問視されていた(当時、アメリカの全国紙の中で唯一の女性の発行人だった)。発行差し止めのリスクをおかして、記事を掲載すべきか? 株式上場をめぐる契約書には、上場後1週間、「非常事態」があれば、契約を破棄できるという条項も含まれていたのである。発行差し止め命令を受ければ、非常事態にあてはまり、経営はたちゆかなくなる。役員が反対するなか、キャサリンは掲載にGOを出す・・・。

メリル・ストリープの演技がすばらしい。掲載をめぐって悩み揺れ動く表情、しかし決断したあとは、ゆるぎない自信と風格を漂わせる
トム・ハンクスもすっかり貫禄がついちゃって。先日、93年の「フィラデルフィア」での若々しい彼を見たばかりなので、四半世紀の歳月を思ったよ。

活版時代の輪転機や、原稿の送稿スタイルがなつかしい。

国務長官を務めたマクナマラと友人関係にあったキャサリンが、マクナマラに相談したとき、「ニクソンはクソだ。どんな汚い手を使ってでも、新聞社を潰しにかかる」という意味のことを言う。うーん、どこかの国の総理みたい。

報道の自由を守るのは報道を通じてのみ。
そんなまっとうな戦いに、いまのニッポンの政治を思って、ちょっとタメ息。

メリル・ストリープ・・・キャサリン・グラハム
トム・ハンクス・・・ベン・ブラッドリー
サラ・ポールソン・・・トニー・ブラッドリー(ベンの妻)
ボブ・オデンカーク・・・ベン・バグディキアン(エルズバーグから文書をゲット)
ブルース・グリーンウッド・・・ロバート・マクナマラ
マシュー・リス・・・ダニエル・エルズバーグ

公園では緑がやさしい色!
c0155474_08071912.jpg
c0155474_08072951.jpg


by sustena | 2018-04-15 08:19 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2018年 04月 14日

ナイロン100℃『百年の秘密』

c0155474_16313171.jpgナイロン100℃の『百年の秘密』を観る。
15分の休憩をはさんで、1幕と2幕で3時間25分。でもちっとも長いと感じさせない。
もっともっと、この空間にひたっていたい。そう感じる。

舞台中央に大きな楡の木がそびえている。庭と部屋が一体になったちょっと不思議な舞台だ。
この木のあるベイカー家に住むティルダとその親友のコナを中心に、三世代にわたる家族の歴史が、時系列を行きつ戻りつしながら綴られる。
愛、友情、裏切り、家族それぞれの想いのすれ違いや愛憎・・そのすべてを老木は見つめてきた。

主人公のティルダとコナを演じるのは犬山イヌコと峯村リエ。なんと4歳の幼児から老年までを演じ分ける。すごいなー
(もちろん、そのほかの役者も。とくに感心したのは松永玲子演じるパオラが年老いてからの背中)。

いつもながら、ケラのホン、そのセリフの素晴らしいこと。ひとつひとつのセリフが滲みる。なかでも老年のティルダとコナが再会し、長い年月を思いひっそりと笑う場面、泣けて泣けてたまらなかった。

大倉孝二はいつもあんな役だけど、はまり役だよね。
長田奈麻の語りも。最初の長セリフも、俳優たちのちょっとした手の動きで、ちっともあきることなく、聞きほれてしまった。

ナイロン100℃ならではの完成度なのだった。おススメです。
c0155474_16314178.jpg
ベイカー家
犬山イヌコ ティルダ・ベイカー(主人公)/ニッキー(フリッツの孫)
大倉孝二エース・ベイカー(兄)
松永玲子パオラ・ベイカー(母)/老年のポニー
廣川三憲ウィリアム・ベイカー(父)/老年のフリッツ
長田奈麻ベイカー家の女中
-----------------------------
ベイカー家の隣人
山西惇フォンス・ブラックウッド
小園茉奈ブラックウッド家のメイド

ティルダの同級生
峯村リエコナ・アーネット(ティルダの親友 主人公)/ドリス(ポニーの孫)
みのすけチャド・アビントン
村岡希美リーザロッテ・オルオフ

エースの友人
萩原聖人カレル・シュナイダー
菊池明明ヴェロニカ(エースの恋人)

第二世代
泉澤祐希フリッツ・ブラックウッド(ティルダとフォンスの息子)
伊藤梨沙子ポニー・シュナイダー(コナとカレルの娘)

猪俣三四郎不動産屋
安澤千草家を買いに来た客・妻
藤田秀世  家を買いに来た客・夫/リーザロッテの夫
伊与勢我無家を買いに来た客の息子・ロビン
木乃江祐希家を買いに来た客の恋人・ケイト


スタッフ
■作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
■音楽:鈴木光介
■美術:BOKETA
■照明:関口裕二
■音響:水越佳一
■映像:上田大樹
■衣裳:宮本宣子
■ヘアメイク:宮内宏明
■演出助手:山田美紀
■舞台監督:竹井祐樹 福澤諭志
■宣伝美術:はらだなおこ


by sustena | 2018-04-14 16:33 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2018年 04月 11日

四月大歌舞伎

c0155474_17021259.jpg4月の歌舞伎座は、夜の「絵本合法衢」が素晴らしい。
この演目は2012年4月に国立劇場で見ている(ほんとは2011年春にやるはずが、3.11で延期になったのだった)。
ちょっと迷ったのだけれど、仁左衛門が一世一代で勤めるというので、やはりこれは見ておかねば!と、1階席3列目、中央のやや花道寄りという絶好の席をゲットした(とはいえ、私の視力はもう相当にオトロエているので、暗い場面は表情が見にくく、ああ、こんな前の列でも双眼鏡は必須だったと、ちょっと悲しい)

ストーリーは。。。
近江国多賀家の分家・左枝大学之助は多賀家の重宝「霊亀の香炉」を盗み、その後、多賀家の家老・高橋瀬左衛門を殺し、「菅家の一軸」もゲットする。

この「霊亀の香炉」を、部下が京の道具商田代屋に預けてしまう。そこで、大学之助と瓜二つの太平次がそれを取り返そうと算段。太平次にぞっこんのうんざりお松が田代屋に赴く。お松のたくらみは失敗に終わるが、その場にやってきた太平次は、田代屋の後家おりよを毒殺して50両を奪い、それを知るお松も井戸に落として亡き者にしてしまう。

こんなふうに大学之助と太平次は次々に人を殺していく。

かたや、お家乗っ取りをたくらむ武士の大学之助では凄みと威厳を、一方の武士出身とはいえ今は立場(旅人の休憩所ね)を営む太平次は、愛嬌も柔らかみもずる賢さもある役柄。この2つを、仁左衛門が実に巧みに演じ分ける。

一度見ているからストーリーが頭に入っているせいもあるかもしれないけれど、今回は国立劇場で見たときよりさらにスピードアップして、悪の疾走感にあふれていて小気味よい。
仁左衛門、もっともっとできそうなのに、今回でこのお芝居を封印しちゃうのは、もったいないような、寂しいような・・・

時蔵のうんざりお松はほんとピッタリだった。

芝居がはねたあと、魚真でイッパイ。久しぶりに毛ガニを食べたなー。

別の日に、こちらは3階席で見た昼の部。
「西郷と勝」が、真山青果らしい理屈っぽいお話ながら、予想以上に、松緑の西郷がはまり役で、勝海舟相手に無辜の江戸の民を戦争に巻き込む愚かさを語る場面、心にしみたよ。
「裏表先代萩」はウラオモテ感がちょっと物足りないというか、いまいち台本の出来が悪いような。。。。

c0155474_20562118.jpg
刺身盛り合わせ。7種類のところ、2種類おまけが(ボタンエビ、こち、とり貝、鯵、平貝、とろサーモン、白魚、メジマグロ、鯛)
c0155474_20563011.jpg
白魚の青のり揚げ
c0155474_20565254.jpg
■昼の部

真山青果作「江戸城総攻」より
西郷と勝

西郷隆盛松緑
山岡鉄太郎彦三郎
中村半次郎坂東亀蔵
村田新八松江
勝海舟錦之助

通し狂言 梅照葉錦伊達織
裏表先代萩

大場道益宅/足利家御殿/同 床下/小助対決/仁木刃傷

下男小助/仁木弾正菊五郎
乳人政岡   時蔵
細川勝元   錦之助
下女お竹/沖の井孝太郎
倉橋弥十郎   松緑
荒獅子男之助彦三郎
渡辺民部   坂東亀蔵
鶴千代亀三郎
松島   吉弥
大場宗益   権十郎
横井角左衛門齊入
栄御前萬次郎
八汐   彌十郎
大場道益   團蔵
渡辺外記左衛門東蔵


■夜の部

四世鶴屋南北 作
通し狂言  絵本合法衢-立場の太平次

序 幕
第一場 多賀家水門口の場
第二場 多賀領鷹野の場
第三場 多賀家陣屋の場
二幕目
第一場 四条河原の場
第二場 今出川道具屋の場
第三場 妙覚寺裏手の場
三幕目
第一場 和州倉狩峠の場
第二場 倉狩峠一つ家の場
第三場 倉狩峠古宮の場
第四場 元の一つ家の場
大 詰
第一場 合法庵室の場
第二場 閻魔堂の場

左枝大学之助/立場の太平次仁左衛門
田代屋与兵衛錦之助
田代屋娘お亀孝太郎
孫七   坂東亀蔵
太平次女房お道吉弥
お米   梅丸
番頭伝三   松之助
升法印由次郎
関口多九郎   権十郎
田代屋後家おりよ萬次郎
高橋瀬左衛門/高橋弥十郎彌十郎
佐五右衛門   團蔵
うんざりお松/弥十郎妻皐月時蔵


by sustena | 2018-04-11 10:00 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2018年 03月 30日

15時17分、パリ行き

c0155474_16530614.jpg先日、クリント・イーストウッド監督の最新作「15時17分、パリ行き」(THE 15:17 TO PARIS 2018)を見てきた。
2015年8月に、アムステルダムからパリに向かう高速鉄道で起きた無差別テロに遭遇し、連携プレーでテロリストを取り押さえた3人の幼馴染の若者。アメリカ空軍兵スペンサー・ストーンとオレゴン州兵アレク・スカラトス、二人の友人の大学生アンソニー・サドラー。彼らの生い立ちを追いいながら---発達障害ではないかと教師から指摘されるほどの、平凡というよりむしろ落ちこぼれに属しそうな3人の成長と、彼らのヨーロッパ旅行を淡々と描く。テロの場面は拍子抜けするほどアッという間。

運命のいたずらで事件に遭遇して、英雄的な行動でレジオン・ドヌール勲章を授かるんだけど、何が彼らを動かしたのだろう? 日常の何気ない一コマひとこまがいとおしくなる。」 

主演の3人は本人が演じ、列車の乗客なども、できるだけ当事者を集めたんだそうだ。
驚くほど自然な演技!

撮影:トム・スターン
音楽:クリスチャン・ジェイコブ

c0155474_16525282.jpg


by sustena | 2018-03-30 16:53 | Theatre/Cinema | Comments(6)