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2008年 10月 08日 ( 2 )


2008年 10月 08日

モロッコ報告7 観光写真

ツアーで短期間でイッキに回ると、著名な観光スポットばかりをまわることになる。写真撮影用に5分ほど停まって、絶景だったり、古いカスバだったり。そんなときの写真は、まるでできそこないの観光写真で、まったくもっておもしろくない。でも、名所旧跡も証拠写真として撮っておかないと、あとで、まるで思い出せなくなってしまうから、絵はがきだよー、と思いながらシャッターを押す。自分を入れて撮るくらいしか芸がないとあきらめて、お互いに撮りっこしたり。

このアイトベンハトゥも有名な世界遺産。けっこう歩いたよ、ということを示すためだけにパチリ。
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天気がよくて、雲が好き。ここも芸なくパチリ。
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観光スポットをそれなりに撮る工夫って??悩むsustenaでありました。2枚ともLX3

by sustena | 2008-10-08 23:13 | | Comments(5)
2008年 10月 08日

野田秀樹『The Diver』

c0155474_22461346.jpg『源氏物語』が大好きだった大学時代、女友達と集まっては、源氏をめぐる女の中野誰に共感できるかなんて話を飽かずしていた。末摘花や夕顔、紫の上、葵の上、朧月夜など名前があがったなかで、大きな声ではいわなかったけど、私がひそかにファンだったのは、教養があって、気位が高く、しかも嫉妬深くて、葵の上や夕顔に生霊となって取り憑き殺しちゃう六条御息所だった。
野田秀樹の『The Diver(ザ・ダイバー)』を観ながら、うんうん、やはり六条御息所だ、とン十年昔の、まだ愛やら恋やら嫉妬やら、そういった狂おしい感情が自分のうちにあることなんて、まーったく自覚していなかった頃のことを、思い出していた。

この芝居は、世田谷パブリックシアターがここ何年か取り組んできた、現代能楽集シリーズの第4弾で、昨年の『THE BEE』に引き続き、野田がイギリス人の俳優・脚本家とタッグを組んでつくりあげた作品。

能楽の「海人」や「葵上」をベースに、嫉妬に狂って、愛人の子を焼き殺してしまった三面記事的事件がないまぜになって、重層的に展開する。

罪を犯したのは、『THE BEE』英語版に登場したキャサリン・ハンター。野田はその精神分析を担当する医師だ。あなたは誰かという野田の問いに、キャサリン・ハンターは、あるときは、犯罪者のユミであり、「海人」の母親であり、源氏物語の登場人物の夕顔、六条御息所となる。罪を逃れたいがために偽っているのか、多重人格なのか・・・? 
犯行の証拠となるライターが登場し、キャサリン・ハンターが夕顔から、六条御息所へと変わっていくにつれ、事件の輪郭が次第に観客に呑み込めてくる。

源氏は絶世の美男子の皇子ではなく、単なるプレイボーイで、逢引の最中も妻からのケータイにあわてふためきつつ応対する。源氏の正妻の葵の上が野田である。

有名な車争いの場面。賀茂祭の斎院の禊見物の折に、葵の上の牛車と六条御息所の牛車が鉢合わせし、従者同士が争う。ここで葵の上は野田である。しかも懐妊している。正妻と鉢合わせすることになった六条御息所(ユミ)の驚き。正妻と別れて一緒になってくれるはずではなかったのか! 言ってたじゃないの! ユミは嘆き悲しみ、嫉妬にかられる。そう、葵の上だけでなく、自分も源氏の子を身ごもっていたのだ……。

絶望し、「今度も堕ろすことにする」というユミからのケータイに出たのは、源氏ではなく葵の上だった。葵の上は執拗に着信履歴からユミに電話をかけ続け、堕胎したユミに向かって、お前のできるのは、子宮から子をかきだすことぐらいだとののしる。ここだけは日本語で野田が言い放つ。キャサリンは生霊となり、般若の面をかぶり、家に火をつける・・。

この場面のたたみかけるような展開。陳腐な三面記事だと評する向きもあるだろうが、キャサリンと野田の演技に吸い込まれるよう。

キャサリン・ハンターが見事だ。あのしなやかな体の動き。声と手の動きひとつで、一瞬にして違う人物になってしまう。

最後、海の中へキャサリンと野田がもぐっていく。野田は生まれることのなかった、キャサリンの子どもだろうか。それとも冒頭の「海女」の息子だろうか。

[作・演出] 野田秀樹
[共同脚本] コリン・ティーバン
[囃子] 田中傳左衛門 [笛] 福原友裕
[出演] 野田秀樹/キャサリン・ハンター/グリン・プリチャード/ハリー・ゴストロウ





by sustena | 2008-10-08 22:53 | Theatre/Cinema | Comments(10)