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2008年 10月 18日

『建築家は住宅で何を考えているのか』

c0155474_0422425.jpgPHP新書の『建築家は住宅で何を考えているのか』(2008年9月30日)を読んだ。
著者は、難波和彦さん、千葉学さん、山代悟さん。変化する社会、多様化する家族形態、ライフスタイルなど、揺れ動くいま、建築家は住宅設計でどんな提案ができるのかを、「家族像とプランニング」「ライフスタイル」「集住/かたち」「街/風景」「工業化と商品化」「リノベーションの可能性」「エコロジカルな住宅」「素材/構法」「ちいさな家」「住みつづける家」の10のテーマから探ったもの。それぞれテーマごとに4つ(最後の住みつづける家だけ5つ)の代表的な住宅が紹介され、計41の作品がカラー写真と図面とともに載っている。文章も実にわかりやすく、それぞれの建築家のプロフィールもわかりやすくまとまっていて、この住宅からどんな生活がひろがっていくのか、想像しながら興味深く読んだ。

この本で繰り返し語られるのは、もはや運命共同体としての核家族は過去のもので、ゆるやかな共同体として、あるいは個の集合体としての家族を考えていかなければならないこと。そのため、nLDKという平面プランは脱却し、住み手自身が住まうことに意識的であらねばならぬこと。

印象に残ったフレーズはいくつもあるのだが、安藤忠雄の「住吉の長屋」について述べたなかの一節をひこう。
「・・日常生活の中でも中庭の雨風と戦わなければならない、住まい手を挑発しつづける家だ。しかし、だからこそ、家族はこの建築を通し、自然を楽しみ、時に戦い、そのことに誇りを持って住んでいるのではないだろうか。・・・(略)・・・人間は快適性や便利さを指向する生き物だが、それが行き着く先は常春(とこはる)のけだるい世界だ。だれもがそれを享受できるのであればよいが、世界はもっと偏っている。
住まい手に厳しさを要求すると同時に誇りを与えてくれる住まい。サステナビリティという言葉の可能性を考えるときに、この小さな住宅は重要な試金石となるだろう」

図面がもう少し大きかったら!字が小さくて虫眼鏡モノ。

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写真は帰り道の銀座。外灯の色がきれいだったので、ぱちり。LX3

by sustena | 2008-10-18 00:40 | 読んだ本のこと | Comments(0)


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