2008年 04月 03日
パルコ劇場で『MIDSUMMER CAROL~ガマ王子VSザリガニ魔人~』を観る。2004年のヒット作の再演で、キャストが一新されたものという。 舞台は、とある病院。ここに自殺未遂を繰り返す元俳優や、サルに撃たれてかつぎこまれたヤクザ、ウワサ話大好きのオバサン、昆虫採集や魚釣り、キャッチボールの好きな、なんだかヘンテコな医師、言葉づかいの荒い看護士など、一癖も二癖もある人たちが集まっている。 ことに、会社社長の大貫は、偏屈で「お前が私を知っているというだけで腹が立つ」と誰彼かまわず怒鳴り散らす、みんなの嫌われ者だった。その彼を変えたのが、交通事故で両親をなくし、1日しか記憶が続かないパコだった(要はクリスマス・キャロルね)。 パコの大好きな絵本が『ガマ王子VSザリガニ魔人』。それを夏のクリスマスのお芝居として、パコに観せるためにみなで演じることになる……。 最初は、病院の設定があまりにシュールで、登場する患者やお医者さんもあまりにブッ飛んでいて、会話もなんだか浅薄な感じが鼻についてなんだかなーと思っていた。それが、パコが登場するあたりからぐいぐい引き込まれていって、おしまいは、まんまと乗せられて、笑いに笑い、涙と鼻水で顔がグシュグシュ。おやおや私は花粉症であったか。 吉田鋼太郎といえば、私の中では蜷川の芝居に出てくるシェイクスピアの悲劇の武将であった。うまいんだけど、なんだか悲憤慷慨ばかりしてるひと、という感じで、あまり共感できなかった。でも、今回の大貫の変化が、パコの心にちょっとでも残りたいといういちずな老人の思いがしんしんと迫ってきて、とーってもよかった。 パコがいいなぁ。 ヤクザを演じた山内圭哉のサルが死んで大泣きする場面、少年ジャンプで育った看護師が、自殺未遂を繰り返す室町に「北斗の拳を読め」というシーン、それと、ガマ王子が死んで消防士が消防ホースから雨を降らせるシーンなど、ホントにいい。 ●作 後藤ひろひと ●演出 G2 ●出演 大貫……吉田鋼太郎 パコ……志村玲那 患者たち 少年時代に一斉を風靡した元俳優・室町……笠原浩夫 ヤクザ・竜門寺……山内圭哉 耳年増のおばさん木之元……楠見薫 消防士の入院患者……中山祐一朗 へんなカブリモノが似合う患者……春風亭昇太 医師・浅野……岡田浩暉 看護士・光岡……新妻聖子 老人の甥の妻の看護士……月船さらら 金持ち老人の甥……戸次重幸 写真は、センター通り入口の下着のお店。 GRデジタルII オート 手持ち ストロボoff F3.5 1/68秒 ISO100 露出-0.3ステップ
by sustena
| 2008-04-03 00:48
| Theatre/Cinema
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