2008年 03月 23日
息子がヒマきっているので、本でも読んだらと意見すると、『ひとり日和』を読んでみたいとゆーので、図書館で借りてきた。2007年の芥川賞受賞作である。 「ひとり日和ってさぁ、一人でひよってるって意味かな」と息子。「そりゃないんでないの。ひとりにふさわしい日常とかなんかでない?読んだら聞かせて」と渡す。 翌日、帰って来た声は「ビミョー」。それ以上たずねても、「とにかくビミョーなんだ」としかいわない。 で、読む。 フリーターの女の子・知寿が、線路沿いの親戚のおばあちゃんちに下宿して、失恋したりなにやかやあったのち、正社員となって、その会社の寮にすむことになって、サヨナラするまでの約1年間のお話。縮めると、なんだかなー。 こーゆーときに、主人公に感情移入するか、おばあちゃんのほうか。昔ならゼッタイ主人公のほうだけど、自分のトシを考えると、おばあちゃんに近い。うーん。今回は、おばあちゃんになった気分で、主人公のうだうだしてる話を「あ~、バカたれ~」と思いながら読む。 そうそ、おばあちゃんの名前は吟子さん、とゆーんである。でも、きょうびの70のおばあちゃんは、なかなか行動的であって、吟子さんも、ダンス教室に通ったり、ホースケさんとゆーボーイフレンドもいる。かつては、いろんな色恋沙汰や修羅場を経験しただろうけど、もう恬淡としてる。 ----------- 昔、台湾人と恋に落ちたらしい。若いころの、かなわぬ恋である。(略) 「・・・あのときは泣いたわね、世の中が憎くって、一生分の憎しみを使い果たした気がするねえ」 「一生分の憎しみってどんなの」 「もう、わたしはなあんも憎くないね」 「どうやって使い果たしたの」 「忘れたよ」 「あたし、今のうちに、むなしさを使い切りたい。老人になったときにむなしくならないように」 「知寿ちゃん、若いうちにそんなの使い切ったらだめよ。楽しいのばっかりとっておいたら、歳とったとき、死ぬのがいやになるよ」 こんな、二人の会話が心に残る。 たしかに、まだ18そこそこのガキにとってはビミョーかも。 写真は、図書館帰りに通ったアパート。雑草と壁の感じが心惹かれたの。
by sustena
| 2008-03-23 17:03
| 読んだ本のこと
|
Comments(0)
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
全体 GRDIIレッスン LX3 カメラ・レンズ・写真レッスン 看板・サイン・ポスター Theatre/Cinema/Music Art/Museum 読んだ本のこと 食べ物 旅 小さな自然 まち散歩 つれづれ 以前の記事
最新のコメント
お気に入りブログ
みてみてリンク
タグ
銀座(597)
花(373) 鳥(226) GRDII(189) ランチ(172) ショーウィンドウ(164) 顔(133) 酒肴(88) 京都(88) モノクロ(83) 公園(81) 西荻窪(76) 空(74) 工事中(57) 桜(52) 中国(48) 建築(47) 新宿(47) 夕景(44) 渋谷(41) 記事ランキング
最新のトラックバック
|
ファン申請 |
||