2008年 02月 19日
マルジャン・サトラピ『刺繍-イラン女性が語る恋愛と結婚』(明石書店 2006年7月)を読む。『ペルセポリス』で話題を呼んだマルジャンが、現代イラン女性の恋愛、性、結婚観について、ユーモアと毒気をちりばめて綴ったコミックエッセイである。 いやあ、なんとまぁアッケラカンと、女性たちが下ネタを繰り出すことか。女性たちの陰口まじりの「おしゃべり」は、「心の換気」なのだ。 親に決められた結婚で、好きな人に別れを告げに行き処女をなくしたナーヒード。どうしたらいいのとアドバイスを求められたマルジャンのおばあちゃん、初夜にカミソリを忍ばせ、自分の脚をちょっと切れば大丈夫と請け負ったのだが・・。まだ服も脱がないうちに大声を出し、あろうことか、相手のナニを切ってしまった、なーんて話。 あるいは、妻がいいか、愛人がいいか? 奥さんは夫のよごれたシャツ、きたないパンツ、毎日のアイロン、口臭、痔の出血、風邪、機嫌の悪さ、好き嫌い、気まぐれをぜーんぶガマンしなけりゃならない、なんてホンネ。 25年もかけて育て上げた男を、若い女に奪われたくないと、お尻の脂肪を切り取って、胸に注入し、胸が大きく、お尻が小さくヘンシンした女性。「今ではもう主人は私の胸に夢中。私が美しくてセクシーだとか、ブリジッド・バルドーに似ているとか(略)。でも、あのばかは、私の胸にキスするたびに、実はお尻にキスしているんだってことを知らないのよ・・・」。 ちなみにタイトルの「刺繍」とは、処女膜再生のこと。 IXY DIGITAL55 写真は、「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ2006」でのアニラ・ルビク(アルバニア)の作品、「ミラノ - 東京:往復便」。作者のスケッチをもとに十日町の主婦たちが刺繍を完成させた。アニラは、お寿司にエロチシズムを感じたという。
by sustena
| 2008-02-19 23:50
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