2008年 01月 27日
新橋演舞場の初春花形歌舞伎「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」を観た。市川海老蔵が五役を務めるという趣向で話題になった通し狂言だ。 荒事を身近で観るのは実は初めてで、観る前からワクワク。でも、ストーリーがわからないとチンプンカンプンだと悲しいかも、というので、国立劇場監修の歌舞伎公演記録集。『雷神不動北山桜』(2005年12月 ぴあ株式会社)と戸板康二の『歌舞伎十八番』(2003年8月 隅田川文庫)を読んで予習した。いやはや、なかなか込み入ったストーリーなのである。 といっても今回は、芝居の冒頭で海老蔵がストーリーの概略を説明してくれたこと。また、しかも台本もこみいった脇き筋を整理し、登場人物の性格づけをクッキリさせていたので、素人の私でも、頭に入りやすかった。 天下をのっとろうと企む早雲王子の悪巧み。お姫様の髪の毛の逆立つ奇病を、毛抜きが立ち動くことから粂寺弾正磁石のせいと推理する「毛抜」の名場面、雨の神を封じ込めた鳴神上人を、雲の絶間姫が色仕掛けで堕落させてしまう「鳴神」、早雲王子の悪事が露顕し、捕り物となるが、不動明王が登場して成敗する「不動」と、歌舞伎十八番の名場面が3つも入っている。 海老蔵は「鳴神上人」「早雲王子」「粂寺弾正」、陰陽師の「安倍清行」「不動明王」を勤める。それぞれの性格や表情、発声など、巧みに演じ分けていて、すばらしい♪ ドラクルでドラキュラを演じたときも眼の鋭さに射すくめられてしまう感じだったけど、やはり歌舞伎の大見得は実にカッコイイ。 成田山開基1070年記念で成田山新勝寺の出開帳もあって、受験生の健闘を祈ってきたのでありました。
by sustena
| 2008-01-27 11:46
| Theatre/Cinema
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