2018年 04月 11日
この演目は2012年4月に国立劇場で見ている(ほんとは2011年春にやるはずが、3.11で延期になったのだった)。 ちょっと迷ったのだけれど、仁左衛門が一世一代で勤めるというので、やはりこれは見ておかねば!と、1階席3列目、中央のやや花道寄りという絶好の席をゲットした(とはいえ、私の視力はもう相当にオトロエているので、暗い場面は表情が見にくく、ああ、こんな前の列でも双眼鏡は必須だったと、ちょっと悲しい) ストーリーは。。。 近江国多賀家の分家・左枝大学之助は多賀家の重宝「霊亀の香炉」を盗み、その後、多賀家の家老・高橋瀬左衛門を殺し、「菅家の一軸」もゲットする。 この「霊亀の香炉」を、部下が京の道具商田代屋に預けてしまう。そこで、大学之助と瓜二つの太平次がそれを取り返そうと算段。太平次にぞっこんのうんざりお松が田代屋に赴く。お松のたくらみは失敗に終わるが、その場にやってきた太平次は、田代屋の後家おりよを毒殺して50両を奪い、それを知るお松も井戸に落として亡き者にしてしまう。 こんなふうに大学之助と太平次は次々に人を殺していく。 かたや、お家乗っ取りをたくらむ武士の大学之助では凄みと威厳を、一方の武士出身とはいえ今は立場(旅人の休憩所ね)を営む太平次は、愛嬌も柔らかみもずる賢さもある役柄。この2つを、仁左衛門が実に巧みに演じ分ける。 一度見ているからストーリーが頭に入っているせいもあるかもしれないけれど、今回は国立劇場で見たときよりさらにスピードアップして、悪の疾走感にあふれていて小気味よい。 仁左衛門、もっともっとできそうなのに、今回でこのお芝居を封印しちゃうのは、もったいないような、寂しいような・・・ 時蔵のうんざりお松はほんとピッタリだった。 芝居がはねたあと、魚真でイッパイ。久しぶりに毛ガニを食べたなー。 別の日に、こちらは3階席で見た昼の部。 「西郷と勝」が、真山青果らしい理屈っぽいお話ながら、予想以上に、松緑の西郷がはまり役で、勝海舟相手に無辜の江戸の民を戦争に巻き込む愚かさを語る場面、心にしみたよ。 「裏表先代萩」はウラオモテ感がちょっと物足りないというか、いまいち台本の出来が悪いような。。。。 ■昼の部 真山青果作「江戸城総攻」より 西郷と勝 西郷隆盛松緑 山岡鉄太郎彦三郎 中村半次郎坂東亀蔵 村田新八松江 勝海舟錦之助 通し狂言 梅照葉錦伊達織 裏表先代萩 大場道益宅/足利家御殿/同 床下/小助対決/仁木刃傷 下男小助/仁木弾正菊五郎 乳人政岡 時蔵 細川勝元 錦之助 下女お竹/沖の井孝太郎 倉橋弥十郎 松緑 荒獅子男之助彦三郎 渡辺民部 坂東亀蔵 鶴千代亀三郎 松島 吉弥 大場宗益 権十郎 横井角左衛門齊入 栄御前萬次郎 八汐 彌十郎 大場道益 團蔵 渡辺外記左衛門東蔵 ■夜の部 四世鶴屋南北 作 通し狂言 絵本合法衢-立場の太平次 序 幕 第一場 多賀家水門口の場 第二場 多賀領鷹野の場 第三場 多賀家陣屋の場 二幕目 第一場 四条河原の場 第二場 今出川道具屋の場 第三場 妙覚寺裏手の場 三幕目 第一場 和州倉狩峠の場 第二場 倉狩峠一つ家の場 第三場 倉狩峠古宮の場 第四場 元の一つ家の場 大 詰 第一場 合法庵室の場 第二場 閻魔堂の場 左枝大学之助/立場の太平次仁左衛門 田代屋与兵衛錦之助 田代屋娘お亀孝太郎 孫七 坂東亀蔵 太平次女房お道吉弥 お米 梅丸 番頭伝三 松之助 升法印由次郎 関口多九郎 権十郎 田代屋後家おりよ萬次郎 高橋瀬左衛門/高橋弥十郎彌十郎 佐五右衛門 團蔵 うんざりお松/弥十郎妻皐月時蔵
by sustena
| 2018-04-11 10:00
| Theatre/Cinema
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