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2017年 08月 21日

納涼歌舞伎第2部

納涼歌舞伎第2部_c0155474_20481089.jpg8月の歌舞伎座、第2部は、岡本綺堂の「修禅寺物語」と、猿之助と染五郎の「東海道中膝栗毛」、今回は歌舞伎座で殺人事件が起きるというミステリー仕立て。題して
「歌舞伎座捕物帖」であります。

修禅寺物語はとてもわかりやすいストーリー。
将軍源頼家(勘九郎)は、有名な面作師の夜叉王(彌十郎)に、己の顔に似せた面の制作を依頼する。しかし、いくら待っても面ができないのに業を煮やし、夜叉王のもとを訪れる。夜叉王の家には、二人の娘と、職人の春彦(巳之助)がいる。上の娘の桂(猿之助)は、宮仕えにあこがれ、職人をつまらないとあざけっている。一方、妹の楓(新悟)は、職人の地道さ、堅実さこそ大切とし、正反対の姉妹だ。

満足がいくものが作れなかったのだと謝る夜叉王に、あまりに遅すぎると頼家は斬ろうとする。それを制して桂が面を差し出すと、実によい出来。頼家はすっかり気に入ってしまう。夜叉王はその面には死相が現れていると訴えるが、頼家はきかず、桂を宮仕えさせると一緒に連れ帰る。しかし、その日御座所は鎌倉方に急襲されてしまう・・・

猿之助の桂はとても説得力があった。勘九郎の頼家はちょっとセンが弱かった感じ。あまりイラチに見えないのよねー。

次の「歌舞伎座捕物帖 こびきちょうなぞときばなし」は、昨年のラスベガスに行った東海道中膝栗毛の続編。

珍道中で一文無しとなった弥次喜多の二人は歌舞伎座で黒衣のアルバイトを再開。折しも歌舞伎座では義経千本桜の四の切が初日を控え、通し稽古が行われていた。そこに殺人事件が起きる。殺されたのは、源九郎狐役の綾人(隼人)の付き人だった。それがショックで綾人も寝込んでしまう。
犯人は誰か? 源九郎狐の役を綾人(隼人)に譲り静御前の稽古に励むものの、やはり源九郎狐をやりたい伊之助(巳之助)か?? 揣摩臆測が飛び交うなか、金に細かい座元釜桐座衛門(中車)は休演せずに、巳之助に代役をさせる。一方、座元の女房お蝶(児太郎)は愛人の新五郎(新悟)にその役をやらせたがっている。そこにまたまた第2の殺人事件が起きるのだった・・・

いかにもカルーいお話で、最初と最後の二度も染五郎と猿之助が宙乗りをするほかは、巳之助の源九郎狐のアクション?や、その登場シーンの仕掛けにナルホドとうなづいたり、座元の中車がカマキリなどの虫に詳しいことにニヤリとするなど、それぞれのキャラクターを楽しむ舞台なのデシタ。

監察医の七之助がちょっとしか出なかったけど、いいキャラ。
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初世坂東好太郎三十七回忌 二世坂東吉 弥十三回忌 追善狂言 岡本綺堂 作/市川猿翁 監修
修禅寺物語

夜叉王・・・・彌十郎
姉娘 桂・・・・猿之助
源頼家・・・・勘九郎
春彦・・・・・巳之助
妹娘 楓・・・・新悟
下田五郎・・・萬太郎
金窪兵衛・・・片岡亀蔵
修禅寺の僧・・秀調


十返舎一九 原作より
杉原邦生 構成/戸部和久 脚本
市川猿之助 脚本・演出

東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖

弥次郎兵衛・・・・・・・染五郎
大道具伊兵衛・・・・・・勘九郎
女医羽笠・・・・・・・・七之助
座元釜桐座衛門・・・・・中車
天照大神又は町娘お笑・・笑也
瀬之川伊之助・・・・・・巳之助
中山新五郎・・・・・・・新悟
玩具の左七・・・・・・・廣太郎
芳沢綾人・・・・・・・・隼人
女房お蝶・・・・・・・児太郎
舞台番虎吉・・・・・・・虎之介
伊之助妹お園・・・・・・・千之助
伊月梵太郎・・・・・・・金太郎
五代政之助・・・・・・・團子
瀬之川亀松・・・・・・・鶴松
芳沢小歌・・・・・・・弘太郎
瀬之川如燕・・・・・・・寿猿
芳沢菖之助・・・・・・・宗之助
芳沢琴五衛門・・・・・・・錦吾
若竹緑左衛門・・・・・・・笑三郎
同心古原仁三郎・・・・・・・猿弥
同心戸板雅楽之助・・・・・・・片岡亀蔵
鷲鼻少掾・・・・・・・門之助
関為三郎・・・・・・・竹三郎
喜多八・・・・・・・猿之助














by sustena | 2017-08-21 15:20 | Theatre/Cinema | Comments(0)


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