2017年 08月 21日
吉祥寺シアターで、カクシンハンの「タイタス・アンドロニカス」を見た。 シェイクスピアの初期の芝居で、これでもかというほど、次々に人が殺される、救いがほとんどない残虐な話である。 これをどう舞台化するんだろうか?? おそるおそる見に行ったのだが、実におもしろい! ISISなどによるテロが頻発し、世界の憎悪をあおる指導者が存在するいまという時代の、現代に生きるシェイクスピア。言葉と俳優の肉体が、ぐいぐい迫ってくる、疾走感あふれる舞台だった。 とにかく俳優たちのエネルギッシュなことったらない! 主演の河内大和さんの存在感!(振付も担当したんだって、才能あるなー)。 ムーア人のエアロンを演じた岩崎MARK雄大さん、冒頭でやけにきれいな英語だと思ったらネイティブなんだー ゴート人の女王タモーラを演じた白倉裕二さんの女っぷり。 サターナイナス役の、のぐち和美さんは、男優役がはまってた。 タイタス・アンドロニカスの娘・ラヴィニア役の真以美さんが舌を切られ手を切り落とされたところの演出は蜷川を連想したな。 衣装の色の変化、劇中のダンスや音楽など、見どころがたっぷり。 パイプ椅子が吊り下げられたシーンの美しさを今も思い出す。 アフタートークでは、演出の木村龍之介さんが司会進行を務めた。 おっとりした知的な話しかた。 初演との違いや、衣装について、BGMで使った、ララランドからEXジャパン、さだまさし、ボレロなどの音楽をどう選んだのかといった質問が飛んだ。 この戯曲は、シェイクスピアの他の他の戯曲と違って全部韻文であること。言ってみればミュージカルのようなもので、おそらく、当時流行っていたいろんな音楽を入れ込んで、この芝居で一旗あげてやろう、という彼の野心がいっぱいだったはず。 そういう意味で、観客それぞれが感情移入できるような音楽を選んだという意味のことを言ってらしたなー。 またここの劇団の芝居を観たい。
by sustena
| 2017-08-21 11:48
| Theatre/Cinema
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