2016年 02月 08日
新進アーティストを対象に、資生堂ギャラリーを発表の場として提供する「アートエッグ展」が、今年も始まった。 10回目の今回は、全国から370件の応募があり、その8割が20代~30代の若手だったとのこと。3人のアーティストが選ばれ、最初が1979年トレド生まれの川久保ジョイさん。 川久保さんは、写真、映像、光や音などを用いて世界をとらえるインスタレーションを制作するひとで、金融トレーダーとして働いた経験の持ち主なのだとか。「日常生活の中に自分なりの原理を見出し、そのロジックを試す」という点において、トレーダーとアーティストは似ている」と語っているそうだが、その言葉をあらわすように、展示室に入るやまず目に飛び込んでくる≪ダイダロスの滝/落命≫≪イカロスの落水/水落≫と題する2点の作品は、友人のトレーダーに日本の経済見通しを予測してもらった作品で、前者が日本の長期金利(10年物国債の金利)を、後者が米ドル/円相場の、それぞれ過去20年と未来20年を予測したグラフを、壁一面をに描いたもの(壁を削ったのだとか)。それがまるで滝のよう! ≪千の太陽の光が一時に天空に輝きを放ったならば≫と題されたインスタレーションは3点。写真撮影用の8×10インチの銀塩フィルムを福島の土の中に埋め、数か月後に取り出し引き延ばした作品。それぞれ、放射線量によって色が違うのだが、淡く実にきれいな色だった。 もうひとつ興味深かったのが、≪The God of the Labyrinth 迷宮の神≫という映像サウンド作品。ボルヘスの『ハーバートクェインの作品の検討』という短編作品の文字の順番をシャッフルして新たな物語を創り出し、画面では英語、ヘッドホンの左耳からは日本語、右耳からはスペイン語でナレーションが流れる。人類滅亡後に、星を人類の居住地にするために探査を行うという話なんだけど、3つの言語がぐるぐる頭の中でまわって、クラクラしてしまった。 写真は、この展示とはまるで関係がない。会社近くのショーウィンドウ。いつも靴やカバンを、別のものに見立てて表現してる。前回は、食卓で、靴が料理のひとつだった。 今回は宇宙遊泳?
by sustena
| 2016-02-08 21:02
| Art/Museum
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