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2014年 09月 21日

9月文楽公演 第1部、第3部

c0155474_16263089.jpg今月の文楽公演は第一部と第3部を見た。

第一部は『双蝶々曲輪日記』の通し狂言。 「角力場」や「引窓」などは歌舞伎でもよく見るけど、通しで見ると、長五郎と長吉の関係や、長五郎がなんで殺人の罪を犯しちゃったのか、背景がよくわかる。その一方でかったるい面もなくはないが・・・。

やはり一番しっくりきたのは、ストーリーをよく知っている「八幡里引窓の段」。
お尋ね者となった濡髪長五郎は、幼いときに別れ、今は義理の息子である与兵衛夫婦のもとに暮らす母に別れを告げにくる。しかし、母の家では、与兵衛は代官に取り立てられていた。長五郎の逮捕がその与兵衛の初仕事なのだ。実の息子がお尋ね者となったことを知った母は、なんとかして長五郎を逃がしてやりたいと願う。一方、母の素振りから、家に長五郎がいて、それが母の実の息子だと勘づいた与兵衛は、長五郎を救おうとする。長五郎は長五郎で、与兵衛に手柄を立てさせるために捕まろうとする。このドラマに、引窓が実に効果的に使われているのである。

燕三の三味線、女房おはやの簑助がいつもながらすばらしい。

大好きな勘十郎は、今回は橋本の段で駕籠かき甚兵衛役だった。わりと静かな動きでいつものパワーがいまいちのような・・・・。( もっとも白状しちまえば、この橋本の段は、それぞれの親の思いが交錯するイイ話なのだが、コンペ続きの疲れで睡魔に襲われ、たびたび気が遠くなってしまい、鑑賞どころではなかったこともある・・・)。
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第3部の『不破留寿之太夫』は、シェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』と『ヘンリー四世』をもとに、杏里の国の若殿春若(ハル王子)に仕える、陽気で酒好き、女好きで太鼓腹の見事な不破留寿(フォルスタッフ )が、たまった酒代肴代を踏み倒そうと、居酒屋の女房お早、蕎麦屋の女房お花の二人に、同じ内容の恋文を送りつける。しかし、鉢合わせして、フォルスタッフにだまされたことを知った女房たちは、不破留寿をやっつけようと一計を案じる・・・・というストーリー。

フォルスタッフの人形の表情の豊かさときたら! 舞台セットもきれいで、鶴澤清治監修の音楽は、和洋ミックスで、イギリス民謡やクラシック風の琴や大弓に、いつもの三味線があいまって、無国籍料理みたい。セリフもききやすく、言葉遊びも楽しかったし、フォルスタッフのメッセージも、支配者がいかに変わろうと、時代を超えて庶民が大切にしてるものを大切にするんだぞという、実にわかりよいものでそれなりに楽しめたけど、やっぱりどこかひとみ座の人形劇を見ているような感じもちょっとして、新作のむずかさしを感じもしたなぁ。

とはいえ、最後、フォルスタッフを遣う勘十郎が、舞台から通路を通って去っていく場面にはじーんとしたよ。
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by sustena | 2014-09-21 16:25 | Theatre/Cinema | Comments(0)


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