2014年 08月 29日
埼玉県立美術館で開催中の「戦後日本住宅伝説ー挑発する家・内省する家」展を見てきた。 丹下健三や増沢洵ら、1950年代の作品に始まり、オリンピックや万博を経て、1976年の安藤忠雄の 《住吉の長屋》、伊東豊雄の《中野本町の家》まで、戦後の時代を画した16人の建築家が思いを込めて世に送りだした「住まい」が並ぶ。 ラインナップは── 丹下健三《住居》1953 増沢洵《コアのあるH氏の住まい》1953 清家清《私の家》1954 東孝光《塔の家》1966 黒川紀章《中銀カプセルタワービル》1972 菊竹清訓《スカイハウス》1958 磯崎新《新宿ホワイトハウス》1957 篠原一男《白の家》1966 坂本一成《水無瀬の町家》1970 原広司《原邸》1974 宮脇檀《松川ボックス》1971/78 石山修武《幻庵》1975 安藤忠雄《住吉の長屋》1976 毛綱毅曠《反住器》1972 白井晟一《虚白庵》1970 伊東豊雄《中野本町の家》1976 超有名な住宅作品ばかりで、何度か写真では見たことがあるのだけれども、こんなふうに、住宅史をたどるような形で1/10~1/50スケールの模型や写真パネル、図面、大型出力写真、そして3分前後から10分強の映像とともに、まとまって見ることができて、とても興味深かった。 小さな住宅の中にも、その建築家の原点のようなものがしっかりうかがえて、たとえば、丹下の自邸は、香川県庁東館とよく似てるし、原広司の原邸なども、駒場の東京大学生産技術研究所や京都駅ビルとそっくり。菊竹のスカイハウスも、江戸東京博物館みたーい。(写真は原邸「南側バルコニーを見る」の大型出力写真より) 東や清家や増沢、丹下の住宅は住んで暮らすシーンを想像できるんだけど、原や石山、伊東の作品など、いったい暮らすうちにたまるゴミといいましょうか、雑多で片づかないものをいったいどこに置いたらいいのー? など、ワタシはここで生活できるだろうか?なんて目で見てしまったよ。 毛綱毅曠の《反住器》はメビウスの輪みたいで、歩いているうちに、外と中がぐるぐるしそうだったけど、映像にごちゃついた洋服や断ボールなども写りこんでいたので、ホントにここで暮らしたんだ・・・としみじみと思ったね。(というわけで、キテレツではあるんだけど、けっこう親近感がわいた) 東孝光《塔の家》の展示では、実寸大の2階平面図と台所模型が置かれて、6坪弱のスペースをどう使ったかをリアルに想像できた。 伊東豊雄の初期の《中野本町の家》は、すでに壊されて今はないんだって。 お昼は、美術館のレストランで。パスタセットについてくる焼きたてだという玉葱パンがおいしかったけど、これとサラダでけっこうおなかがいっぱいに・・・。 食後に常設展と、館外&1階の彫刻を見た。常設展では小村雪岱がよかった!とくに《おせん》シリーズの傘。それとゴーギャンのタヒチ時代の木版。 ジャコモ・マンズーの《枢機卿》1979 重村三雄《階段》1989 彫刻は3体でワンセットなのかも。もう1体あった。 北浦和にあるこの美術館、オープンは1982年ともう30年以上も前なんだけど、実際に出向くのは初めて。 黒川紀章の設計なんだって。
by sustena
| 2014-08-29 00:21
| Art/Museum
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