2013年 09月 24日
先日、国立劇場小劇場で、9月文楽公演、通し狂言『伊賀越道中双六』を見た。 忠臣蔵、曾我兄弟の仇討ちと並ぶ、日本3大仇討ちとされるのが、荒木又右衛門の仇討ちなんだけど、歌舞伎でも文楽でも、もっぱら登場するのがこの中の沼津の段(文楽では、沼津里の段、平作内の段、千本松原の段)で、それ以外の段は、今回の通し狂言で初めて理解した無知なわたしくであります。 ふつう国立劇場の通し狂言というと、大作のストーリーをきちんと観客に教えることを重視ししているのか、眠くなるのも多いんだけど、今回はとてもよくまとまっていた気がする(元がいいのかな)。そして、登場人物の一人一人の心の動きや有為転変がとてもよくわかって、じわーんときたなぁ。 それでも、ところどころ端折っていながらも、第一部は11時から16時2分まで(間に啓35分間の休憩)、第2部は、16時半から20時52分まで(間に40分の休憩)と、ほーんと長丁場であります(私も別々の日に出向いた)。その体力戦の中で、大夫の声にウットリし、人形遣いの動きに圧倒されたよ。 話は毎度のことながら、実は・・・の連続。でも、和田行家を殺した股五郎が日本全国を逃げ、行家の息子・志津馬と、志津馬の姉のお谷の夫・政右衛門が助太刀に入ることを押さえておけば、それほど、ハテー??となることはないし、第2部も、政右衛門と剣術の師・山田幸兵衛との再会、仇勝ちの張本人であることを隠すために政右衛門を追ってやってきたお谷につれなくし、我が子に手をかけてしまう無念も、せっせとお勉強しなくとも、シンプルに胸に迫ってるのである。 第一フ部で良かったのは咲甫大夫の声と、人形では勘十郎の平作(歩き方がケッサク)、仇討ちのスジを通すために、お谷を離縁して7歳の子を娶る場面、燕三の三味線と咲大夫のコンビがすばらしい。またここでの玉佳の遣い手の表情によって、人形の心もちがこんなに伝わってくるのだと、とてもじーんときた。住大夫は倒れたあとの後遺症が心配で,声量はいまいちだったけれども、じんわりゆったりと、もうこの人ならでは。 第2部は岡崎の段が圧巻。和生のお谷に泣いちゃったよー ○竹本相子大夫は、病気療養のため休演で、円覚寺の段 中 豊竹靖大夫 ○桐竹紋壽も休演。奴助平 桐竹勘十郎。勘十郎は出ずっぱりだったなぁ。 第2部の休憩時間に月がたいそうきれいだったけど、ゼンゼンちゃんと写らなかった(;_;) 第1部と2部を両方見たので、明治42年発行の『伊賀越道中双六』の懐中稽古本の復刻版と内容を活字に起こした翻刻をもらった。義太夫の稽古本は、翻刻がないと到底よめやしないのだった。
by sustena
| 2013-09-24 23:00
| Theatre/Cinema
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Comments(2)
えへん、この手の江戸文字は8割方読めます。駒場で影印本つかって、近松を読まされたときに、一年間筆写して覚えました。
満月と団子の話と、Iwamoto さんとこのzep話題ついでにみつけた、トムウエイツのチョコレート・ジーザスを歌うBeth Hart をURLにいときました、トムのオリジナルの方がやっぱり粋ですが、ベスの怪唱もすてがたいです。lololol
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sustena at 2013-09-26 13:19
Cakeaterさんはこんなのたくったような文字も読めるんですか!!!ひぇ~、脱帽でございます。
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