2013年 05月 05日
昨日、明治座五月花形歌舞伎昼の部を見た。なんたって大好きな勘九郎が出る♪ 演目は「実盛物語」と「与話情浮名横櫛」。 「実盛物語」は、源氏の白旗を握りしめた片腕を、九郎助とその孫の太郎吉が海で拾い、持ち帰ってくるところからはじまる。その家では、懐妊中の葵御前がかくまわれていた。 そこへ、平家方の武将の瀬尾兼氏と斎藤実盛が葵御前の産む赤ん坊の詮議にやってくる。男だったら殺すためである。九郎助の妻小よしは、葵御前が生んだとして、袱紗に包んだ片腕を差し出す。そんなバカなことがと息巻く妹尾に、実盛はそんなこともあるよね、と言って、古の中国の例を出してかばう。実は実盛は、元源氏の武士で、白旗を守るために、女の腕を切って海に落としたのだという。その女こそ太郎吉の母、小万だった。 そうこうするうちに、小万のなきがらが運び込まれてくる。片腕をつなげると、小万は息を吹き返し、白旗が葵御前の手に戻ったことを確認して息絶える。そのあと葵御前は、男子を出産。その家来に太郎吉をという話になるが、平家の血筋であるから手柄がないと・・と言っているときに、帰ったと思っていた瀬尾があらわれ、小万のなきがらを足蹴にする。怒った太郎吉が妹尾を討つと、妹尾は小万の父で、太郎吉に手柄を立てさせるために、わざと討たれたことを告げる。あらら、いい人だったのねー。 実盛も、いずれ太郎吉が大きくなったときに、母の仇として討たれようと約束して去るのだった。 勘九郎の実盛が清新で絵柄が大きくて、独白もちゃーんと聞かせてくれてよかったー。 一方の「与話情浮名横櫛」は、歌舞伎座さよなら公演で、染五郎の与三郎、福助のお富のコンビ手見たことがあるけれど、今回は、お富は七之助。見染めの場面だけでなく、二人の密会と見つかって逃げおくれた与三郎がリンチを受ける赤間別荘の場があるので、話の筋がわかりやすい。 ただ、亀蔵の赤間源左衛門がちょっと小物に見えちゃったなー。あたり一帯の親分なんだから、風格がほしいところ。与三郎が身体中を斬り苛まれる場面、もっとしつこくていいのにー、と思う私はイケナイ性格?? それと亀鶴の蝙蝠安はややひょうきんすぎかな。 一、源平布引滝 「実盛物語」 斎藤別当実盛 中村勘九郎 小万 中村七之助 百姓九郎助 松本錦吾 女房小よし 上村吉弥 瀬尾十郎兼氏 片岡亀蔵 御台葵御前 市川高麗蔵 二、与話情浮名横櫛 序 幕 木更津海岸見染の場 二幕目 赤間別荘の場 三幕目 玄冶店妾宅の場 与三郎 市川染五郎 お富 中村七之助 海松杭の松五郎 坂東薪車 赤間源左衛門 片岡亀蔵 鳶頭金五郎 中村勘九郎 蝙蝠安 中村亀鶴 和泉屋多左衛門 片岡愛之助 この春、瀬戸内で会ったネコ。写真を撮ろうとしたら逃げていったの。
by sustena
| 2013-05-05 22:26
| Theatre/Cinema
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