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2011年 12月 14日

12月文楽公演「奥州安達原」

12月文楽公演「奥州安達原」_c0155474_23241564.jpg久しぶりに文楽を見る。私の好きな「奥州安達原」である。有名な、「環の宮明御殿の段」のほかに、21年ぶりの上演となる「外が浜の段」「善知鳥文治住家の段」がついた半通し。

近松半二らしい、ややこしい話なのである。

八幡太郎義家の奥州征伐によって滅ぼされた阿倍頼時の遺児・貞任&宗任兄弟は、御家再興と復讐を誓っている。

貞任の息子・清童を育てている貞任の家来・善知鳥文治は、 病気の清童の薬代を得るために、禁じられた鶴を打ち落とし、その犯人を妻に訴えさせることで報奨金をゲットしようと考える。文字の読めない妻は、金貸しの南兵衛を犯人に仕立てるのだという夫の言葉を信じて訴状を持って出かけるが、訴状にあったのは、夫の名前だった。捕手が文治に縄をかけるのを見て、清童はショック死してしまう。南兵衛、実は宗任は、義家に近づくために、文治の身代わりとなって捕らえられて都へと赴く。
和生の文治が思慮深い感じでgoodだったなー。

「環の宮明御殿の段」では、宮中から帝の弟・環の宮が誘拐され、守り役の儀仗直方が切腹を命じられる。その娘・袖萩は、父の切腹のウワサを知り、一目会いたいと、娘のお君に手をひかれて、両親の住む環の宮明御殿にやってくる。袖萩はかつて恋人を追って家を出て父に勘当され、今は落ちぶれて盲目となってしまっているのだ。降りしきる雪のなか、寒さに震える二人だが、直方は娘と孫に会おうとはしない。直方の妻の浜夕は娘にやさしい言葉をかけてやりたいが、夫の手前どうすることもできない。物乞いめが、何かほしいなら歌を歌えと言うと、袖萩は半生を語り出す。実は袖萩の恋しい夫こそ、環の宮を誘拐した張本人の貞任だった・・・。そこへ、宗任が縄を逃れてやってくる。袖萩の姿を認めると、貞任の妻なら直方を殺せと刀を袖萩に渡すが、板挟みになった袖萩は自害してしまう。一方、直方も御殿の中で自害する。親子が家の家と外で息絶えようとするところに、直方の死を見届けに、桂中納言がやってくる。桂中納言こそ、貞任だった・・・・。

いつもながら「実は」「実は」の連続で、予習していても、すぐに頭がワヤになってしまうんだけど、環の宮明御殿の段など、話の筋はよくわからなくても、会いたいけど会えない、娘よと声をかけたくてもかけられない不憫さと切なさだけで、もうウルウルである。

勘十郎の人形がうちふるえる姿はもう絶品。勘彌の浜夕、玉輝の直方も健闘してました。大夫では咲甫大夫と文字久大夫と千歳大夫がマル。(呂勢大夫はきばりすぎ)。三味線はなんといっても燕三♪
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by sustena | 2011-12-14 00:01 | Theatre/Cinema | Comments(0)


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