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2011年 01月 28日

浅草新春歌舞伎───亀治郎、サービス満点

ここ3年ほど、浅草で若手歌舞伎俳優がイキイキと演じる「新春浅草歌舞伎」が気に入ってしまい、見に出かけてる。
今年も、行ってきました♪ 見たのは、第2部の「壺坂霊験記」と「黒手組曲輪逢引」。

壺坂・・のほうは、盲目の座頭沢市(愛之助)を想う女房お里(七之助)は、毎晩観音様に、沢市の目がよくなることを希う。沢市は美しいと評判のお里がいつもいなくなるのは、男がいるせいだと思い、自分さえいなければ、女房ももっと自由になれるのにと、観音様にお参りしたときに、お里に用事を頼み、そのスキに、急峻な山の崖を飛び下りる。戻ってきたお里が嘆き、自分も身投げする。お里の情愛の深さにうたれた観世音菩薩の功徳により、沢市の目が見えるようになり、メデタシメデタシという,まぁ他愛のないお話で、目に見えるようになった沢市とお里の天真爛漫に喜ぶさまが、なんだかこっちまでほわんとあったかな気持ちになるというお話。

今回のお目当ては、その次の「黒手組助六」で、これは歌舞伎十八番の助六のパロディにもなっていて、醜男がやる助六用にと、黙阿彌が書き下ろしたもの。

今回は亀治郎が、白玉(春猿)にダマされて白玉が吉原から逃げるのを助ける権九郎と、白玉がホレているヤクザモンのいい男の牛若伝次への早替わり、そして後半は、父の仇を探す助六の三役を勤める。助六と恋仲の揚巻には七之助。助六を見守る紀伊国屋文左衛門に愛之助、揚巻に横恋慕して、助六をいじめる鳥居新左衛門に亀鶴、新左衛門の家来にいたぶられる白酒売りが寿猿と、要所を締める配役である。
父の仇が新左衛門とわかったところで、シャンシャンとオシマイではなく、なんと、大詰めで水入り(えー、樽いっぱいの水の中に隠れるのであります)もある。これは、実に22年ぶりという。

冒頭から亀治郎に目が釘付け。権九郎は、太いゲジゲシマユに目の縁取りのブオトコ。鼻の下をのばして、デヘヘと笑う表情で、バッチくて、並んで歩きくのも願い下げって男になってみせるのである。逃げるお金を持っているのでじっとガマンの美人の白玉に春猿のハマっていること! 
早替わりのシーンも、予想はしてるけど、ほんとにパッと替わって、大喝采。
助六と新左衛門の対決シーンでは、亀鶴がなかなかイヤーな奴でよかった。
水入りの場面ではお向うが「冷たかろうに!」といいところで一声。ザンブと水が派手に飛び散り、客席も大いに盛り上がる。最後、揚巻がハッシと追手をにらみつける場面も、かっこよかったよ。
大満足~なのでありました。
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by sustena | 2011-01-28 23:34 | Theatre/Cinema | Comments(2)
Commented by esiko1837 at 2011-01-29 09:05
歌舞伎ファンでなくても見に行きたいなあと思いました。
サステナさんの感動が伝わってきます。
役者さん達の躍動感が見えるようで、さすがサステナさんと思いました。
写真も素晴らしいです。
こういうネタが、やはりサステナさんの真骨頂だと思います。
朝こういう爽やかなのを見せて貰って、こっちもスッキリです。
「新春」にピッタリですね、有り難うございます。
Commented by sustena at 2011-01-29 23:04
esikoさん、福山雅治のマネで歌った箇所もあったんですよ~。
写真は、上は浅草公会堂の中のコーヒー自販機がおいてある休憩コーナーの窓から。室内のライトが窓に写ってるのがおもしろいかなーと思ったんですけど、ネライ通りにはなかなかいかなかったのでした。


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