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2011年 01月 23日

「十二夜」

c0155474_23535777.jpgシアターコクーンで上演中の串田和美・演出のシェイクスピアの「十二夜」は、思いがけずめっけものの、引き出しにしまわれてすっかり忘れていたオルゴールを見つけたような、小さな宝箱のようなお芝居だった。

いまさら十二夜もねぇ・・と実のところチケットを取るかどうか迷ったのである。でも、松たか子だし、このところの串田の演出はけっこう好調だし、十二夜をどう料理するのかの興味が勝って出かけたのだ。

砂浜の向こうに難破船が打ち上げられていて、青空が広がっている。と、どこかから音楽が聞こえてきて、一段の行列がやってくる。旅の一座だろうか、お祭りなのか、葬式なのか、結婚式なのか、笑ってるようでもあり、泣いてるようでもあり・・その一座が、中央の舞台で芝居をはじめる。

ご存知、嵐にあって離ればなれになった双子の兄妹と、彼らが打ち上げられた島の貴族と召使や道化が繰り広げる恋の話。

松たか子が主人公の双子を演じる。ヴァイオラは兄が死んでしまったと思い込み、兄がいつもそばに感じていたいと、男装してシザーリオと名乗り、オーシーノ公爵(石丸幹二)に仕える。彼は、伯爵の娘オリヴィア (りょう)にぞっこんで、シザーリオに恋の仲立ちを頼むが、オリヴィアは使いにやってきたシザーリオに一目惚れ。でも、シザーリオが好きなのは、オーシーノ公爵なのだ。とかくこの世はままならない。
一方、オリヴィアの叔父トービー(大森博史)の遊び仲間のアンドルー(片岡亀蔵)もオリヴィアに熱を上げている一人。トービーは、アンドルーをけしかけ、シザーリオに決闘を申し込ませる。
もう一人、オリヴィアに恋する男がいた。オリヴィアの執事・マルヴォーリオ(串田和美)である。彼を嫌っているトービーとオリヴィアの小間使い・マライア(荻野目慶子)は、道化(笹野高史)らと組んで、マルヴォーリオに贋のラブレターを送り、オリヴィアが自分に気があると思い込ませる。
そんな折、てっきり死んだものと思われていたヴァイオラの双子の兄セバスチャンが、アントーニオ(真那胡敬二)に助けられ、この島にやってきた。セバスチャンとシザーリオとを間違えて、あちこちで混乱が起きる・・・。

なんといっても松たか子がいい。男装したシザーリオ、乙女のヴァイオラ、双子の兄のセバスチャンと、声ひとつで、誰を演じているかが瞬時に切り替わって、まどうことがない。あの声の澄んで、通ることったら。

道化の笹野高史が冒頭で手袋だけで披露する、サザエとイソギンチャクの恋の寸劇もすばらしかった。

石丸幹二は、オーシーノ公爵のほかに、吟遊詩人となってグリーンスリーブスのメロディで恋の秘密を歌ったけれど、この歌も実によかった。これまでこの人のどこがいいのかサッパリわからなかったけれど、見直しちゃったよ。

十二夜の見せ場のひとつ、鶏になったマルヴォーリオの場面、みんなで彼の愚かしさを哄うところではあるものの、恋をしちゃうとこんなふうにモノが見えなくなるのよねぇ・・となんだか切なかったな。

つのだたかしのリュートと、串田和美の美術がすばらしい。この音楽と舞台装置がなかったら、なんと味気なかったことだろう。(ついでに、目黒陽介のジャグリングと飯塚直子のパーカッションも楽しかったことも忘れないように書いておく)

他に、ヴァレンタイン/酒向芳 フェイビアン/内田紳一郎 キューリオ/片岡正二郎 役人/小西泰久、アコーディオン/小春 チューバ/ギデオン・ジュークス
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by sustena | 2011-01-23 23:51 | Theatre/Cinema | Comments(2)
Commented by higphotos at 2011-01-24 20:09
相変わらず、精力的ですな。素晴らしい。
写真もガンガン撮っているご様子で、恐れ入谷。
寒い日が続くと写欲が萎えますが、sustenaさんを見習いたいと思います。
Commented by sustena at 2011-01-24 21:04
higphotosさん、量だけは撮ってます。何度か、「考えて撮る」というテーマを設定しようと試みたんですが、まったく実行できないことがわかったので、犬も歩けばあたれば路線で、気になったらパチッ路線で行っております。


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