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2010年 12月 19日

ケラリーノ・サンドロヴィッチ『黴菌』

ケラリーノ・サンドロヴィッチ『黴菌』_c0155474_22444341.jpg先日、シアターコクーンでケラの『黴菌』を見た。
昨年の「東京月光魔曲」に続く昭和三部作」の第二弾で、敗色濃厚な太平洋戦争末期から戦後まもない東京で、軍事工場で財をなしたある一族のお屋敷を舞台に繰り広げられる三兄弟の没落の話で、ケラ版の「桜の園」「三人姉妹」といったところだろうか。
登場人物がいっぷう変わったキャラである。どれもありえないような設定だけれど、その一人ひとりがわが隣人のように、なんだかいとおしい。

五斜池一家。長男の藤吉郎(山崎 一)は屋敷に隣接した脳病院の院長である。その妻フサ(高橋惠子)との間に一子・銀一郎(長谷川博己)がいる。やたら生意気でひとをバカにするが、そのくせ、ひ弱で成熟していない青年。次男の定夫(生瀬勝久)は、下の弟の死が自分に責任があると悔やみ、家にこもっている。作家だが、軍部の要人・菊竹桐生の影武者でもある。末っ子・四男の京(北村一輝)、はハデで遊び人風、わが道を行くという、板村の顔のまんまの性格だが、こっそり善行もしているらしい。国民学校の教員をしていた佐野言絵(ともさかりえ)を妻とするが、いつも遊び歩いているふうである。
一族のあるじは癌で病に臥せっている。その愛人が渋澤オト(緒川たまき)。その兄の洋平(仲村トオル)は、この一家のあるじが経営する軍事工場で怪我をして足をひきずっている。実に空気の読めない天然な性格だが、やたらいい人ではある。

そしてこの家の使用人が山本百合(池谷のぶえ)。洋平に片思いしている。もう一人、元入院患者の別府三郎(小松和重)、治ったというものの、ちょっとどこかアブナげである。別府さんの精神病院での友人が権田さん(みのすけ/他に二役)

藤吉郎を助けたことから、病気だという証明をしてもらって徴兵忌避でこの家の世話になることになったのが、調雄吉(岡田義徳)と園子(犬山イヌコ)の夫婦。善良を絵に描いたような仲むつまじい夫婦であったが、藤吉郎の処方する実験薬によって、夫は次第に妻を毛嫌いするようになっていく・・・。

あっ、配役を記しているだけで、スペースをけっこう食ってしまったな・。

芸達者な俳優陣で、それぞれがはまっていたなぁ。私が好きなのは、使用人の池谷のぶえと小松和重。(関係ないけど、私はすぐに小松和重と阿部和重がごっちゃになってしまって、シンセミアを書いた人が俳優なのか?ってカンチガイしちゃう)
それと、長谷川博己は、これまでなんどか見たけれど、今回がいちばん、「らしい」感じがしたなぁ。
終章で調夫婦が、完全にもとには戻らないけれども、おだやかな表情になるシーン、小さいときにたった1回泣いたっきりだという京が、オイオイ泣くシーンかよかった♪

音楽は斎藤ネコ。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ『黴菌』_c0155474_22553841.jpg

GXR+A12 50mm

by sustena | 2010-12-19 09:52 | Theatre/Cinema | Comments(2)
Commented by ken_kisaragi at 2010-12-21 23:18
カッコイイ写真ですね。
暗部の潰れが無い、カメラもレンズも良さそうですね。
Commented by sustena at 2010-12-23 20:56
ken_kisaragiさん、このところずっと、影にココロを奪われていたんですけど、相手が悪すぎました・・・(;o;) ムズカシイです。


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