2009年 08月 02日
先日、世田谷パブリックシアターで『BLACKBIRD ブラックバード』を見た。 2007年度のローレンス・オリビエ賞で最優秀作品賞を受賞したデビッド・ハロワーの作品。 15年前の少女誘拐事件で有罪判決を受け、名前も住む場所も変えて人生をやり直している男レイの勤務先に、ある日突然、事件の被害者のウーナがやってくる。彼女は、ずっと同じ町に暮らし、周囲から好奇の目でみられながら生きてきた。今頃になって、いったいなんの目的で?早く帰ってほしいとレイは頼むが、ウーナは帰ろうとしない。そして、この15年間について、当時の事件の真相を話しだすのだ・・・。 舞台は終始同じレイの勤務先の従業員用控室といった一室で演じられる。ロッカーと机が咲く然と置かれた殺風景な場所。ごみも散らかしっぱなし。 ウーナ役の伊藤歩のスラッとしていること。エキセントリックで勘定の起伏が激しくて、ギラギラした目つき。いったい何をたくらんでいるんだろう、何を求めているのだろう。獣みたいで、あるときは大人の女に、あるときは少女に戻る、その揺れ動く感情。演技はちょっぴり生硬なんだけど、それがいい緊張感を生んでいた。 対する内野聖陽は、小心者であり、ズルいおとこであり、でも一度はウーナを本気で愛して、またこの体当たりぶりに翻弄されていく感じがとてもうまい。 ああ、このままどっちかが殺されるんじゃないか・・とキュッと胸元を押さえつけられたような思いで見ていた。 GRDII
by sustena
| 2009-08-02 22:43
| Theatre/Cinema
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