2009年 01月 25日
先日歌舞伎座で「壽初春大歌舞伎」夜の部を見た。 「歌舞伎座さよなら公演」と銘打っているけれど、建て替えまであと16カ月ぐらいあるので、ちょっと人騒がせなショルダーフレーズだなぁ。 正月らしい演目で、おなじみの「壽曽我対面」、「春興鏡獅子」、そして三島由紀夫の脚本の「鰯賣戀曳網」の3つ。 「壽曽我対面」は曽我兄弟の仇討ちで、名優揃い踏みの顔見せモノ。工藤祐経が幸四郎、工藤が討った河津三郎の息子で、上のおっとりしてるほうが菊五郎、血気盛んなほえたてる弟の五郎が吉右衛門。吉右衛門がフガァゴオーッと、怒髪天をつく武者ぶりが、大いに客席をわかせていた。 舞鶴役の魁春は、役柄が大きいのだけど、このひと、70かしら80かしらと、のどや指先をじっと見つめていたら、なんと、まだ60とちょっとだったのね・・・。失礼しました。菊之助の化粧坂少将、きれいだったなぁ・・・。 「春興鏡獅子」は、勘三郎の踊りを堪能できる。千之助・玉太郎の胡蝶のかわいらしいこと、衣裳も楽しい。 「鰯賣戀曳網」は三島の重苦しさがまるでない、ハッピーなお話。鰯賣の猿源氏(勘三郎)は、遊女の蛍火(玉三郎)に一目惚れして、自慢の売り声をたえだえ。そこで、猿源氏の父親の海老名なあみだぶつ(彌十郎)は、猿源氏を大名に仕立てて、茶屋に向かう。猿源氏は蛍火の膝の上で寝るうちに、寝言で鰯賣の売り声を口にする。いけない、バレてしまう!ところが蛍火は、鰯賣の売り声に恋い焦がれていたのだ・・。 勘三郎がノリノリなのはマァ当然として、思わぬ拾い物が染五郎の博労六郎左衛門。こんなひょうきんな役も似合うんだね。玉三郎は、みんなを圧倒するお姫様でありました。 追伸 壽曽我対面の家門をアレンジした大道具と、鰯賣戀曳網の太鼓橋が迫力! 一、壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん) 曽我五郎 吉右衛門 曽我十郎 菊五郎 小林妹舞鶴 魁 春 近江小藤太 染五郎 八幡三郎 松 緑 化粧坂少将 菊之助 梶原景時 錦 吾 梶原景高 亀 蔵 大磯の虎 芝 雀 鬼王新左衛門 梅 玉 工藤祐経 幸四郎 二、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし) 小姓弥生後に獅子の精 勘三郎 胡蝶の精 千之助 胡蝶の精 玉太郎 局吉野 歌 江 老女飛鳥井 吉之丞 用人関口十太夫 高麗蔵 家老渋井五左衛門 友右衛門 三、鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ) 猿源氏 勘三郎 海老名なあみだぶつ 彌十郎 博労六郎左衛門 染五郎 庭男実は藪熊次郎太 亀 蔵 亭主 東 蔵 傾城蛍火実は丹鶴城の姫 玉三郎
by sustena
| 2009-01-25 22:05
| Theatre/Cinema
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