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2021年 07月 24日

ポール・ナース『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』

ポール・ナース『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』_c0155474_14105000.jpg先日、ポール・ナースの『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』(ダイヤモンド社2021年03月刊)を読んだ。

著者のポール・ナースは1949年英国生まれ。知識階級出身ではなく、フランス語が苦手だったことから大学に入学できず、醸造所のラボで技官として働いたのち、大学へ。酵母を対象に、細胞周期のM期を開始させる因子としてタンパク質リン酸化酵素のcdc2を発見。この細胞周期のメカニズムが酵母からヒトに至るまで共通だということを示し、2001年にノーベル生理学・医学賞を受賞した人。

この本は、「細胞」「遺伝子」「自然淘汰による進化」「化学としての生命」「情報としての生命」という5つのステップで、生命の仕組みを解き明かしていく。

個人的にナルホド感の強かったのが、ステップ4の「化学としての生命」。

生命のほとんどの現象は、「酵素が触媒する化学反応」という観点から理解するのがわかりやすい。
生体のポリマーは、基本的に炭素、水素、酸素、窒素、リンの5つの化学元素からできている。そして炭素は他の元素より融通がつきやすく、結合箇所が4つあるから、うち2つの原子とつながって原子が連なる鎖を作りだしても、それぞれがあと2つの余った箇所で、他の分子を結びつくことができる。
生命は20種類のアミノ酸を組み合わせることで多様なタンパク質ポリマーをつくり出す。線状の鎖はいったんつながると折り紙のようになって、三次元構造をつくり出す。紐から3次元立体になることで、働きかける相手の化学物質とピッタリ合わさるような酵素をつくって、特定の化学反応を引き起こしたり、品質管理をしたり、分子を輸送したり、細胞間でメッセージや成分を運ぶ機能を果たすのだ。
こうして細胞の中で同時発生する無数の化学変化は、無秩序に見えるが、実際は高度な秩序を保っている。細胞という狭い領域ですぐ近くで実行されるため、互いに邪魔し合わないよう区画化が必要だが、相互作用も行うから、連結された化学的な微小環境も必要となる…

これまで取材でバラバラに聞いてきた話がすとんとつながる感じがしたなぁ。

生殖と分裂を生命の本質ととらえ、35億年の歴史のなかで紡ぎ出されてきた生き物の奇跡を伝えてる。
訳は、サイエンス作家で理学博士の竹内 薫さん。こなれていて、とても読みやすい。

写真はけさ公園の擬木にとまって交尾していたモモスズメガ。上がメス。
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羽化したばかりのニイニイゼミ
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蜘蛛のきれいな抜け殻
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アオメムシヒキアブ。おもしろ恰好でとまってるのに驚く。
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まえがき

ステップ1 細胞 細胞は生物学の「原子」だ

生命の基本単位
すべての細胞は細胞から生じる
優れたモデル
生命の2つの大きな枝
あの蝶のように……

ステップ2 遺伝子 時の試練をへて

「遺伝子」の発見
メンデルの庭
「小さな糸」のふるまい
遺伝子の正体
最強の凸凹コンビ
「遺伝子暗号」に挑め
ヒトゲノム解析計画の成果
細胞周期研究との出合い
1974年、「あの瞬間」のこと
cdc2遺伝子の特定
私自身についての驚くべき発見

ステップ3 自然淘汰による進化 偶然と必然

生命の多様性と創造の神話
自然淘汰による進化
ダーウィンが示したもの
3つの決定的な特性
マウンテンゴリラとの邂逅
ある馬鹿げた考え
科学の究極の目的

ステップ4 化学としての生命 カオスからの秩序

生命は化学である
パスツールの偉大な貢献
生命にとって不可欠なプロセス
分子の「立体パズル」
「区画化」という機能
原子の外科手術
配達人?
酸素の大惨事
変人化学者の推測
細胞化学の世界へ!
私の「ユーレカ」

ステップ5 情報としての生命 全体として機能するということ

情報は生命の中心にある
細胞の究極の目的
DNAの重要な機能
遺伝子のオンとオフ
ノーベル賞を受賞した庭師?
複雑さの「意味」を捉える
細胞の記憶
エピジェネティクス
一滴のインク
チューリングの独創的なアイデア
新たなひらめきの可能性
複雑さを理解するための手段

世界を変える

緊急手術
感染症との闘い
がんの新しい治療法
遺伝子編集の未来
iPS細胞の可能性
人口増に伴う問題
「合成生物学」のインパクト
生命を理解して世界を変える

生命とは何か?

とてつもなく大きな問い
エレガントな解決策
中間的なウイルス
最も独立した生命体
生命の樹
物語のはじまり
どちらでもない!
並外れた「人間の脳」
われわれは、みな……




# by sustena | 2021-07-24 14:15 | 読んだ本のこと | Comments(3)
2021年 07月 23日

NTLive「メディア」

NTLive「メディア」_c0155474_11373291.jpg先日池袋のシネ・リーブルでナショナルシアター・ライブ、ヘレン・マックロリー主演の『メディア』を観てきた。
日本でも蜷川の演出で平幹二朗や大竹しのぶなどが演じていて、平幹のはちょっと様式が勝りすぎの感じがあったんだけど、ヘレン・マックロリーのメディアは、いまと地続きの女性が生々しく、激しく迫ってくる舞台だった。

ヘレン・マックロリー今年4月16日に他界。映画では『ハリー・ポッター』シリーズでのナルシッサ・マルフォイ役、『007 スカイフォール』『ヒューゴの不思議な発明』に出演。舞台では『血の婚礼』でイギリス マンチェスター・イブニング・ニュース賞を受賞したのをはじめ、『お気に召すまま』のロザリンド役でイギリス オリヴィエ賞にノミネートされるなど、実力が評価されてきたひと。

2014年の作品だけれど、ヘレン・マックロリーを追悼しNTLiveでの公開が決まったもの。
とにかく、知的で緻密で、嵐のようなすさまじい演技というほかない。最後、わが手で殺して寝袋に入れた最愛の息子たちを両腕に抱いて舞台奥に消える場面、実際の舞台で見たら、しばらく立ち上げることができなかったろう。

2階が宮廷、1階が居間、奥が深い森という舞台美術、コロスの演出と、無表情で無機質でメディアの壊れた心を表現しているようなダンスも良かった。
ナマが無理なら、やっぱり大画面でなくちゃね。

今月末からはアンコール祭りが開催される。特別料金だけど、何本か観たい作品があるので、予定を調整しなくちゃ♪

『メディア』MEDEA
1時間39分
原作:エウリピデス
脚色: ベン・パワー(NTLive「リーマン・トリロジー」翻案)
演出:キャリー・クラックネル(NTLive「深く青い海」)
   ロス・マクギボン(共同監督)
音楽:アリソン・ゴールドフラップ、ウィル・グレゴリー
出演:
メディア/ヘレン・マックロリー
ジェイソン/ダニー・サパーニ
ナース/ミカエラ・コール
コリントス王・クレオン/マーティン・ターナー
アテナイ王・アイデウス/ドミニク・ローワン
クレウサ/Clemmie Sveaas

写真はカリガネソウ。花の形が雁に似ているから名づけられたそうで、帆掛草という別名もある。こちらは帆掛舟から。暑いなかでこのブルーがきれい。
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# by sustena | 2021-07-23 11:43 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2021年 07月 22日

朝の散歩

朝はだいたい5時50分ごろに起きて公園に行き、適当な場所で6時半からのラジオ体操をするのが日課になっている。
この時間帯は、クヌギ広場で5時50分ごろからデンマーク体操をする大集団がいて、彼らはその後ラジオ体操をするし、犬の散歩の人も多く、おそらく1日のうちでいちばん公園の人口が多いのだ。
このほか、カワセミウォッチャーをはじめバードウオッチャーのレギュラー組が数人いるし(珍しい鳥が現れたという情報が入ると、長玉を持った人がドッと増える)、そうそう、ボクシングの準備体操みたいなのをするグループも、いつの間にか人数が増えている。コロナで内にこもる生活を続けていて、体を動かさなきゃヤバイと感じる人が増えているのかもしれない。

同じ時間帯に行きかう人の中で、ひとりふたりと挨拶を交わす人が出てきた。
情報通の人が多いので、もう少し遅い時間に来ると、チョウトンボが見られる、なんてことを教えてくれる。
チョウトンボなんて、見たことがないなぁ。気になるけれど、今でも家に戻るころは暑くて汗ぐっしょりなので、日が高くなってからの散歩なんてまっぴら。

日曜日に2回目のワクチンを打った。
同じ年代の女性陣がみんな熱が出たというので、覚悟していたところ、その日の夜中の1時半ごろ、からだが暑かったので測ってみたら37度6分。もっと上がるようだったら、知人に解熱剤をもらおうと思いながら、保冷剤を手ぬぐいにくるんで寝て、1時間半ほどしてもう一度保冷剤を取り換えて、翌朝、ラジオ体操はやめて散歩するだけにしよう…と思って歩き始めたら、突然熱が下がった気がして、いつもと同じようにラジオ体操をして戻ってきた。

仕事がたまってたので、寝込むことになるとやだな、と思ってたけど、それ以降はほぼ平熱。ふだん通り仕事ができて、その次の日は、予定していた芝居も見に行けた。

本日から4連休だけど、デルタ株もあるし、8月のオンラインイベント用の仕込み仕事もいろいろあるので、連休は散歩と仕事と読書で終わっちゃいそうだな。
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下池の睡蓮のところでは、たまにアオサギが身を潜めて獲物を狙ってる。
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アカトンボが杭にとまってた
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けさ見つけたニイニイゼミ。背景の樹皮と一体化して、隠遁の術。
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羽化したては柔らかい色で、透明感のある羽。
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# by sustena | 2021-07-22 17:00 | 小さな自然 | Comments(2)
2021年 07月 17日

イトトンボの交尾

先月、交尾後にもタンデムになってるイトトンボを報告したけど、本日は交尾中のイトトンボを発見。
コシアキトンボやシオカラトンボと違って小さいので、よくもまぁ見つけたなぁと我ながら感心。
AFは全然ダメなので、マニュアルで合わせる。
イトトンボの交尾_c0155474_09560305.jpg
ちょっと崩れた♡型。
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そのまま飛び去って、今度は穴だらけの葉にとまる。片っぽが見えないけど、まだつながっている。
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近くでは蜘蛛が交尾してた(たぶん)。どっちがどっちの肢だかワカラナイ。
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# by sustena | 2021-07-17 15:00 | 小さな自然 | Comments(2)
2021年 07月 14日

東京城

昨日外出したついでに、青山1丁目で下車して、神宮外苑のイチョウ並木のところへ。
会田誠の東京城を観に行くためだ。
東京オリンピックでアート面も盛り上げようと、巨大な助成金がついた「Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13」のひとつ、「パビリオン・トウキョウ2021」=新国立競技場を中心とする複数の場所に、建物やオブジェを設置し、自由で新しい都市のランドスケープを提案する企画で、建築家のパビリオンにまじって会田誠の作品が、遠く正徳記念絵画館をバックに建っている。
(2ついっぺんに収まらなかったので、仕方がないので、iPadでパノラマ撮影した)
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ブルーシートとダンボールの2つの城が設置されている石塁は、「かつて江戸城を支えていた石垣を用いて神宮外苑造営の際に建設されたもので、関東大震災後のバラック建設の指揮官であり、小学校の鉄筋コンクリート化を推進した建築構造家・佐野利器が計画・建設したもの」なんだそうだ。

会田誠の作品は苦手なものもあるけど、この作品の批評性ときたら! めちゃパワフルだった。
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右手奥に見えるのは伊藤忠のビル。

このあとイチョウ並木を通って信濃町駅へ。フェンスでぐるり囲まれていて、通行禁止の区域がひろがってた。
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# by sustena | 2021-07-14 10:05 | Art/Museum | Comments(4)