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2016年 12月 09日

先斗町で歌舞伎

今回の京都ツアーの第一の目的は、先斗町歌舞練場「吉例顔見世興行」の仁左衛門を観ること。
例年、顔見世の舞台となる京都南座は工事のため休館中だが、まねきだけは掲げられていた。
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先斗町歌舞練場は南座から歩いて5分ほどの鴨川ぞい。
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こちらは、シンプルな正面。
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大正14年(1925年)に着工し、昭和2年(1927年)に完成した劇場で、毎年5月の鴨川をどりはここで行われる。 鉄筋コンクリート造り、地上四階、地下一階。屋根には中国の蘭陵王の舞楽面を型取った鬼瓦がある。いかにも昭和って雰囲気の劇場で、舞台と客席がすごく近かった。
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さて、京都に着いた日は、1階花道近くの前の方の席で第三部を、翌日は二階で第二部を見た。
演目はこの通り。
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二部が 「菅原伝授手習鑑より車引」と「廓文章より吉田屋」。ちなみに、この吉田屋の劇中で、雀右衛門の襲名口上がある。雀右衛門の口上は、今年これで3回目。雀右衛門の追っかけをやったみたいだー。
そして、「三升曲輪傘売」。傘売り三すじの綱吉実は石川五右衛門を海老蔵が演じるのだが、次から次へと傘をひょいひょく出して、ほとんど手品みたいなのだった。

三部が、「双蝶々曲輪日記から引窓」と、「京鹿子娘道成寺─鐘供養より押戻しまで」。

どちらも、仁左衛門がもう最高で、こんな甘ったれのボンボンで色気があって、スネスネしてサマになる伊左衛門は、このひとをおいていないという気がする。雀右衛門の夕霧は美しかったー。
引窓の南方十次兵衛も絶品。泣けちゃうなー。

この日の夜は、京都在住の知人に、先斗町のおばんざいやに連れて行ってもらった。司馬遼太郎も愛したところで、雰囲気がすばらしかった。もちろん、味も。タニシを初めて食べた。

by sustena | 2016-12-09 23:14 | Theatre/Cinema | Comments(5)
2016年 03月 17日

五代目中村雀右衛門襲名披露 三月大歌舞伎

c0155474_21172923.jpg3月の歌舞伎座は、五代目中村雀右衛門襲名披露興行で、3階のA席で昼の部・夜の部をともに見た。

3階A席は6000円で、1等席は1万9000円もするのに対してコストパフォーマンスはいい。もっとも、私の視力では役者の表情は見えないので、双眼鏡が欠かせないが、ずっと双眼鏡越しも疲れるし、そもそも舞台全体が見られない。したがって、どんな筋の話か知っておきたい、というときには、最近3階席にしてるケースも多いのだけれど、1列目、2列目あたりのいい位置をゲットするのは、なかなかむずかしい。毎回見に行くような熱心なファンが、やはりこの席を買うことが多いようなのだ。

それはさておき、五代目雀右衛門である。私が歌舞伎に葦を運ぶようになって、最初のころにみたのが、この人の引窓だったと思う。古風な雰囲気の耐え忍ぶ女、という役がぴったりなのである。

今月の雀右衛門は、昼の部は鎌倉三代記の時姫、夜の部は金閣寺の雪姫で、なんといっても雪姫がよかった。私が見た昼の部の時姫は、あいにく三浦之助義村が菊五郎の代役となった菊之助で(凛としたきれいな若武者ではあったものの)練習のときと勝手が違ったのかもしれないけれど。

襲名興行を見るのは初めてで、幹部俳優がズラリ並んで壮観。
左から、中村吉右衛門、片岡我當、中村東蔵、中村鴈治郎、中村橋之助、中村時蔵、尾上松緑、大谷友右衛門、松本幸四郎、芝雀改め五代目中村雀右衛門、坂田藤十郎、片岡仁左衛門、片岡秀太郎、中村歌六、中村扇雀、中村又五郎、中村魁春、中村梅玉、尾上菊五郎(午後の部を見たときは、菊五郎が復帰してた)

3階席からだから、とくに床にへばりつくように見えるのが可笑しい。東蔵はもっと自分を演技で出してもいいんじゃないか、仁左衛門は、サングラスをかけ、ハーレーダビッドソンにまたがった四代目のカッコよさを求めるのは無理だが、芸で負けない女形になってほしいという意味の挨拶をしてたっけ。先日、テレビで四代目の晩年の舞台を見たが、いやはや、ジムに通い、きれいで実にカッコよくて驚いたことだった。

久しぶりに仁左衛門の舞台を見てハッピーな気分に。夜の部の関三奴も、楽しい踊り。
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一、寿曽我対面

工藤祐経・・・・・・・・・・・・・橋之助
曽我五郎・・・・・・・・・・・・・松緑
曽我十郎・・・・・・・・・・・・・勘九郎
化粧坂少将・・・・・・・・・・・梅枝
近江小藤太・・・・・・・・・・・廣太郎
八幡三郎・・・・・・・・・・・・・廣松
喜瀬川亀鶴・・・・・・・・・・・児太郎
梶原平次景高・・・・・・・・・橘太郎
梶原平三景時・・・・・・・・・錦吾
大磯の虎・・・・・・・・・・・・・扇雀
小林朝比奈・・・・・・・・・・・鴈治郎
鬼王新左衛門・・・・・・・・・友右衛門

二、女戻駕/俄獅子

〈女戻駕〉
吾妻屋おとき・・・・・・・・・・時蔵
浪花屋おきく・・・・・・・・・・菊之助
奴萬平・・・・・・・・・・・・・・・錦之助
〈俄獅子〉
鳶頭梅吉・・・・・・・・・・・・・梅玉
芸者お孝・・・・・・・・・・・・・孝太郎
芸者お春・・・・・・・・・・・・・・魁春
    
  
三、鎌倉三代記
絹川村閑居の場

時姫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・芝雀改め雀右衛門
佐々木高綱・・・・・・・・・・・・・・吉右衛門
おくる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・東蔵
富田六郎・・・・・・・・・・・・・・・・又五郎
母長門・・・・・・・・・・・・・・・・・・秀太郎
三浦之助義村・・・・・・・・・・・・菊五郎(私が見た日は菊之助)
   
四、 団子売

杵造・・・・・・・・・・仁左衛門
お福・・・・・・・・・・孝太郎
    
    
夜の部

一、双蝶々曲輪日記

角力場
濡髪長五郎・・・・・・・・・・・・・・・橋之助
藤屋吾妻・・・・・・・・・・・・・・・・・高麗蔵
平岡郷左衛門・・・・・・・・・・・・・松江
三原有右衛門・・・・・・・・・・・・・亀寿
茶亭金平・・・・・・・・・・・・・・・・・橘三郎
山崎屋与五郎/放駒長吉・・・菊之助

二、五代目中村雀右衛門襲名披露 口上(こうじょう)

三、祇園祭礼信仰記
金閣寺

雪姫・・・・・・・・・・・・・・・・・・芝雀改め雀右衛門
松永大膳・・・・・・・・・・・・・・幸四郎
狩野之介直信・・・・・・・・・・梅玉
松永鬼藤太・・・・・・・・・・・・錦之助
春川左近・・・・・・・・・・・・・・歌昇
戸田隼人・・・・・・・・・・・・・・萬太郎
内海三郎・・・・・・・・・・・・・・種之助
山下主水・・・・・・・・・・・・・・米吉
十河軍平実は佐藤正清・・歌六
此下東吉・・・・・・・・・・・・・・仁左衛門
慶寿院尼・・・・・・・・・・・・・・藤十郎
    
四、関三奴

奴駒平・・・・・・・・・・・・・・・・鴈治郎
奴勘平・・・・・・・・・・・・・・・・勘九郎
奴松平・・・・・・・・・・・・・・・・松緑
    
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by sustena | 2016-03-17 21:18 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2015年 06月 16日

六月大歌舞伎─新薄雪物語の仁左衛門にうっとり

c0155474_15295153.jpg6月は仁左衛門が出る「新薄雪物語」。通し狂言で、昼の部と夜の部に分断される。どちらを見るべきか悩んで、「三人笑い」のある夜の部の席を取ったのだが、やはり前半のストーリーもあらすじで読むだけでなく知りたい。3階B席があいていたので、一幕見で見るより見やすいためゲット。でもやはり私のようなシロートは、いい席で見る方が感動が大きいなぁ。

昼の部の「花見」の大立廻りも気持ちいいんだけど、やはりなんといっても、夜の部の〈広間・合腹〉が二組の父親と母親の心情がぐくっと迫ってきてよかった。仁左衛門を近くで見る幸福♪ 薄雪姫を館から落ち延びさせるときの葛藤、息子の左衛門が謀反を白状したので首を打った、薄雪姫の首も打つようにという伊賀守の使者の言伝てを聞いての苦悩、刀の血を見て伊賀守のねらいを悟り、おおそうだったのかと気づく表情、そして、伊賀守と妻の梅の方とともに、無理に笑いあう場面・・・。

幸四郎も、こういう情の人の演技はさすが。朗々とした声、痛むおなかを押さえてよろよろ登場するところなどとてもよかったけれど、大向こうの声が圧倒的に仁左衛門に対してだったのがちょっとかわいそう。

それと伊賀守の使者を務めた刎川兵蔵を演じた又五郎がよかった! 最近、この人は進境著しいような。

それと夜の部は、思いがけず夕顔棚がすばらしい。躍りで泣けてきたのは初めてで、菊五郎と左團次の人生を経てきた老夫婦ぶりに感動。そのあとで、巳之助と梅枝が踊りに誘いにくる。その軽やかさ、若々しさ。ことに 巳之助のキレのいい踊りに、三津五郎を思った。

一、天保遊俠録

小吉 橋之助
芸者八重次 芝 雀
芸者茶良吉 児太郎
松坂庄之助 国 生
唐津藤兵衛 松之助
井上角兵衛 團 蔵
大久保上野介 友右衛門
阿茶の局 魁 春

二、通し狂言 新薄雪物語

〈花見〉          
奴妻平 菊五郎
秋月大膳 仁左衛門
園部左衛門 錦之助
薄雪姫 梅 枝
花山艶之丞 由次郎
渋川藤馬 松之助
清水寺住職 錦 吾
来国行 家 橘
来国俊 橋之助
腰元籬 時 蔵
団九郎 吉右衛門

〈詮議〉          
幸崎伊賀守 幸四郎
園部兵衛 仁左衛門
松ヶ枝 芝 雀
園部左衛門 錦之助
薄雪姫 児太郎
茶道珍才 隼 人
役僧雲念 桂 三
秋月大学 彦三郎
葛城民部 菊五郎

夜の部

一、通し狂言 新薄雪物語

〈広間・合腹〉       
園部兵衛 仁左衛門
梅の方 魁 春
刎川兵蔵 又五郎
奴袖平 権十郎
腰元呉羽 高麗蔵
薄雪姫 米 吉
園部左衛門 錦之助
松ヶ枝 芝 雀
幸崎伊賀守 幸四郎

〈正宗内〉         
団九郎 吉右衛門
おれん 芝 雀
腰元呉羽 高麗蔵
五人組伊太郎 歌 昇
同 仁助 種之助
同 与吉 隼 人
薄雪姫 米 吉
渋川藤馬 桂 三
下男吉介実は来国俊 橋之助
五郎兵衛正宗 歌 六

二、夕顔棚(ゆうがおだな)

婆 菊五郎
里の女 梅 枝
里の男 巳之助
爺 左團次

近くの公園では、またまたカルガモのヒナを発見。三羽いた。今年3回目だが、知人によると、上池でも2羽いたという。今年はベビーラッシュ? とはいえ、大きくiなった姿は見ていない。
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by sustena | 2015-06-16 22:09 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2015年 04月 19日

小松成美『仁左衛門恋し』

c0155474_12314547.jpg小松成美さんの十五代目・片岡仁左衛門へのインタビュー集『仁左衛門恋し』(徳間文庫カレッジ 201412年12月刊)を読む。親本は2002年で、文庫化にあたって、右肩腱板断裂の手術から2014年6月に復帰した際の仁左衛門への最新インタビューを加えている。

仁左衛門はもっか一番好きな歌舞伎役者で、猿之助、吉右衛門、勘九郎、菊之助の出る歌舞伎ももちろんなんだけど、この人のだけは見逃したくないッて思っちゃう。

この文庫判では、表紙が2014年6月の歌舞伎座での復帰公演の「お祭り」、口絵の3枚が2013年歌舞伎座の杮落とし10月の「義経千本桜」、2011年11月の平成中村座での勘三郎との「伊賀越道中双六」、2014年9月の孫の千之助君との「連獅子」で、どれも見ていたからそのときの舞台が思い出されてならなかった。

この本は、十五代目・片岡仁左衛門が、5歳で初舞台を踏んでから片岡孝夫として長らく活躍した間のいろいろなエピソードや、襲名して以降の自身の変化、大病をしたときのこと、歌舞伎にかける思い、「油地獄」や「すし屋の段」をはじめとする役作りetc 、人生と芸をじっくり語っている。

勘三郎や團十郎との思い出話なども興味深かったのだが、驚いたのが、高校時代に「神州天馬侠」に出ていたという話。えっ、神州天馬侠hこども時代によく見ていて、いまでg テーマソングを歌えるのだが、あれに出ていたなんて知らなかったな・・・。

関西歌舞伎が衰退してきて歌舞伎役者としての仕事がなくなりかけたころ、いまのように東京の歌舞伎座に出るというわけにも簡単にはいかなかった時代に、どうやって食べて行こうか、スナックパブのような店をやろうと商売のプランを考えていたなんて話や、映画の役作りの話もおもしろかった。「配達されない三通の手紙」や「わるいやつら」など、ビデオを借りて見てみようかしらん。

千之助くんとの連獅子、私は孫の千之助クンが凛々しくて、そのフレッシュでエネルギッシュな毛の振りに感嘆していたのだが、仁左衛門にいわせると「テンションがあがっていくと、毛の振り方にまだ品がない。スポーツじゃないから、速ければ良いというものでもない」、格調ある振り方が必要と手厳しいのだった。

仁左衛門もすでに70歳を過ぎ、「演じる時間は無尽蔵ではないですからね、いろいろ考えます。またそれが楽しいんですね」と語る。歌舞伎を見始める前はいろいろ決まりがあるし、浄瑠璃や清元がわからないしと自分には縁遠いものと思っていたのだが、この人のセリフは本当にすっと頭に入ってくるし、ややこしい筋でも登場人物の心理がよくわかって、得武器の世界に入り込んでしまう。こちとらもこの先どれくらい見続けることができるかわからないけど、仁左衛門の一役一役を楽しみながら、うっとりしていきたいなぁとシミジミ思うのだった。

目次
はじめに
第1章 十五代目仁左衛門の芸
第2章 人気者片岡孝夫
第3章 他流試合
第4章 今、そして未来へ
特別対談 父と子
文庫版特別収録 渾身の日々
仁左衛門演目解説
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by sustena | 2015-04-19 12:31 | 読んだ本のこと | Comments(0)
2014年 10月 23日

十月大歌舞伎 夜の部

c0155474_2383356.jpg実は2週間ぐらい前に、夜の部は1回の2列目の花道よりのいい席で見たのだ。だいぶ忘れちゃったけど、印象をメモしておく。

演目は、「菅原伝授手習鑑の寺子屋」「道行初音旅」、三島由紀夫の「鰯賣戀曳網」。10月は十七世の中村勘三郎の二十七回忌、十八世の勘三郎の三回忌追善なのであった。

なので勘九郎&七之助を筆頭に中村屋ゆかりのメンメン、仁左衛門と玉三郎が出る。三津五郎がいないのが残念でならない。

どれもよかったのだが、まずは寺子屋。松王丸が仁左衛門、源蔵が勘九郎である。源蔵なんて若すぎやしないかと思ったのだが、手習いの子の誰かを殺さねばという鬼気迫る感じ、緊張感がとてもよかった。また情感豊かな仁左衛門の松王丸。中央席でなく花道寄りだったけど、表情の変化をじっくり見ることができて満足~。(国生の与太郎は学芸会で、この人は何度見てもいっこうにうまくならない。いつか化けることがあるんだろうか)

道行初音旅は、なんとまあ82の藤十郎が静御前で、それが遠目だとすこぶる美しいのだ!姿勢やたたずまい、品がすばらしいのだね(さすがに花道でドアップで見たときは・・・・)
佐藤忠信実は源九郎狐は梅玉で、花道で狐になったり、忠信に戻ったりのしぐさが楽しかった。

最後の「鰯賣戀曳網」は歌舞伎座のさよなら公演で勘三郎と玉三郎の組み合わせでみている。最初は忘れかけてたのだが、勘九郎がひとことしゃべったら、勘三郎そっくりでまざまざと思い出して、じーんときた。

はつらつとしていて、ドタバタにならずに真剣な滑稽さが出ていて、獅童との組み合わせがヒット。最後、七之助と勘九郎が花道で二人で客席に向かってお辞儀をするシーンも感慨深かったなー

そうそ、 鶴松の傾城が美しかったな。巳之助の傾城もちょっと気に入った。
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一、菅原伝授手習鑑/寺子屋
  
松王丸 仁左衛門
武部源蔵 勘九郎
戸浪 七之助
涎くり与太郎 国 生
百姓吾作 松之助
春藤玄蕃 亀 蔵
園生の前 扇 雀
千代 玉三郎

二、道行初音旅 「吉野山
  
佐藤忠信実は源九郎狐 梅 玉
早見藤太 橋之助
静御前 藤十郎

三、鰯賣戀曳網
  
鰯賣猿源氏 勘九郎
傾城蛍火実は丹鶴城の姫 七之助
博労六郎左衛門 獅 童
傾城薄雲 巳之助
同 春雨 新 悟
同 錦木 児太郎
同滝の井 虎之介
同 乱菊 鶴 松
庭男実は薮熊次郎太 市 蔵
亭主 家 橘
海老名なあみだぶつ 彌十郎

by sustena | 2014-10-23 23:51 | Theatre/Cinema | Comments(4)
2014年 09月 28日

秀山祭九月大歌舞伎・法界坊

先日、幕見で歌舞伎座秀山祭九月大歌舞伎 昼の部の法界坊を見てきた。

法界坊は以前、勘三郎で(そのときはまだ勘九郎だったかな? ) 見ているはずなのだが、勘九郎のキャラ前回といった雰囲気に笑いこけていて、はて、ほかに誰が出ていたかとなるととんと記憶にない。道具屋なんて出ていたかなぁ・・・・というくらいの、物覚えの悪さである。

今回は、吉右衛門の法界坊で、同じ破戒僧でも、楷書の法界坊。むろん、「しめこのうさうさ」と言いながら籠に縄をかけるシーンなど、縄跳びをしてみせたりして楽しいけど、決して崩しすぎることはない。天性の爛漫さではなく、計算がちらっと見える感じが、やはり役者によってずいぶん違うものである。(道具屋をわなにかけようと掘った穴に自分がはまっちゃうシーンは、さすがに年齢もあってかちょっとおとなしい演出だった)

仁左衛門の道具屋とのかけあいはやはり舞台がうーんと大きくなって、、4階にも気合がみなぎってくる感じ。吉右衛門と仁左衛門があいまみえる舞台をもっともっと見たいなぁ。

法界坊と野分姫の合体した霊の舞踊の「双面水照月」は、ちょっぴり退屈。吉右衛門の女の人って、ちょっと前の「花子」以来だけど、私が慣れてないせいだろうけど、ちょっと違和感があって、吉右衛門はやっぱり踊りより、夕方の絵本太功記の光秀のようなのが似合ってるって思っちゃった。
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二、隅田川続俤
法界坊
  
聖天町法界坊吉右衛門
おくみ 芝 雀
手代要助 錦之助
野分姫児太郎(14日~25日)
五百平 隼 人
丁稚長太 玉太郎
大阪屋源右衛門橘三郎
代官牛島大蔵由次郎
おらく 秀太郎
道具屋甚三 仁左衛門


浄瑠璃 双面水照月(ふたおもてみずにてるつき)
  
法界坊の霊/野分姫の霊 吉右衛門
渡し守おしづ 又五郎
手代要助実は松若丸 錦之助
おくみ 芝 雀

by sustena | 2014-09-28 00:07 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2014年 09月 10日

秀山祭九月大歌舞伎・夜の部

c0155474_121978.jpg先日、歌舞伎座で、仁左衛門の連獅子の出る歌舞伎を見てきた。

連獅子はいろいろな人のを何度か見たけど、勘三郎親子のものとはまた違い、うんと年齢の離れた仁左衛門と孫の千之助の組み合わせにけっこうジンときちゃった。

千之助がいい。きびきびしていて、膝のやわらかさ、バネがあり、軽やかではつらつとしていて目がくぎ付けに。むろん、仁左衛門も。崖の下に落とした子を目で追い、いないと思ったときの寂しげな感じから一転、見つけたときの目の光りがすばらしい。機敏さは無理だし、髪の振りも、ちょっとアレ?と思わないではなかったけど、若い千之助とはまた別の老いた貫祿のある獅子だった。実際の石橋は舞台にはないけれども目に浮かんでくるようだった。浄土僧専念と法華僧日門の滑稽味もよかった。

尼ヶ崎閑居の場では吉右衛門は圧巻だったけど、米吉がまだまだで、教わった通りを必至にこなしている感じ(仕方ないか)。染五郎の十次郎は、戦いに挑む初々しさ、はたなげな感じがマル。御所五郎蔵では染五郎は、違うキャラをがんばってたけど、あんな声を出していて、ノドは大丈夫なのかしら。

御所五郎蔵では、高麗蔵の傾城逢州だと、間違って殺されてもあまりかわいそうに思えないのはナゼ・・・。
傾城皐月の芝雀、甲屋女房お松の秀太郎がいい味でした。

一、絵本太功記 尼ヶ崎閑居の場
  
武智光秀 吉右衛門
武智十次郎 染五郎
佐藤正清 又五郎
初菊 米吉
真柴郎党 歌昇
同 種之助
同 隼人
真柴久吉 歌六
皐月 東蔵
操 魁春


二、連獅子
  
狂言師右近後に親獅子の精 仁左衛門
狂言師左近後に仔獅子の精 千之助
浄土僧専念 錦之助
法華僧日門 又五郎


三、曽我綉俠御所染 御所五郎蔵
  
御所五郎蔵 染五郎
星影土右衛門 松緑
子分 梶原平平 松江
同  新貝荒蔵 亀寿
同  秩父重介 亀鶴
同 二宮太郎次 廣太郎
同 畠山次郎三 児太郎
番頭新造千代菊 歌江
花形屋吾助 錦吾
傾城逢州 高麗蔵
傾城皐月 芝雀
甲屋女房お松 秀太郎
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by sustena | 2014-09-10 16:31 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2013年 05月 27日

杮葺落五月大歌舞伎

先週、歌舞伎座新開場の杮葺落五月大歌舞伎公演の第2部を見てきた。
演目は、藤十郎が乳母政岡を演じる「伽羅先代萩」と仁左衛門と玉三郎による「廓文章」。

伽羅先代萩は御家騒動のお話で、幼君の鶴千代を毒殺しようという企みを知った政岡が懸命に幼君を守っているのだけれど、見舞いにやってきた悪者の栄御前が土産にと持ってきた毒菓子を勧められ、窮しているところを、息子の千松が機転をきかせて菓子を食べ残りを蹴散らしてしまう。でも、そのために栄御前のシンパで、お家横領を企む仁木弾正の妹八汐になぶり殺しにされてしまう。それを毅然として見てるしかない政岡の心情を藤十郎がどう演じるかなーというのが見どころなのであります。

柱にもたれながら、ヒタとわが子の苦しむさまを見ている政岡、その様子を見ていた栄御前が、鶴千代とわが子をすり替えたから平気なのに違いない、つまり政岡も味方だと勝手に勘違いしてくれたおかけで、お家転覆の連判状をゲットできる。彼らが帰ったあとに、「出かしゃった、出かしゃった・・・・・・」と政岡が何度も繰り返す場面、グッとくるのであります。

いつもは高貴な役柄の梅玉が、悪女の八汐で、これまた化粧でずいぶん雰囲気が違い、たたずまいからして性悪女なのだった。時蔵と扇雀がちょい役なのも豪華~。脇役がいいと舞台の質がぐんと上がる。
(でも時間の関係で、まま炊きの場面がカットされたのは残念)

一方の「廓文章」のほうは、仁左衛門の伊左衛門、玉三郎の夕霧というコンビは、たしか2009年?に見てるんだけど、そのときよりも今回は、さらに仁左衛門の軽薄なぼんぼんぶりがよーく伝わってきて(すみずみまで神経の行き届いた演技がすばらしい~)楽しかったなぁ。何枚も襖をあけて夕霧のいる座敷をのぞこうとチョコチョコ歩くシーンのかわいらしさったら。
一方、夕霧の登場シーンは、舞台がぱあーーーっと華やいで、ほんとに美しいッ。秀太郎の女房おきさも、この人しかないって感じだよね。
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一、伽羅先代萩/御殿・床下
  
〈御殿〉         
乳人政岡藤十郎
沖の井時 蔵
松島 扇 雀
栄御前秀太郎
八汐 梅 玉
  
〈床下〉         
仁木弾正 幸四郎
荒獅子男之助吉右衛門


二、廓文章/吉田屋
  
藤屋伊左衛門仁左衛門
吉田屋女房おきさ秀太郎
阿波の大尽 秀 調
太鼓持豊作 千之助
番頭清七 桂 三
吉田屋喜左衛門彌十郎
扇屋夕霧 玉三郎

by sustena | 2013-05-27 22:31 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2013年 04月 09日

歌舞伎座「杮葺落四月大歌舞伎」第三部に行ってきたよ

昨晩、新開場なった歌舞伎座で第三部を見てきた。ホントは第一部にしたかったのだけれど、いい席がまったくなかったので断念したのだ。何しろ、S席で2万円もする。いくらご祝儀料金とはいえ、後ろの席でこの値段はありえない。

仁左衛門の盛綱は2010年秋に見てはいるんだけど、吉右衛門が和田兵衛を演じることでもあるし、第三部とした。場所は3列目17番、中央席の花道に近い左手で、ここだと、首実検のときの表情がすごぉぉぉくよくわかる。

歌舞伎座は入ったときの印象は、これまでとほとんど変わらない。もちろん、絨毯が新品になり、舞台はヒノキの香りがし、座席はいくぶんゆったりして、トイレの数が増えて・・・と、新しくなっただけのことはあるのだけれども、エレベーターやエスカレーターを設置したぶん、これまでのお土産屋のスペースが減って、私の好きな焼きたてのキンツバや、その場ではさんでくれる最中アイスがなくてちょっぴり残念。(ひょっとしてめちゃ混みだった土産物売場のどこかにはあったのかもしれないけれど)

ところで、肝心のお芝居であります。さすがに豪華キャスト~。盛綱と和田兵衛の2人の見得はほんと錦絵♪

「寺子屋」や「熊谷陣屋」の首実検は我が子と知ってのものだけれど、この盛綱陣屋では、弟のニセ首が出てくる。もちろん盛綱は実の兄貴だからチラ見ですぐニセとわかるのだけれど、それを見て、父上~と走り出た小四郎が自害しちゃう。心優しい知将の盛綱は、子の心を思い、ホンモノと言うのである。このときの表情の変化は、前回もホレボレしたけれども、今回もまた圧巻であった。そしてまた染五郎の息子の金太郎クンが、実にきれいな顔をしているのである。首を振るしぐさひとつとっても可愛すぎ~。で、よく知っている話なのに、またしてもホロリ。

橋之助の信楽太郎と翫雀の伊吹藤太が楽しくどんぴしゃ。ご注進ご注進のおいしい役ですね。それと、我當の北條時政。足がちょっと悪いので、階段を降りるときなどは介添えが必要ではあるんだけど、時政の堂々とした大きさが出ていて感服。  

もう。ひとつの「勧進帳」はホントは弁慶役は團十郎のはずだったけど(悲しい)、急逝によって、弁慶上演1100回近くを数えようという幸四郎。私はそんなに勧進帳は好きじゃないんだけど、團十郎を偲ぶ映像(さよなら公演だったか、幸四郎とのダブルキャストでの新橋演舞場の勧進帳だったか?)をテレビでやっていたのを見たときに、セリフをきちんと理解しておくとやはりおもしろさが違うことがシミジミわかったので、事前にホンを読んでおいたのであります。

幸四郎のいいところはその朗々としたセリフ回しで、ウットリとしちゃいながらも、盛綱陣屋で全神経を集中していた疲れが出て、山伏問答のところはちょっぴり気が遠くなったよー(T_T)

四天王と富樫が目をぐりぐりして相まみえるシーン、この豪華な配役の最大の見せ場ですねー。梅玉の義経は本当に品がある。でも、菊五郎の富樫はいまいちぴんとこなかったな。

ところで幸四郎ももう70を越えていて、酒を飲んでひとしきり舞ったシーンのあと、花道のとび六法にかかるとこ、かなりハァハァしていた。ここで大太鼓の音にあわせて客席から手拍子が起きて──朝日の劇評では祝祭気分でいたけど、多くの玄人筋からは行儀が悪い、台無しだと実に評判が悪い──これ、幸四郎ガンバレと励ましたくなっちゃったんじゃないかなぁ。
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一、近江源氏先陣館 盛綱陣屋

            佐々木盛綱  仁左衛門
               篝火  時 蔵
               早瀬  芝 雀
             伊吹藤太  翫 雀
             信楽太郎  橋之助
             竹下孫八  進之介
              四天王  男女蔵
                同  亀三郎
                同  亀 寿
                同  宗之助
          高綱一子小四郎  金太郎
          盛綱一子小三郎  藤間大河
           古郡新左衛門  錦 吾
               微妙  東 蔵
             北條時政  我 當
           和田兵衛秀盛  吉右衛門

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳

            武蔵坊弁慶  幸四郎
              源義経  梅 玉
             亀井六郎  染五郎
             片岡八郎  松 緑
             駿河次郎  勘九郎
            太刀持音若  玉太郎
            常陸坊海尊  左團次
            富樫左衛門  菊五郎

芝居のはねたあと、夜空に浮かび上がってた歌舞伎座。
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by sustena | 2013-04-09 21:25 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2010年 11月 02日

錦秋十月大歌舞伎・盛綱陣屋の仁左衛門の表情が最高!

もうすっかり時間が経ってしまったけれど、いまだに2週間ぐらい前に見た新橋演舞場の夜の部が忘れられない。
演し物は3つ。近江源氏先陣館から「盛綱陣屋」と、七世から九世までの坂東三津五郎の何回忌だったかと追善狂言の「どんつく」、そして福助がお園と半七を演じ分けた「酒屋」である。

久々に三津五郎の踊りがみたいなぁと出かけたものだったが、なんといっても、「盛綱陣屋」が圧巻だった。

あらすじを書くまでもないけれども記しておくと───。

源頼家と北條時政との間で争いが起き、佐々木盛綱と高綱兄弟は、盛綱が時政方、高綱が義家方と敵味方に分かれて戦う。高綱の子の小四郎は初陣で堂々と戦うが、捕らえられ盛綱の館に。最愛の子が捕虜となっては、さすがの高綱も子のかわいさゆえに主君を裏切ってしまうかもしれない。それでは名折れになると、盛綱は母の微妙に、小四郎に切腹を命じるように頼む。しかし小四郎は、もう一度立派に戦いたい、死ぬのはイヤだと抵抗する。そこへ高綱が討死したとの知らせが届き、時政が首実検のために、盛綱の屋敷にやってくる。首実検の場になると、あれほど逃げ回っていた小四郎が、父上と叫んで切腹する。しかしその首は贋であった。時政に自分が死んだと思わせるために、高綱が息子を遣わしたのだったか・・・真相を知った盛綱は、首がホンモノだと報告する・・・。

盛綱は仁左衛門。今回は3列目の中央、やや花道よりという絶好の位置で、首実検のときの仁左衛門の目の動きと表情が、衰えてしまった目でもシッカとわかった。

威厳と風格があって、情愛にあふれ、見ごたえがあったなぁ。

だいたい歌舞伎のセリフは聞き取りにくいことも多いのだが、小四郎役の子が(どこかの御曹司ではなくて、テアトルアカデミー所属の9歳の秋山悠介クンというタレントだそうだ)実に愛らしく、カン高い声で、ちちうえ~と呼ぶのがすーっと耳に届き、まぁ泣かせること。
孝太郎が盛綱の妻の早瀬で、親子なんだけど夫婦の息はバッチリ。
あとはもうおまけのようだったが、どんつくは三津五郎が本当に重みを感じさせない踊り。おもいのほかよかったのが團十郎で、この人の陽性の華のあるところは、いるだけで舞台が明るく華やぐなぁ。  
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近江源氏先陣館から盛綱陣屋
           佐々木盛綱  仁左衛門
           高綱妻篝火  魁 春
            信楽太郎  三津五郎
            伊吹藤太  錦之助
           盛綱妻早瀬  孝太郎
             四天王  男女蔵
             四天王  宗之助
             四天王  薪 車
             四天王  亀 鶴
            竹下孫八  進之介
          古郡新左衛門  友右衛門
           盛綱母微妙  秀太郎
            北條時政  我 當
          和田兵衛秀盛  團十郎

二、神楽諷雲井曲毬/どんつく
           親方鶴太夫  團十郎
          荷持どんつく  三津五郎
             門礼者  梅 玉
             白酒売  魁 春
              芸者  福 助
             太鼓打  巳之助
              子守  小 吉
             太鼓持  錦之助
             太鼓持  秀 調
             田舎侍  左團次
              大工  仁左衛門

三、艶容女舞衣から酒屋
           お園/半七  福 助
              三勝  孝太郎
           半兵衛女房  吉 弥
             半兵衛  竹三郎
              宗岸  我 當
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by sustena | 2010-11-02 23:56 | Theatre/Cinema | Comments(2)