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2017年 07月 20日

荒木経惟「写狂老人A」

c0155474_17051012.jpgオペラシティアートギャラリーでアラーキーの「写狂老人A」なる展覧会をやっている。今年77歳のアラーキーが、葛飾北斎が70代半ばで「画狂老人卍」と号したことになぞらえてつけたタイトルだ。

展覧会は都ぢの9つのセクションからなる。

1. 大光画
2. 空百景
3. 花百景
4. 写狂老人A日記 2017.7.7
5. 八百屋のおじさん
6. ポラノグラフィー
7. 非日記
8. 遊園の女
9. 切実
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5の1964年制作のスクラップブック「八百屋のおじさん」がすばらしい。電通勤務時代に銀座で行商する青果商を昼休みに通っては撮影したもの。買い出しにきた飲み屋(たぶん)の親父や主婦の笑顔がいい。「さっちん」にも通じるアラーキーの原点なのだった、
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「写狂老人A日記」のコーナーでは、日付表示がすべて今年の7月7日になっている。そこに、空の写真や町の風景、屋上のフィギュアやヌード写真、花や人形、食べ物の写真、広告の写真や新聞記事が入り込む。7月7日は陽子さんとの結婚記念日だし、ひょっとして77歳ってこととも関係があるのかな。

「非日記」は2014年のカルティエ現代美術財団でのプロジェクト以後続けているデジタルカメラによるシリーズからセレクトした写真を3台のプロジェクターでスライドショーが映し出される。ここでも空や花、食べ物・・・。とくに納豆やイクラ、タラコなどの食べ物のなままなしさときたらない。
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「遊園の女」は、めちゃ色っぽかった。「切実」はプリントした写真をハサミで切断し、自在に組み合わせたもの。なんだか不思議な感覚。
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通路の写真集コーナーでは、1970年の「ゼロックス写真帖」から現在までの写真集の年表。「センチメンタルな旅 1971-2017」でなんとまぁ521冊!
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by sustena | 2017-07-20 17:10 | Art/Museum | Comments(0)
2017年 06月 27日

アラーキーの二つの写真展

昨日、アラーキーの二つの写真展を観た。

ひとつは、銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催中の「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館 Teombeau Tokyo」。もうひとつは、新宿のエプサイトで「花遊園」。
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昨年、フランスの国立ギメ東洋美術館で、アラーキーの大規模な個展「ARAKI」が開催され、シャネルもスポンサードしたとのことだが、銀座の「東京墓情」は、このギメでの写真展の最後のパートを飾ったTeombeau Tokyoと、ギメ東洋美術館所蔵の幕末~明治期の写真から、アラーキー自身がセレクトした花や、武士、入れ墨、街の風景などの作品に、撮り下ろしを加えて構成したもの。

Teombeau Tokyoの写真は、アラーキーのベランダで撮った人形や怪獣のフィギュア、空、花、ヌード写真や、村上春樹のポートレート、墓場、チロちゃんや陽子さん・・・古写真と、アラーキーの写真が二重写しになる、うん、写真家の半生と日本の文化的な古層とがシンクロする不思議な感覚。死の香りが色濃くただよってくるんだけど、決して重々しくはなく、ちょっと引いた茶目っ気も漂うのだ。

エプサイトの写真は、銀座でも展示されていた花にフィギュアを配置して撮った写真を、和紙に印刷したもの。この世界観、簡単に撮れそうでアラーキー以外には撮れないよねえ。生と死が画面に横溢した、あでやかで静謐な写真。平成の浮世水墨写真かなー。、

そうそ、シャネルネクサスホールには、ギメでの写真展のカタログもある。時間があったら、ぜひその写真集を手に取るといい。
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右側のひとのバッグとスカート の色合いがとてもすてき。


by sustena | 2017-06-27 15:27 | Art/Museum | Comments(2)
2016年 06月 22日

アラーキーのコンタクトシート

六本木のAXISビルに久しぶりに出向いた。お目当ては、IMA CONCEPT STOREで開催中の、アラーキーの「センチメンタルな旅-コンプリート・コンタクトシート」展。
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アラーキーが、陽子さんとの新婚旅行を撮った写真集「センチメンタルな旅」は、彼の「私写真宣言」ともいうべき作品で、1971年に私家版として制作されたものだが、そのコンタクトシート18枚653カットが展示されているのだ。

4泊5日の新婚旅行の間、アラーキーがどんな写真を撮り、どのカットを選び、どう並べたか。
なにしろ新床にまでカメラを持ち込んでいたのだ。ちょっとイン櫃で物憂げな陽子さんの顔、昔の旅館のたたずまい、植え込み、朝見下ろしたまちの風景、列車を待ってかがんでいる様子・・・・
当時の凍ったままの時間や濃密な空気が、じわじわとにじみ出してくるようだったなー。
(復刻版のこの写真集、買いたかったな・・・)

あわせてアラーキーがこれまで出版した写真集も「荒木経惟写真集アーカイブ」として一覧されていた。ものすごい量!

同じビルの2階のタカ・イシイギャラリーでは、同じくアラーキーの「写経老人A 76齢」も開催中。現在のアラーキーのミューズであるKaoRiさんをモデルにした写真のほか、「写真のすべてがあの世なんだ。あの世が楽園だっていうこと。カメラを覗いたらね、もうどこでも楽園なんだよ、今」と語るアラーキーが、空や屋上、片目の人形や怪獣のプラモ、朽ちそうな花など、エロストタナトスのまじったモノクロ写真が壁半分にずらっと並んでいる。
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六本木駅からAXISビルまでの道。
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前もここを通ったとき、我とみたいと思って撮ったんだけど、5年以上経つのに、変わってないなんて・・・。
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by sustena | 2016-06-22 23:10 | Art/Museum | Comments(0)
2014年 11月 26日

荒木経惟『往生写集』

c0155474_22221216.jpg銀座でアラーキーの写真展をやっている。一つは、資生堂ギャラリーで開催中の「荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE」(Pは鏡文字になっている)。もう一つは、資生堂本社ビル2階の打ち合わせスペースで『花椿』に連載していた著名人のポートレイト+ペインティング。

見たのはもう1カ月も前のことなんだけど、クリスマスのころまでやっているので、まだの人はぜひどうぞ。
「往生写集-東ノ空・PARADISE」 は、アラーキーが東日本大震災以降、毎朝自宅の屋上から撮り続けている空。モノクロの空を見ながら、3年半を思った。それと、銀座を行き交う人を撮りおろした最新作。これまたモノクロで、かつてアラーキーが電通に勤めていたころ、銀座のOLなどを撮っていたことと重なって、やはり過ぎた時間を感じちゃったなー。

一方の「PARADISE」 はカラー作品。朽ちかけた花と手足をもがれたり、血を流している人形や爬虫類が鮮烈なカラーで写され、ちょっとえぐいんだけど、パワフルなのー。
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『花椿』ポートレイト+ペインティングは、『花椿』の穂村弘の対談「Talk」に出演したゲストを撮影した作品に、カラーのペインティングを施した写真展。写真展そのものよりも、ズラリ置いてあったバックナンバーで、銀座を舞台に、対談の二人をどう配置して撮ったのかがとても興味深かった。路上やビルの一角、電話ボックス。こんなにも自在に撮れるなんて、とタメイキものだった。

by sustena | 2014-11-26 22:32 | Art/Museum | Comments(2)
2014年 10月 14日

「アラーキーの書in 西荻窪」

このところ、11月に実施するアートイベントの事務作業その他が佳境で、本業とあいまっててんてこまい。
でもちょっと本日はジマンしたくて、久々にご近所ネタを。
それは西荻窪で開かれている「アラーキーの書」の展示。西荻窪は骨董品やがあちこちにあるんだけど、伊勢屋美術や駱駝、田螺堂など12店舗で、荒木経惟の書が並んでるのだ!

はじまりは,「ドンと行こうぜ ホンダラ大作戦」という、西荻でこの2月に開催された骨董・古本のイベントで、題字をアラーキーに依頼したこと。ついでに梁塵秘抄などの揮毫をお願いし、主催者が厚かましくも、もっと書いて・・とお願いし、ついには今回の書道展に発展したという。

写真もだけど、書も味があるんだよねぇ・・・・。
おなじみの「123死」とか「愛は怖い」とか、「禅裸」とか、造語・掛詞系はいっぱいあります。
11月9日まで開催されてますー。ぜひ西荻窪までおいでくださいませ。
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by sustena | 2014-10-14 22:47 | Art/Museum | Comments(2)
2014年 08月 24日

荒木経惟「往生写集」

c0155474_23131714.jpgアラーキーの「往生写集」(2014年4月刊 平凡社)は、心にしみる写真集だ。

今年の4月22日から6月29日まで豊田市美術館で開催された「荒木経惟 往生写集」展にあわせて出版された写真集で、アラーキーの第1回太陽賞受賞作「さっちん」、陽子さんとの新婚旅行「センチメンタルな旅」、なくなったあとに出した「冬の旅」、愛猫の死を撮った「チロ愛死」、電通時代に地下鉄の乗客を撮った「地下鉄」 や「銀座」などの作品から、昨年の「8月」「去年の戦後」「道路」、そして「東の空」と、50におよぶ新旧の作品300点が並ぶ。

アラーキーが繰り返し語っていた言葉を思い起こす。

写真を撮るというのは瞬間を止めることなの。
アタシの言葉でいうと息を止めるというか、仮死状態にすること。
それをプリントで見せる時に生き返らせるわけ。
だから生と死や彼岸と此岸とか、この道を行ったり来たりして、
よろよろしながら日記をつけるように撮っている感じなんだね。

ことに、壊れたレンズで撮った「8月」、花の中に少女の人形をおいて撮った「堕楽園」・・いやいや、挙げ出すと全部イイ、になっちゃうな。

けさ、久しぶりに近くの公園を散歩。アオサギが獰猛な顔をして、あちこちを眺めていた。
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空景(1990)、センチメンタルな旅(1971)、愛のバルコニー(1982-2011)、Aノ楽園(1998)、チロ愛死(2010)、冬の旅(1991)、センチメンタルな旅・春の旅(2010)、空景(1989-1990)、堕楽園(2011)、PARADISE(Pは左右反転が正式表記。2014)、さっちん(1964)、アラーキーのニッポン(仮、2005-2013)、新潟エレジー(1988)、裔像(1978)、センチメンタルな京都の夜(1972/2014)、東京夏物語(2005)、銀座(1965-1967)、 地下鉄'72(1972)、8月(2013)、去年の戦後(2013)、道路(2013)、東ノ空(2014)
メランコリックな旅 浜田優
荒木の地獄 マリオ・ペルニオーラ
Aと私たちみんなの秘密 藤野可織

by sustena | 2014-08-24 22:48 | 読んだ本のこと | Comments(6)
2014年 06月 07日

荒木経惟 「左眼ノ恋」

c0155474_15153276.jpg江東区清澄のタカ・イシイギャラリーで、アラーキーの「左眼ノ恋」と題した個展が開かれている。

アラーキーは、前立腺癌に続いて、去年の10月に右眼網膜中心動脈閉塞症によって、なんと右目の視力を失ってしまったのだという。とはいえ、相変わらず精力的に撮影を続けている。この個展では、昨年末から今年初めにかけて撮った写真の中から65点を選び展示してあった。どの写真も、ポジフィルムの右側を黒いマジックで塗りつぶしたものをプリントしてあった。

片目が見えないということは、写真家にとってどれほどの衝撃なのだろう。

シーラカンス(それとも鯉? )のオブジェを持った女性や、女性のヌード、いつもの屋上の怪獣たち、毒々しいまでの花、町なかの風景など、撮影対象はさまざま。前立腺癌を発表したあとに、同ギャラリーで開いた「空2」では癌や死という文字を空に書いていたことを思い出す。癌も、失明も写真の力としていくアラーキー。

タイトルは、20歳の頃に影響を受けたエド・ヴァン・デル・エルスケンの写真集『セーヌ左岸の恋』と左眼だけで見ているというかけことば。

タカ・イシイギャラリーの近く。この手書きの文字が気に入ってパチリ。
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たまにはモノクロで。
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by sustena | 2014-06-07 20:56 | Art/Museum | Comments(2)
2011年 07月 30日

『天才アラーキー 写真ノ愛・情』

c0155474_1881942.jpg『天才アラーキー 写真ノ愛・情』(2011年5月刊 集英社新書)を読む。
『天才アラーキー写真ノ方法』『天才アラーキー写真ノ時間』に続くシリーズ第3弾。和多田進さんが写真を選び、アートデザイナーの鈴木一誌さんと編集の女性も加わって、選んだ写真を中心に、アラーキーに写真についてあれこれ聞いた話をまとめたもの。

ほとんど、これまでいろいろな本で書かれた内容ばかりで、写真も、「遺作空2」やチロちゃんの死を撮った個展などで見たものも多いから新たな発見はほとんどなかった。それでもあらためてアラーキーの写真を見ながら、アラーキーのしゃべりにひたっていると、すぐそばで解説してもらってる気になる。私は第4章のバルコニーの写真と、第6章の街のスナップが大好き。それとつくづく思ったのは、やはり癌というインパクトはめちゃ、大きいんだなぁということ。

いくつか印象に残った文章を抜き書きしておく。

いまの写真はデザイン感覚っていうか、空間というか絵の方が気になっちゃっう写真のほうが多いような気がするけれど、アラーキーの場合は、時と空間とどっちを重要視するかというと、時のことがものすごく大切ってこと。「そん時が写ってる写真」を大切にすべし。

そして街では、通りすぎていく状況に対してのすばやい所作があるだけでいい。もたもたしてるうちに状況は通り過ぎちゃったりする。
「ひととひととのぶつかりあい、それぞれの人生が街でまざり合う・・・。そう、みんな個人だっていうときの一瞬の反応はさぁ、とっさでなきゃぁとらえられないの」。

そして、街の気配をとらえるということ。
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by sustena | 2011-07-30 22:43 | 読んだ本のこと | Comments(0)
2011年 06月 20日

荒木経惟+中上紀 『再びのソウル「記憶」』

c0155474_21415372.jpg図書館にアラーキーの写真集『再びのソウル「記憶」』(アートン 2004年10月刊)があったので借りてくる。

アラーキーの韓国行きは1982年にはじまり、1984年に中上健次と共著で『物語ソウル』を出版。その20年後、アラーキーは再び、健次が愛した、急速な近代化の中で消えゆく路地や、タル・トンネ(貧民街)」を健次の娘とともに歩く。もうひとつのセンチメンタル・ジャーニー。

インチョンの空港からソウル市内へ。アラーキーお得意のクルマド、近代化から取り残されたような路地、たまにしか通らない線路を歩くカップルやそこを犬とともに散歩するおばさん、坂道、食べかけのデザート、ミョンドンの繁華街を歩くひとたち、夕闇を走る子ども・・・。

次から次にうつりゆく写真に、ときどき、いかにもアラーキーらしいアングルや表情がすべりこむ。

巻末にやはり父と同様に作家になった紀の「流木のソウル」と題した短編が収められている。

・・・ソウルの夢は、果てしなく続く。流木のように漂う数え切れないほどの記憶の断片が、物語になっていく。父のいない物語。いや、父はいないのではなく、別のものに姿を変え、確かに存在していた。線路際に咲く花。通りに充満する肉を焼く匂いの粒子。彼女を作る細胞の一つ一つ。ただ、姿が見えず声が聞こえない。それだけこのことだった。・・・・

ソウルの空気が甦ってくるような写真集だった。
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by sustena | 2011-06-20 21:39 | 読んだ本のこと | Comments(6)
2010年 11月 20日

荒木経惟「愛ノ時間」

c0155474_0514381.jpgライカ銀座サロンで、アラーキーの「愛ノ時間」という写真展をやっている。からだの線がくずれた中年女性のヌードや、美人のアンニュイな表情までいろいろで、たった14点だけど、モノのプリントの美しさにぽぉぉーっとなってしまうのであります。
展示されている写真は全部ライカで撮ったものだそーです。
12月5日まで。

↓ダメダメ写真なのだけれども、影が気になって捨てられない。
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by sustena | 2010-11-20 22:42 | Art/Museum | Comments(6)