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2015年 01月 28日

「ゲート」 モニカ・ソスノフスカ展

c0155474_13254746.jpg銀座のメゾンエルメスで、1972年ポーランド生まれのアーティスト、モニカ・ソスノフスカの「ゲート」 を展示している。

共産主義の崩壊を経験したソスノフスカは、権力の象徴である建築や公共施設が破壊されていく様子を目の当たりにし、壁、階段、ファサード、窓、廊下など、建築を構成するディテールを断片的に取り出し、その造形をユニークな彫刻に変容させる作品を送り出しているという。

今回の「ゲート」では、個人宅のゲートをねじり、歪ませて、エルメスの8階の空間に設置する。
ことにゲート1の大きさは480×430×270と圧倒的でく、スチールの鋭利な質感とラッカーのテカりと相まって、現代史のインパクトを伝えてるみたい。

写真は夕闇の泰明小学校。
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by sustena | 2015-01-28 23:35 | Art/Museum | Comments(0)
2015年 01月 27日

長谷部浩『菊之助の礼儀』

c0155474_2254024.jpg東京藝術大学美術学部教授で東京新聞で歌舞伎評を担当している演劇評論家の長谷部浩さんの『菊之助の礼儀』(新潮社 2014年11月刊)を読む。

長谷部さんはもともとは現代演劇が専門で、『4秒の革命 東京の演劇1982-1992』『野田秀樹論』、蜷川幸雄の共著『演出術』などの著書がある。
それが1990年代になって、小さいころから見ていたという歌舞伎にも目を向けるようになり、坂東三津五郎に聞き書きをし、『歌舞伎の愉しみ』『踊りの愉しみ』、そして『菊五郎の色気』などを次々に上梓した。

寺島しのぶから菊之助を紹介されたことをきっかけに、菊之助と歌舞伎について議論したり、『NINAGAWA十二夜』などのプロジジェクトをともに進めるようになるなど親交を深め、菊之助を中心とした平成歌舞伎への思いと、菊之助の成長を、私的なエッセイ風に綴ったのが本書である。

子どものころから歌舞伎にどっぷりつかってきた三津五郎や勘三郎と、中年になってから歌舞伎を評論の対象とするようになった自分とでは「歌舞伎年齢」が違いすぎる。菊之助とはたまたまうまがあったのか、「歌舞伎年齢」がちょうど同じぐらいだったのかはわからないが、歌舞伎の話になると話題がつきなかったという。

私の歌舞伎年齢は3歳ぐらいで、ようようこの本に出てくる演目について説明なしでもだいたいわかるようになってきたとはいえ、舞踊はワカラナイし、過去の名優たちの話もハテー?なので、いきなり深い芸談になってしまったらついていけないんだけど、菊之助の舞台は比較的多く見ていることもあり、なるほど~と思うことも多かったな。

この本に出てくる菊之助は御曹司の自惚れなどまるで感じさせない。まっすぐて、勉強熱心な青年である。そして「僕はびびりなんです」といいながら、新しい挑戦を続けるひとでもある。

あとがきで長谷部さんは言う。
「私は、彼が年少期から今までに、大変な自制心を以て身につけた人生の態度を『菊之助の礼儀』と呼びたいのです」

美しいし、すぐれた女方が払底している昨今、菊之助には女方の大役が次々に舞い込むけれど、音羽屋として菊五郎を継ぐとなれば立役もこなせなければならない。なので最近は立役も少しずつ増えている。私は華麗な女役を見たいけれども芸域を広げるのは必須なのだ。

興味深かったのが最終章。吉右衛門の四女と結婚し、男の子が生まれ、音羽屋と播磨屋の藝統がひとつになったことを語って、未来を展望するシメで、菊之助は「役者に生まれた以上弁慶をやりたい」と語っている。音羽屋は、富樫か義経を勤めるのが通例で、菊五郎も弁慶は勤めていないのだそうだ。(配役にしても、何月にだれが歌舞伎座に出るとか、いろいろ決まりごとがあって面倒) 、
菊之助の弁慶は想像もできないけど、去年の11月に染五郎が初めて挑戦した弁慶、ニンじゃないのにすごくがんばったこともあるし、いっぺん見てみたい気も・・・・。

それと、近松の曾根崎心中を、野田の脚本でデヴィッド・ルヴォーが演出し、勘三郎と菊之助が出る企画が、勘三郎の急逝でおじゃんになった話はつくづく惜しい!

目次
美しさの謎『京鹿子娘二人道成寺』 / 京・四季・南座『弁天娘女男白浪』 / 初対面の日『グリークス』 / アッピアの夜『弁天娘女男白浪』 / 立役への道『児雷也豪傑譚話』 / 海老蔵襲名『助六由縁江戸桜』 / 早朝のパリ『鳥辺山心中』 / 菊之助の礼儀『NINAGAWA十二夜』 / 仲違い『加賀見山旧錦絵』 / 去りゆく人と『二人椀久』 / アスリートの体力『春興鏡獅子』 / ブロマイドの中の親子『与話情浮名横櫛』 / 大顔合わせ『仮名手本忠臣蔵』 / 赤坂・ロンドン・銀座『曾根崎心中』 / 平成中村座の菊之助『菅原伝授手習鑑』 / 立女方への道『伽羅先代萩』 / 立役への挑戦『盟三五大切』 / 真実の恋『摂州合邦辻』 / 東日本大震災を受けて『うかれ坊主』『藤娘』 / 初役の一年『籠釣瓶花街酔醒』 / 歌舞伎座新開場『熊谷陣屋』 / 哀れな女『東海道四谷怪談』 / 弁天小僧を生きる『青砥縞花紅彩画』 / 桜の花の舞い散る頃に『京鹿子娘道成寺』 / 新しい命『勧進帳』

写真は銀座よしひろの野菜のおでんのランチ。刺身と小鉢がついて800円也。
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by sustena | 2015-01-27 23:18 | 読んだ本のこと | Comments(0)
2015年 01月 27日

じゃまだッ!

私はくじ運の悪いひとで、お年玉つき年賀はがきの切手シートもほとんどあたらない。年に一度の会社の納会のビンゴ大会でも、かれこれ四半世紀以上になるのに、二度つまらないものがあたったきりだ。
ところが、というべきか、案の定というべきかよくわからないのだが、去年の8月末の納会で、珍しく、出ていた景品の中では高額のものがあたった。レッグマジックサークルとかいうフィットネスマシンである。

「重たいから送りますねー」といわれて届いたモノを見てびっくり。わー、こんなものだったのか。
目のつく場所に置いておいたらやるかもしれないと思い、いちおう組み立てて、リビングのはじっこに設置。でもわが家は狭いので、使うときは回転しても、どこにもぶつからない場所に移動させなければならない。いちいち動かすのが面倒で、ずっとそのままになっている。

暮れの大掃除に、まだ一度もトライしていないことに気づいて、初めてDVDで使い方をチェックしたら、裸足や靴下のままやってはいけない。ちゃんと室内用の運動靴をはけだの、事前にストレッチをせよだのこれまた面倒くさい。うーむ・・とうなったきり、またもやそのままに・・・・・・。

正月、わが家で飲み会をしたとき、「あっ、これほしい!」と叫んだ知人がいた。どうぞ持って行って、と勧めたのだが、そこのダンナが「うちにもうある」と言うではないか。「でも、うちにあるのはただ足を開くだけだけど、こっちは回転もするのよ」と知人。しかーし、非情なダンナは「これ以上物干しはいらない!」

せっかくのチャンスだったのに、残念・・・。

もちろん、私に無用なマシンというわけではないのである。ここ1年でぶくぶく太ってきたので、ちゃんと使えばそれなりの効果はあるかもしれないのだが、どーしても怠慢なココロが先立ってしまうのだ。どうしたら、せっかく当たったものがムダにならないであろうか。それとも知り合いに頼んで、まだ人気のあるうちに売り飛ばしてしまうのが一番だろうか。悩んでいるのである。
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by sustena | 2015-01-27 22:03 | つれづれ | Comments(6)
2015年 01月 25日

辻 惟雄/村上 隆『熱闘(バトルロイヤル)!!日本美術史』

c0155474_253345.jpg『奇想の系譜』で又兵衛、山雪、若冲、蕭白、国芳らを「奇想の画家」として再評価し、近世絵画の見方を大きく変えた美術史家でMIHO MUSEUM館長の辻惟雄が、近世日本美術史の中からお気に入りの絵師と作品を選んで、その読み解き方をじっくり解説した文章をもとに、世界で活躍する売れっ子の村上隆がその絵師の作品を換骨奪胎しムラカミ流にアレンジして新作を描きおろした絵合せ『熱闘(バトルロイヤル)!!日本美術史』(とんぼの本新潮社2014年11月刊)がおもしろい。これは、「芸術新潮」誌上で2009年10月から2011年12月まで、途中で休載があるので計21回にわたって「ニッポン絵合せ展開」として展開した連載をまとめたもの。

ラインナップは次の通り。

〈絵合せ 一番〉 狩野永徳
〈絵合せ 二番〉 伊藤若冲
〈絵合せ 三番〉 葛飾北斎
〈絵合せ 四番〉 ふたたび伊藤若冲
〈絵合せ 五番〉 絵難房
〈絵合せ 六番〉 曾我蕭白
〈絵合せ 七番〉 白隠慧鶴
〈絵合せ 八番〉 ファリシズム
〈絵合せ 九番〉 鳥居強右衛門勝高逆磔之図
〈絵合せ 十番〉 井上有一
〈絵合せ 十一番〉荒川修作
〈絵合せ 十二番〉インドの女神
〈絵合せ 十三番〉リンガ
〈絵合せ 十四番〉赤塚不二夫
〈絵合せ 十五番〉長沢芦雪
〈絵合せ 十六番〉ふたたび長沢芦雪
〈絵合せ 十七番〉村上春樹ほか
〈絵合せ 十八番〉逸品画風
〈絵合せ 十九番〉狩野一信
〈絵合せ 二十番〉禅月様羅漢図
〈絵合せ 二十一番〉羅漢と震災
〈絵合せ 千秋楽〉 100m五百羅漢図

第1回の狩野永徳の《唐獅子図屏風》を受けて村上が描いたのが、この表紙の村上隆そっくりのウロンな顔をしたぶきみかわいい獅子である(表紙は絵の一部)。そういえば、村上隆の会社「カイカイキキ」は、狩野山雪の遺稿をもとに子の永納が編んだ『本朝画史』の中で狩野永徳の晩年の画作を評した「其の筆法皆粗にして草なり。・・忸々奇々、自ずから前輩伝えざるの妙を得て一時に独歩す・・・五百年来未曾有のものなり」という「忸々奇々」からとったものなんだそうだ。、

絵ばかりじゃなくて、鳥居強右衛門勝高逆磔之図などでは、村上自身が体を真っ赤に塗り込められて隈取りをされ、胸毛や腋毛、腹毛、陰毛と植毛されて、ふんどし姿で十字架に逆さ磔にされた姿を写真に撮ったりしてる(そのために広告宣伝チームが動員されている)。雑誌の連載にこんなに労力をつぎ込んでいいんだうか?と読者がアッケにとられるほど、村上さん、リキ入りまくりである。(それが高じて撮影のオモシロサにハマり、村上隆は後にスタッフと映画まで撮ってしまう)

しかーし。辻センセイは世界のムラカミに対しても容赦ない。
「貴下の春画はたしかにギョッとさせられますが、失礼ながら芸術的なギョッととはちょっとちがいますね。村上さんらしいイマジネーションの飛躍が感じられませんし、色調も幕末浮世絵みたいに暗い。村上さん本来のとは違います。
お弟子さんに任せすぎじゃないですか。
それより村上さんご自身の肉声が聞きたい。(略)私の文章などさらりとかわして、落書きされていはいかがですか。私はそれを予感し、期待していました」

と挑発するんである。それに応えて村上も伊藤若冲と河鍋暁斎の《新富座妖怪引幕》を模した4m×9mの《象とクジラ》をどーんと描きあげる。

辻先生はさらに日本美術だけでなく、井上有一や荒川修作、インドの女神、リンガ、赤塚不二夫、そして村上春樹までぐいぐいと展開していく。ちょっと離れすぎでは・・・と思うけど、コラボはそれなりにおもしろい。

村上春樹の回では、村上の『ダンス・ダンス・ダンス』の一節から「長い橋」を連想し、北斎の《足利行道山くものかけはし》《飛越の境つりはし》の絵を紹介、『1Q84』からはサルヴィアーティの《ダビデのもとへゆくバテシバ》の外階段を連想する。これを受けて村上は,北斎のくものかけはしの山の間をぐるぐるめぐる高速道路と2つの月を描くのだ。

その後辻先生は、長沢芦雪のミクロの五百羅漢の発見に始まり、狩野一信、禅月様羅漢図、羅漢と震災と、羅漢図をずっと取り上げていく。狩野一信の《五百羅漢図》100幅を江戸東京博物館で展示しようという企画の開催直前で、3.11が起きたのだ。そして村上も、タテ3メートル、横なんと100メートルの五百羅漢図制作へと突き進んでいく。この作品が、2012年カタールの首都ドーハで開かれた大規模な個展の目玉作品となっていったのだから、このコラボ企画を立ち上げた編集者は感無量だったことだろう。

巻末に千秋楽として「100m五百羅漢図」が折り込まれている。これまでの絵合せから想を得た動物なども登場し、ごきコラボが五百羅漢図へと結実していったことがわかる。そのスケール感たるやすごい。
(辻先生の文章を受けての村上の返信で制作のたいへんさがうかがえたことも興味深かった。
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トーハクの若冲の鶏の屏風はいつも人気。

by sustena | 2015-01-25 02:04 | 読んだ本のこと | Comments(0)
2015年 01月 25日

映画「ドラフト・デイ」

c0155474_0121615.jpg知人に試写会の招待状をもらったので、一昨日、コレド日本橋2の東宝のシネコンでアイバン・ライトマン監督の「ドラフト・デイ」(Draft Day 2014年アメリカ 110分)を見てきた。

NFL(ナショナルフットボールリーグ)のドラフト会議。GMたちの駆け引きや心理戦、指名を願う選手や、チームづくりに口を出すオーナー、監督とGMの軋轢をなどをまじえ、ドラフト会議の開かれる朝から、その会議の息詰まる様子を描いたもの。

ところで、NFLのドラフトは日本のプロ野球のドラフト会議とは大きな違いがある。
まず、複数のチームが同じ一人の選手を指名することはない。最下位から順に選手を指名していくけれど、“指名権トレード”が可能だ。しかも、その年だけでなく翌年や翌々年の一巡目の指名権や、選手のトレードなどが交換条件となる。順番が回ってきてから指名するまでのタイムリミットは10分間。その間にも、それまでの指名状況や、チーム事情などを見極めて指名権のトレードができる。実にスリリングなのだ!

物語は──。
NFLに所属するクリーブランド・ブラウンズのGMサニー(ケビン・コスナー)は、ねらい通りのチームとするために今年のドラフトに賭けていた。指名順は7番目。その順番で指名する意中の選手も決まっていた。しかしオーナーは超大型新人、ボー・キャラハンの獲得を要請し、そうでないとクビだと脅す。ライバルチームに見透かされ、チームの未来を棒に振るような条件で1番目の指名権を得る。その決定にペン監督(デニス・リアリー)は大反対。いつのまにかツイッターで話が広がり、自分がお払い箱だと感じたチームのQBは、サニーの部屋で暴れる。しかも、調査を進めていくうちに、ボー・キャラハンは技術こそピカ一だが、性格的な欠点があるらしい・・・。恋人も、日陰の身ではイヤだとサニーに迫る。プレッシャーだらけの中で、サニーはどんな結論を下すのか?

ドラフト会議なんていったい映画になるのか?と、いささか疑問だったんだけど、脚本、うまいなぁ。恋人(ジェニファー・ガーナー )とのからみはなくてもいいような気もするけど、やはり女っ気は必要なんだろうなぁ。オーナー役のフランク・ランジェラがいい味です。
アメフトにもっと詳しい人なら、たびたび出てくる映像に、あっ、あの選手ねってハハーンと思うんだろうなぁ。

終わったあとはコレド室町2の「牡蠣場 北海道厚岸」の厚岸のカキでイッパイ。
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by sustena | 2015-01-25 00:12 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2015年 01月 24日

壽初春大歌舞伎・昼の部を幕見で

久々の幕見。二度に分けて、昼の部を見てきた。「金閣寺」と「蜘蛛の拍子舞」、そして長谷川伸の名作「一本刀土俵入」であります。

3つの演目をすべて見ると3階B席の値段の4000円と同じ料金になる。さらに1階上から見ることになって、同じ料金なら3階B席のチケットを買っておけばいいように思うけど、そもそも早めに売り切れて残っていないということも多いし、たまたま今回は魁春のお蔦がいいという話を聞いたから3本見ることになったけど、そうでなかったら、勘九郎が出る2本だけにしてたはずで、好きな演目だけを選べるのは幕見のいいところ。それに大向こうの声がすぐ耳元で聞こえるしね。

さて、「金閣寺」は三島由紀夫の金閣寺ではもちろんなくてお姫様のお話。天下を狙う悪人の松永大膳が、将軍足利義輝の母を金閣の最上階にとじこめて、雪姫に金閣の天井に龍を描くか、自分の意のままになるかと迫る。「どっちもお断り、殺してー」と雪姫が拒否すると、雪姫は桜の幹に縛り付けてられてしまう。親のカタキの大膳なのに・・と夫を思い嘆く雪姫、雪舟みたいに足でネズミを描くとあれ不思議・・・・っていうお話で、七之助の頭上にドバドバと桜が散るところ、4階からよく見えたなぁ。

染五郎は線が細いから、なかなかタイヘンそう。勘九郎の此下東吉は、正体をジャーンとあらわすところ、もっと重々しくてもいいかなー。

「蜘蛛の拍子舞」 は、白拍子の玉三郎がアヤシクて美しいッ。それが後半、女郎蜘蛛の精になって、カッと真っ赤な口を開くところマガマガしくてオソロシクて、同じ人にはまるで見えないのね。蜘蛛の糸をシャッと投げるところは、やはり見応えがあります。

最初は見るつもりがなかったのに、あらためて出かけた「一本刀土俵入」。こんなに感情移入できた魁春は初めて。幸四郎の駒形茂兵衛は、こういうたっぷりとした人情ドラマものは本当にうまい。
お腹がすいて一文無しでフラフラの茂兵衛に、立派な横綱になるようにと金子と櫛・簪をやった酌婦のお蔦。茂兵衛がありがたがってずっと手を振り続けて花道を下がっていくシーン(4階だと花道の七三のところまでしか見えないんだけど) 、それが10年後に イカサマ博打をして追われる身となった夫・辰三郎と、子の3人で故郷に逃げようとするところを茂兵衛に助けてもらい、今度はお蔦一家が花道をお礼しながら去っていくシーンの対比の鮮やかさ。
10年ぶりの再会に最初はお蔦は茂兵衛とわからないんだけど、辰三郎を出せとやってきた土地の顔役連中に頭からぶつかっていくところを見て茂兵衛を思い出すシーンなど、泣けちゃったなぁ。

一、祇園祭礼信仰記「金閣寺」
  
松永大膳・・・・・・・・・・・・・・染五郎
雪姫・・・・・・・・・・・・・七之助
十河軍平・・・・・・・・・・・・・男女蔵
松永鬼藤太・・・・・・・・・・・・・廣太郎
狩野之介直信・・・・・・・・・・・・・笑也
慶寿院尼・・・・・・・・・・・・・門之助
此下東吉・・・・・・・・・・・・・勘九郎

二、「蜘蛛の拍子舞」 花山院空御所の場
  
白拍子妻菊実は葛城山女郎蜘蛛の精・・・・・・・・・・・・・玉三郎
渡辺綱・・・・・・・・・・・・・勘九郎
源頼光・・・・・・・・・・・・・七之助
坂田金時・・・・・・・・・・・・・染五郎

三、「一本刀土俵入」
  
駒形茂兵衛・・・・・・・・・・・・・幸四郎
波一里儀十・・・・・・・・・・・・・歌六
船印彫師辰三郎・・・・・・・・・・・・・錦之助
船戸の弥八・・・・・・・・・・・・・由次郎
老船頭・・・・・・・・・・・・・錦吾
若船頭・・・・・・・・・・・・・宗之助
町人伊兵衛・・・・・・・・・・・・・廣太郎
庄屋の女房・・・・・・・・・・・・・歌江
河岸山鬼一郎・・・・・・・・・・・・・桂三
堀下根吉・・・・・・・・・・・・・高麗蔵
清大工・・・・・・・・・・・・・友右衛門
お蔦・・・・・・・・・・・・・魁春
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by sustena | 2015-01-24 23:23 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2015年 01月 21日

マイクル・コナリー『判決破棄』(上下)

c0155474_22433462.jpgそーいえば、ひと月ほど前に、マイクル・コナリー『判決破棄』(上下刊・講談社文庫、古沢嘉道訳 2014年11月刊 )も読んだんだった。 原題は『The Reversal』(2010年)。

私は法定モノがけっこう好きで、最近はかつてほどの熱心さは失せたけれども、それでも、証言のちょっとした穴をつきくずしていく法廷シーンにはわくわくして、いい加減もっと知性を豊かにするような本を読むべきではーと思うんだけど、ついついこの手の本を手にとっちゃうんである。

さてこの本は、リンカーン弁護士ミッキー・ハラーシリーズの3冊目。その一方で、ハリー・ボッシュ刑事も登場する刑事物(双方のファンに色目を使っているわけね)なんだけど、なんといっても引き込まれるのが法廷での丁々発止なので、やはりリーガル・サスペンスに分類できるかな。

「負け犬の代弁者」を任じるハラーは、本来、刑事裁判の弁護士なのだが、今回は逆の立場の特別検察官となる。

物語は──。

12歳の少女を誘拐して殺した罪で24年近く服役してきた男が、DNA鑑定で被害者のワンピースについていた精液が別人のものとわかり、有罪判決が破棄され差し戻されることになった。ミッキー・ハラーは、元妻の栄転を引き換えに、勝算の乏しいこの事件の再審の検察官を引き受ける。ハラーは、親戚のボッシュ刑事に事件の再調査を依頼し、新しい証人を見つけ出した。果して、裁判の行方は・・・・

第4部の中ほどまではすこぶるおもしろい。ところがそこから腰くだけ。おいおいおい、それはないよー。

第一部 ホシの引き回し
第二部 迷宮
第三部 真実で正しい評決を求めて
第四部 物言わぬ証人
第五部 逮捕
第六部 遺留品

銀座のソニープラザの地下1階のこの場所を通るたびに、ジャック・ダニエルみたいーって思っちゃう。書体の影響はかくも大きい。
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by sustena | 2015-01-21 22:42 | 読んだ本のこと | Comments(5)
2015年 01月 21日

「Alaska」マルク リブー写真展

c0155474_21362023.jpg銀座のシャネルネクサスホールで、マルク リブーの写真展をやっている。

マルク リブーは1923年、フランス・リヨン生まれ。1953年にマグナムに参加。アンリ カルティエ=ブレッソン、ロバート キャパらとともに、世界中を駆け巡ってきた人。この写真展は、中東・アジア諸国での取材から戻り、次にアラスカからソキシコへ向かう旅路で見つめたアラスカがテーマとなっている。半世紀前の冬のアラスカは、一面の雪が広がり、沈黙が支配する大地。でも単なる風景写真がはない。その白いキャンパスのあちこちで、たしかに、そこに生きる人の息づかいが伝わってくる。静寂のなかに、人のいるあたたかさがじわーんとしみてくるような写真だった。
しっとりきれいなモノクロ!

by sustena | 2015-01-21 22:42 | Art/Museum | Comments(0)
2015年 01月 20日

椎名誠『ぼくは眠れない』

c0155474_16592740.jpg椎名誠さんの『ぼくは眠れない』(新潮新書 2014年11月刊)を読む。

シーナさんは、アウトドアを謳歌し、トシをとってもいまだに不良中年を続ける頑強なひと、というイメージがあったんだけど、『新潮45』で連載していた「不眠を抱いて」をまとめたこの新書で、サラリーマンをやめて作家活動に入って以来、35年間も不眠症に悩まされていたことを知ってビックリ。

わたしは、どんな場所でも眠れるノーテンキな人で、若いときは、オフィスの椅子を2脚並べて、200時間残業をしていたときなどは、ときにはトイレでこっそり眠っていて、不眠症なんて無縁もいいとこなんだけど、それでも、夜遅くまで原稿を書いていたりすると、たまに妙に目が冴えて、今の時期だと手が冷たくて、寝入るまでにちょっと時間がかかることはないではない。作家稼業だと、まぁタイヘンなこともあるかもしれないしねぇ・・・・と読み進めた。

この本によると、シーナさん、ストーカー事件のトラウマを乗り越え、睡眠薬で上手にコントロールし、不眠症とだましだましつきあうコツをようやく身につけてきたようなのだ。
お酒をかっくらって眠ればいいじゃん、と思うのは素人のアサハカサで、いったん寝入っても、ノドが乾いて夜中にガバと目が覚めて、そのあと眠れなくなるからダメなんだって。

単に眠れない・・・とこぼすだけでなく、眠るのはなぜなのかとか、動物の睡眠時間はどれくらいで動物によっていかに違うかとか、睡眠薬は脳に何をしているか、睡眠グッズは役に立つかなど、お勉強の成果も盛り込まれている。

怖かったのがカンボジア旅行で目にしたというポル・ポト派が拷問に使っていた「眠らせない」椅子。
さしたる特徴のない祖末な背もたれつきの木の椅子で、案内したひとによると「もっとも確実に人を狂わせる拷問装置」なんだって。それは、頭の上に水が入った容器がつるされていて、小さな穴から間欠的に水滴が、固定されている頭の一点に落ちてくる。雨垂れが石をもうがつように、一定の間隔で頭の一ヵ所を刺激されると、完全に寝られなくなるばかりか、通常の思考ができなくなり、短時間で狂気に陥っていくんだって。なんて悪魔的なのー。

そうそう、最近はCDで落語を聞きながら自然に寝入る日も増えているそーです。

目次
はじまりは唐突にやってきた
勤めをやめるか、どうするか
ライオンのように眠りたかった
見知らぬ女が押しかけてきた
なぜ眠る必要があるのだろうか
こころやすらかに寝られる場所は
睡眠薬は脳に何をしているのか
ポル・ポトの凶悪にすぎる拷問椅子
イネムリが人生で一番ここちよい
睡眠グッズはどれほど効くか
やわらかい眠りをやっと見つけた

先日、公園を散歩していると、木の幹や枝をタテに移動していく鳥が。
遠かったけど小さかったしたぶんコゲラ
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このこはアオゲラかなぁ。
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by sustena | 2015-01-20 23:15 | 読んだ本のこと | Comments(4)
2015年 01月 20日

浅葉克己のタイポグラフィ展「ASABA’S TYPOGRAPHY.」

続いてハシゴしたのが、ギンザ・グラフィック・ギャラリー。ここでは、浅葉克己のタイポグラフィ展をやっていた。
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浅葉さんは1940年生まれだから、今年75歳。わたしが若いころ、1mmの幅に何本線を引けるか、なんてことを若いデザイナーに向かって挑発してた、といううわさを聞いたことがあるけれども、とにかく40年以上もデザインの第一線で活躍してきたアートディレクター。

今回はその浅葉さんの手になる、コラージュや掛け軸などの新作をはじめ、ポスターや「ブチューンカメラ」という一種のパノラマ写真が撮れるカメラで撮った折々の集合写真、トンパ文字、新作の「わびさび体」のお披露目、そして圧巻が2フロアの壁を埋めつくした、もう40年以上も書き続けているというデザイン日記の2002年以降のセレクション。これは、浅葉さんがデザインした作品が片方に、もう片方に日記やアイデアスケッチなどを綴ったもの。ひたすらスゴイ。

いずれも、浅葉さんのタイポグラフィが主軸になっている。書道とタイポグラフィと、あくなき創造へのエネルギーがみなぎっていて、脱帽なのでした。

by sustena | 2015-01-20 22:47 | Art/Museum | Comments(0)