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2012年 03月 30日

東京スカイツリー箸

スカイツリーの開業を控え、毎日のようにスカイツリーのニュースがある。
ところで、このところ通勤の途中に決まって視界に飛び込んでくるのがこの看板。
いったいどんな箸なんだろう・・・・?
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いつも遠くから眺めて疑問に思ってたんだけど、写真をアップするときにもう一度よく写真を見たら、なんと看板に箸がくっついているじゃありませんか。でもこれじゃあよくわからない((;o;))
検索したら、お店のブログに写真が載ってました。これです。
箸がスカイツリーそっくりの形なんだって。ナットク。

by sustena | 2012-03-30 22:13 | つれづれ | Comments(10)
2012年 03月 27日

ライブ・ミュージック「明和電機 製品デモンストレーション」

土曜日に銀座のイッセイミヤケのいくつかのブランドが集まった「ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE」の1周年記念のイベントの一環として、 アートユニットの「明和電機」によるオリジナル楽器を使ったライブ・ミュージックイベントがあった。抽選だったんだけど、うれしいことにあたって、出かけた。いつもはイッセイの服がズラッと並んでいるショップがキレイに片づけられて、天井からは音符の形をした電子楽器のオタマトーンがぶら下がってる。観客は100名ちょっと。若くてスタイリッシュなファッションのひとがいっぱいだったな。

ところで、明和電機は、中小電機メーカーのスタイルで、思わず笑っちゃうような演奏機械を製作、製品発表会と称してライブを行うユニークなユニット。今回も、指パッチン木魚(指をならすと、そこからコードがつながっていて、背中に背負った木魚がポクポク鳴る)、発泡スチロールやいろいろな音源の音が鳴る電動ドラムマシン、フォークギターの基本テクを遠隔操作する機械など楽しい楽器がいっぱいあったけど、私が気に入ったのは、電動ピアニカ。電機で風船がぶぉーんと膨らんで、空気を出して小さくなっていくしかけで、このときピアニカが鳴る。この風船が空気で膨らむときの音が肝心の演奏より大きいのはご愛敬。

強力モーターの振動によって声にビブラートをかける機械で「マイウェイ」を歌ったり、両手にタンバリンのようなものを持ってシャカシャカと踊る人形のパンチくんとレンダちゃんが共演したり(曲が終わると頭がふっとんでた)、とにかく楽しい。

オタマトーンの実演もあった。けど、大型のオタマトーン、練習のときはちゃんと音がなったのにトラブルで音が出ない。土佐社長がかわりにマネして笑ってました。

1時間弱のミニコンサートだったけど、笑いながらあっというまにおしまい。最後はおきまりの社歌(コアなファンは一緒に社歌を歌って踊っていた)、アンコールで社長はネクタイを頭にまいて、ギンギラギンにさりげなく~のマッチの歌を熱唱してました。

会場内に飾ってあったオタマトーン
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ライブが終わって外からぱちり。
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このエイリアンみたいなのは、笑う機械で、首のあたりの蛇腹がアコーディオンみたいに膨らんで(そのとき、上半身?がそっくりかえる)、ジャパラがもとに戻るときにイヒヒ~という声が出る。ただそれだけだけど、妙におかしい。
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オタマトーンにサインをしてもらったのに、ビブラートをかけるために、オタマジャクシの頭部分を押してたらせっかくのサインが消えてしまった(;o;)
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by sustena | 2012-03-27 23:35 | Art/Museum | Comments(6)
2012年 03月 27日

お詫びさまざま

相変わらず、おわびの看板があるとふらふらっと撮ってしまう。
東京駅の東北・上越新幹線改札を入ったところにあるトイレはもっか耐震工事中で、何個かが使えなくなっていて、養生シートがかけてある。それを詫びているこの案内は、深くお詫びしているためか帽子をシッカとかぶっているためか、目の表情は見えず(というより眉と目はなく)、鼻だけが見える。
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一方、盛岡駅では社員も使うけど理解してね、と、どこかのドジョウ首相のような雰囲気の駅長が、帽子もとってお辞儀をしていた。けしからんと思う人がいるってこと?ノープロブレムだよー。
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一方、工事中だからねと、あっけらかんとした顔をしているのがこいつ。やはりトイレと道路工事とでは違うのでありましょうか。
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混んでいるときに、改札で点検なんかしているのはいささかメイワクである。しかし、このおねえさんは、全然すまないとは思っていない。ちょっとだけだからお待ちください~ってところか。
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福島の阿武隈川の工事している橋の近くにいたこの注意看板のキャラは、全国で見かける顔だち。左手の指さし具合がいいのよね。
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by sustena | 2012-03-27 22:52 | 看板・サイン・ポスター | Comments(4)
2012年 03月 26日

初めてのはやぶさ

本日は盛岡に出張で、初めてはやぶさに乗った。
2号車だったんだけど、ホームに入ってきたときに先頭車両はミニカメラマンが何人も。記念写真を撮る人でにぎわってました。
盛岡までだとたった6分早くなるだけで、500円高い。
座席の背もたれ部分がラクチンだったけど、もうほんのちょっと横幅が広いといいのに・・・。でも横幅は普通座席で3+2人がけという前提がある限りむずかしそうだなぁ。

盛岡はちょっと雪が舞っていて寒かった。駅前のぴょんぴょん舎で冷麺を食べて、そのあと40分ほど訪問先で過ごしてとんぼ返り。新幹線に乗っていた時間が圧倒的に長かったな・・・。
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by sustena | 2012-03-26 23:33 | つれづれ | Comments(10)
2012年 03月 26日

イ・ヒョンスン監督「青い塩」

韓国のイケメンは、あまりに晴れやかですがすがしくてかっこよいので、見ているこっちが照れちゃうようで苦手である。でも、ソン・ガンホ(「殺人の追憶」のさえない刑事役、「グエムル」のおとーさん、「大統領の理髪師」などもよかったー)のように、安心感のあるお兄ちゃんみたいな俳優は気に入っていて、彼が、元ヤクザの男と暗殺者の少女が料理をきっかけにひかれあっていく、というちょっぴり妙な設定の映画に主演していると知って、さっそく観に行った。

あらすじは───

ソウルの闇組織の幹部だったドゥホン(ソン・ガンホ)は、ヤクザ稼業から足を洗い、母の故郷プサンでレストランを開こうと料理教室に通っている。そこで、となりにいたのがセビン(シン・セギョン)。料理は科学だという先生の声にしたがって、一所懸命に計量して料理をつくるドゥホン。でも味見をしても全然おいしくない。一方セビンは先生のいうことなどちゃんと聞いていないみたいなのに、料理はうまいのだ。
フツーの女の子に見えるセビンだったが、実は闇組織の便利屋で、ドゥホンの動向を探るために料理教室に通っていた。オリンピックにも出場しようというほどの優秀なライフル選手だったが、ある事情から借金を抱え、闇組織にかかわることになったのだ。ドゥホンの温かさにほのぼのしちゃうセビンだが、ついには、ドゥホンの暗殺を命じられる……。

ストーリーはややマンガチック。妙にほのぼのしちゃうところがあるのは、おいしそうな料理がでてくるからでありましょうか。ソウルのビルは超かっこよく、釜山の塩田風景の広角のカメラワークが実に美しい。

そしてなんといっても、ソン・ガンホがいい味!ソン・ガンホファンには赤マルでおすすめであります。
原題: Hindsight (2011年韓国映画 )
監督: イ・ヒョンスン
脚本: イ・ヒョンスン
撮影: キム・ビョンソ

ソン・ガンホ(ドウホン)
シン・セギョン(セビン)
チョン・ジョンミョン(ドゥホンの誠実な弟分のエック。甘い顔でかわいい)
キム・ミンジュン(殺し屋K)
イ・ジョンヒョク(ギョンミン)
ユン・ヨジョン(カン女史 サングラスが貫祿~)
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by sustena | 2012-03-26 00:37 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2012年 03月 26日

結城座「夏の夜の夢」

先週の土曜日、武蔵野芸術劇場で、糸操り人形の結城座の「夏の夜の夢」を観る。

結城座は1635年(寛永12年)に初代結城孫三郎が旗揚げした日本唯一の伝統的な江戸糸操り人形の劇団。現在 『国記録選択無形民俗文化財』『東京都無形文化財』に指定されているが、演目は文楽などの伝統的なものだけでなく、シェンクスピアやアリスやエンデ、唐十郎の少女仮面など、人形と俳優が共演する一種不思議な舞台をつくりあげている。

現在の結城孫三郎は、平成5年5月に三代目両川船遊が襲名した12代目。私が見たのはかれこれ20年以上も前だから、先代の孫三郎の時代である。

昨年プラハで人形劇を見たときに、結城座のことを思い出して、久々に見てみたくなって、今回は斎藤晴彦が出るというのでチケットをゲットしたのだ。

音楽がロマンチックというよりは、ちょっぴりシュール。
簡素な舞台だけど、人形が登場すると、イッキにこの世のものじゃない感じになる。結城千恵さんのあやつる人形は生きているよう。恋薬で大騒ぎするところはとても楽しかった♪

パックの遣い手が2人いるところは演出ではあるんだけど、いまいち効果のほどが薄かったような・・・。斎藤晴彦もオーベロンというよりは好々爺みたいだったな。

なぜか観客が熟年以上のひとばかり。武蔵野芸術劇場だったからか、それとも結城座のファンが高齢化しているってこと??

作 ウィリアム・シェイクスピア
翻訳 小田島雄志
構成・演出 加藤直
人形美術デザイン・衣装デザイン 太田雅公
作曲 港大尋
舞台美術 池田ともゆき

結城孫三郎 ボトム
結城千恵(=十代目結城孫三郎の長女)パックa、ディミートリアス
荒川せつ子 ヘレナ、クインス、蛾の羽根妖精
結城育子 イージーアス、スナッグ、芥子の種妖精
平井航 ライサンダー、フルート、リコーダー演奏
橋本純子 ハーミア、スターヴリング、蜘蛛の糸妖精
結城数馬 パックb
岡泉名 スナウト、豆の花妖精 ホルン演奏

斎藤晴彦 シーシュース オーベロン
宮本裕子 ヒポリタ、タイテーニア
港大尋  音楽 吟遊詩人
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by sustena | 2012-03-26 00:11 | Theatre/Cinema | Comments(2)
2012年 03月 25日

ハービー・山口写真展「HIKARI」

c0155474_11461778.jpgライカ銀座店で先日までハービー・山口さんの写真展「HIKARI」やっていた。

1950年、東京都出身。中学2年生で写真部に入り、大学卒業後の1973年にロンドンに渡り10年間過ごす。パンクロックやニューウエーブのムーブメントに遭遇し、デビュー前のボーイ・ジョージとルームシェアをするなど、ロンドンのエキサイティングだった時代を体験。多くの作品をモノクロームの、スナップ・ポートレイトというスタイルで撮影してきたひと。

彼のオリジナルプリントを観るのは初めて。静かなたたずまいのなかにエネルギーを感じる写真だよー。

3.11のあと、渡辺謙さんや小山薫堂さんと一緒にkizuna311という活動を展開。今回の写真展では昔のロンドン時代の写真とともに、被災地で、ジョニー・ロットンのTシャツを着た若者の写真が印象的だった。
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by sustena | 2012-03-25 18:01 | Art/Museum | Comments(2)
2012年 03月 25日

ぽかぽか春の日

久しぶりのいい天気!
うれしくなって近くの公園に散歩。
椿が満開。ボケはきょうこそ咲いていると思ったのにまだ。トサミズキは見ごろ。
柳もやわらかな緑色に。
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自宅から100メートルの公園ではアセビが咲いていた。
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by sustena | 2012-03-25 11:29 | 小さな自然 | Comments(4)
2012年 03月 24日

隈研吾『場所原論―建築はいかにして場所と接続するか』

c0155474_23302174.jpg隈研吾の『場所原論―建築はいかにして場所と接続するか』(市ヶ谷出版社 2012年1月刊)を読む。

コンクリートと鉄によって場所から離れ、抽象化を志向した建築、工業化社会と情報化社会をとことん推し進め、社会の進化が建築を進化させると信じてきたロジックが、3・11の震災で転換を余儀なくされている。隈研吾さんが以前から唱えている、弱い建築、負ける建築、「小さな場所」の材料と技術、職人を大切にしながら、小さな場所を輝かせるような、小さなエレメントで構成される建築の考え方、周囲との調和の取り方、プロジェクトの進め方などを、代表作15事例と実験事例3例を紹介しながらじっくり解説したもの。

冒頭、「悲劇が建築を転換する~『生産』が建築を救う」と題したゴタクがあって、ここでは建築史的な観点から、いまあらためて場所に注目することの必要性が述べられる。(ちょっと頭でっかちで理屈っぽすぎるけど)

リスボンの大地震によって神のための建築ではなく、人間のための建築の時代が始まったこと。そして、構造計算にもとづいて強い巣をつくるために突き進んできたこと。合理性の追求、インターナショナリズムによって場所の多様性が抹殺され、コンクリート、鉄、ガラスといった大量生産可能な「強い」材料で建築をつくり、それで世界は均一に埋めつくされてきた。また個人の住まいについては、持ち家政策と住宅ローンの発明によって、おそるべき勢いで「郊外」が拡張していった。
しかし、人間が身体を持つ限り、「場所」を媒介として世界とコミュニケートせざるをえない。ハイデッガーが述べたように、建築は「塔」でも「洞窟」でもなく、「橋」であり、周囲に存在している場所を統合する働きを持つ。そこに存在するさまざまな自然資産、歴史的資源を受け入れた上で、そこから新しい人間の世界の生成するものこそが「場所」である。単に体験の対象でなく、生産する開口部である。

大急ぎでかいつまむと、ざっと上記のようなことが書いてあった。

紹介される事例はいかにも、見ただけで隈研吾って感じである。全体に低くて屋根が大きく伸びていたり、細い格子の縦のラインが際立つデザイン。(ちょっと間違えるとダサくなりがちな・・・)。

カサ・アンブレラ(傘同士をジッパーでつなぎあわせ、15個の傘で直径5メートル、高さ3・6メートルのフラードームを思わせるドームをつくるもの)、透明な大きなレゴブロックのようなウォータープロック(中に水を入れて組み立てる)、飛騨高山の玩具をヒントにした木造ユニットシステムの「千鳥」など最後のほうで紹介される実験事例は、研究室の若いひとのセンスにるものなのか?これまでとはちょっと違うイメージだけど、なかなかユニークだった。


劇が建築を転換する~「生産」が建築を救う
収録事例
亀老山展望台―建築を消し、山を復元する
北上川運河交流館―環境保全と河川整備のためのトンネル型ミュージアム
水/ガラス―水平要素によって海と建築を接続する
森舞台 登米町伝統芸能伝承館―舞台を屋外化し、余白によって森と建築を接続する
陽の楽家―コンニャクと柿渋を使った和紙一枚で建築を守る
那珂川町馬頭広重美術館―縦格子のレイヤーによって、広重の雨を表現する
石の美術館―場所の石を用いて、建築と場所をつなぐ
宇都宮宝積寺駅 ちょっ蔵広場―大谷石の記憶、場所の記憶
銀山温泉 藤屋―異なる強度のスクリーンを重ねて場所と身体をつなぐ
マルシェゆずはら/梼原・木橋ミュージアム―茅と杉による伝統と現代の架橋
竹の家 GREAT BAMBOO WALL―万里の長城と建築の接続
安養寺木造阿弥陀如来坐像 収蔵施設―敷地の土を用いた日干しレンガの復活
根津美術館―屋根の重層によって、表参道と建築を接続する
浅草文化観光センター―木造の平屋を積層して、中高層建築を作る

実験プロジェクト事例
カサ・アンブレラ―フラードームをより軽く、よりゆるく
ウォーターブロック/ウォーターブランチ―細胞をヒントにした、遊牧・自律型建築システム
千鳥/GCプロソミュージアムリサーチセンター―飛騨高山の玩具をヒントにした、小断面の木造ユニットシステム

写真は那珂川町馬頭広重美術館
オープンからかなりたって、杉の講師がハゲハゲであった。この風化については、最初から計算にいれているんだろうけど、ちょっと貧弱な感じだったなー
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by sustena | 2012-03-24 00:22 | 読んだ本のこと | Comments(4)
2012年 03月 23日

『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』

c0155474_22472047.jpg1週間ぐらい前に読んだ『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』(学研メディカル秀潤社 2011年12月刊)がおもしろかった♪

野口英世やロザリンド・フランクリン、ジョン・ハンターや森林太郎、北里柴三郎などなど、世界の著明な生命科学者の伝記を読みながら、そのエッセンスを解説した本で、2008年1月から2011年3月まで、「細胞工学」という専門誌に隔月で20回にわたって連載された記事をまとめたもの。

ここ2年半ほど、生命科学関連の取材をしている。といっても、ねっからの文系人間であるワタクシ、ン十年前の高校の生物の知識しかなくて、そのころはDNAの4塩基の名前を覚えた程度だから、取材でゲノム情報発現制御とエピゲノム制御の分子機構がなんたらかんたら、ヒストンのリン酸化によって染色体のセントロメアが規定される・・なんて用語が出てくると、ひぇー助けてー、という感じなのである。

そういうわからないコトバの一つに、「エピジェネティック制御」ってのがあって、その専門家が、この本の著者の大阪大学大学院医学系研究科の仲野徹先生であります。先生は、ドイツで研究していたときにベルリンの壁崩壊の歴史的事件があったんだけど、そのさなかにも熱心に研究していて、そんな騒ぎなんて全然知らなかったというツワモノ(?)。まじめ一筋の先生が書いたむずかしい本じゃないの?と思うかもしれないけど、さにあらず。軽快でつるつる読めて、先生、こんなに文章の才能があるんだったら、研究者じゃなくてエッセイストで食べて行けるよー、と思っちゃうほどなのだ。

この本に取り上げられた生命科学者の生涯は、それぞれに波瀾万丈、成しとげた発見も超弩級(または物議をかもした)ながら、なぜか日本では野口英世ぐらいしか知られていない。しかも嘆かわしいのは、ここで紹介されている本の半分以上が、現在絶版か品切で重版未定ってことで、読みたいと思っても、おいそれと手に入らないことだ。日本じゃこの手の科学読み物は売れないのであります。

それはともかく、この本のおもしろいのは、ただ伝記を紹介しているのではなくて、専門家の仲野先生の実況解説付きで、それって研究者としてどーなの、本音の部分はこーなんじゃないのってことが語られることだ。そして、ときどきに仲野先生の研究哲学が開陳されるのも、実感がこもっていて、共感しながら読めちゃうのだ。

走り書きで写したから正確じゃないところもあるけれど、ちょっと紹介しよう。

伝記は突出して成功した人の結果論的物語なのであるから、読むときには、とんでもない成功バイアスがかかっていることに注意しなければならない。偉人にとっては、いろいろな偶然が幸運に至るチェックポイントになっているが、多くの人にとって世の中そんなに甘いものではないのである。研究でもなんでも、自分に適した環境に身を置いて、自分に適した仕事をできるというのは幸せなことだ。しかし、自分のやっていることが本当に適しているかどうかは誰にもわからないし、どうやって探していいかもわからない。そこをどうあがいて生きていくかが大事なのである。

あるいは

教養というのは自己を相対化するツールである。教養を身につけるのは難しいが、伝記をただあるがままに楽しんで読みながら自己を相対化していくのは悪くない。

仲野先生の研究紹介のサイトのなかに
なかのとおるのつぶやきというコーナーがある。先生の人柄がわかる文章が載っているのでご紹介。

【はじめに】

【第一章 波瀾万丈に生きる】
野口英世:一個の男子か不徳義漢か
クレイグ・ベンター:闘うに足る理由
アルバート・セント=ジェルジ:あとは人生をもてあます異星人
ルドルフ・ウィルヒョウ:超人・巨人・全人

【第二章 多才に生きる】
ジョン・ハンター:マッド・サイエンティスト × 外科医
トーマス・ヤング:Polymath ー 多才の人
森 林太郎(鷗外):石見ノ人 ?外と脚気論争
シーモア・ベンザー:「オッカムの城」の建設者

【第三章 ストイックに生きる】
アレキシス・カレル:「奇跡」の天才医学者
オズワルド・エイブリー:大器晩成 ザ・プロフェッサー
サルバドール・ルリア:あまりにまっとうな科学者の鑑
ロザリンド・フランクリン:「伝説」の女性科学者
吉田富三:鏡頭の思想家

【第四章 あるがままに生きる】
リタ・レーヴィ=モンタルチーニ:ライフ・イズ・ビューティフル
マックス・デルブリュック:ゲームの達人 科学版
フランソワ・ジャコブとジャン・ドーセ:フレンチ・サイエンティスツ
北里柴三郎:終始一貫 (研究編)
北里柴三郎:終始一貫 (スキャンダル編)

【番外編 知的文化遺産】

【おわりに】
 ―今日も伝記を読んでいる―
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by sustena | 2012-03-23 23:27 | 読んだ本のこと | Comments(0)