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2008年 01月 31日

三浦しをん『あやつられ文楽鑑賞』

c0155474_2323047.jpg三浦しをん『あやつられ文楽鑑賞』(ポプラ社 2007年5月) は、『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞した三浦しをんの文楽にハマったエッセイである。文楽の解説本や入門本はこれまでもいろいろ読んだのだけれど、背伸びせず、通ぶらず、好奇心マンマンで、文楽のハテナに迫る作者の筆致が実に快い。

楽屋を訪問して、燕二郎(現・燕三)、勘十郎、咲大夫に素人の素朴な質問をぶつける。
文楽人形ってけっこう重たくてそれを支えるにはかなりの指の力が必要なんだけど、勘十郎に「指の力って、どうやったらつくんですか?」「人指し指と中指で電話帳を挟んで持ちあげ、ブルブル震えがくるまで中空で維持してました」。ナルホド・・・。

襲名披露の燕三からは、超絶技巧の三味線よりも、一音で模様を奏でるほうが難しいことを聞き出し、「大リーグボール三号のようなものですよ」なんてセリフをひきだしている!

ストーリーの紹介も実にうまい。現代感覚たっぷり。たとえば、『仮名手本忠臣蔵』の「祇園一力茶」屋の段で、由良助の比喩をほめ、わかりやすい礼を紹介してくれる。仇討ちを果たしてもやりそこなっても、「どちらでも死なねばならぬ、といふは、人参呑んで首くくる様なもの」。また、足軽なのに命を捨てて仇討ちしようなんて「そりや青海苔貰ふた礼に、太々神楽を打つやうなもの」。床下で盗み聞きしていた九太夫をおかるの兄・平右衛門に引き渡すとき「加茂川で水雑炊を食らはせい」。なんとヤクザ顔負け!とうなるのである。

あるいは、「山科閑居の段」。雪の玉が何を表しているかと、由良助が力弥になぞかけする場面の二人の会話を、まるで「会社の朝礼での部長の訓示」みたいだと絶妙のたとえ。そして、いつも出てくるのが遅い由良助を、遅いぞー、用心深くて陰険だぞー、とケナすのである。

複雑にからんだ筋を上手にときほぐしつつ、「仮名手本忠臣蔵」が、決して仇討ち成功おめでとうではなく、「忠義に対する懐疑的な視点」を大切にしているホンであることを、書き留めている。

『女殺油地獄』の魅力の伝えっぷりもほれぼれしてしまう。油屋のお吉に与兵衛が金をせびる場面。お吉と与兵衛がどんなカンケイだったかを、こんなふうに語る。
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無軌道なふるまいばかりの与兵衛であるが、お吉に対しては非常に誠実である。たとえばお吉が、金を貸すのを渋り「あなたとイイ仲じゃないかという夫の疑いを晴らすのが大変だった」と言ったシーン、(略)からかって挑発しているのも、お吉のほうである。夫が留守の夜の家で、若い男と二人っきりなのだ。(略)それなのに、「夫の疑いを晴らすのが大変だったわぁ」とは、なにごとか。私が与兵衛だったら、「で、お吉さんはどうやって疑いを晴らしたんだろう」とモヤモヤムラムラしちゃうところだ。(略)ガバチョ!と押し倒してるところだ。
 え、ケダモノですか、私。でもお吉の発言は、二十三歳の若者に対して、それぐらい威力があるというか、あまりにも心ない無神経な言葉だと思うのである。意地悪だなあ、人妻は。
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ね、文楽って、現代の人間の心理とゼンゼンかわらないんだなぁ、なんてナットクしちゃうでしょ? 一方、荒唐無稽なスジや、ご都合主義なところ、理不尽なところなどは、ありえねー、って感じなので、ああ、素直にそんなふうに感情をぶつけて見てもいいのね、ミーハーでいいのね、と同じ素人鑑賞者としては、ホッとするんである。

文楽の魅力とは何か。いろいろあるけれど、物であるはずの人形が、大夫、三味線、人形と三者の力によって、命がふきこまれ、人間以上にひとの心を体現する瞬間。純度の高い悲しみと劇的高揚を覚える。その「文楽マジック」が発動するからなのだ。

同じ作者の文楽が舞台となった『仏果を得ず』も読みたいのだけれど、こちらは図書館で100人待ち。そうそ、杉山其日庵の「浄瑠璃素人講釈」(岩波文庫)も要チェック!

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この写真は、琴平町の金比羅大芝居(金丸座)。2004年DiMAGE7i F2.8 1/4秒 ISO200
こんなところで、歌舞伎を観てみたいなぁ。文楽なら京都南座にも、大阪の国立文楽劇場にも、そして内子座にも行ってみたいなぁ。

by sustena | 2008-01-31 23:16 | 読んだ本のこと | Comments(2)
2008年 01月 30日

低圧引込盤

本日は淡路町へ。奥まったところにある年季の入った家の雰囲気がすてきだったのだけれど、かんかん日和で、向こうはめちゃ日が当たっていて、手前はモロ日陰。だめだー、こんな被写体は一番苦手だ~。
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あきらめて、帰社を急ぐ道すがらに、聞き慣れない名称のものが。「J形低圧引込盤」とある。分電盤とか、配電盤とか、まるで私にはチンプンカンプン。それにしてもこの落書きはいったい・・・。引込盤だけドアップにしてみたけど、なんだかサマにならず、ひいて撮ったものをアップ。でも迫力がないわ~。
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by sustena | 2008-01-30 22:43 | GRDIIレッスン | Comments(2)
2008年 01月 29日

撮影チャンスなし

きょうは、ほとんど撮ることができなかった。
「あっ、これっ」て思うシーンがなかったのだ。午前中は会議、午後にクライアントのところに行くときも、同僚が二人一緒だったし。
というので、1枚だけ。エスカレーターを降りるとき、ホームで女のひとが二人せっせとケータイをしていて、その配置がよかった。でも、カメラをごそごそ取り出すのに時間がかかっちゃった。

たしかリコーの社長だっけ、GX100とGRデジタルを比較して、こんなふうに表現していた。GRDは切り出しナイフ。ハッと思ったときに懐から取り出して一閃、スパッと切っちゃう。一方、GX100は多機能アーミーナイフ。用途にあわせてジックリと。

わたしの愛機はナマクラか、いえ、私のウデです(;o;)
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何人かがズラッとケータイをやってるところをねらおうと思うんだけど、これがなかなか手頃なターゲットがいない。

by sustena | 2008-01-29 22:04 | GRDIIレッスン | Comments(1)
2008年 01月 28日

モノクロ2題

モノクロの気分というものがあって、どんなとき、モノクロを撮りたくなるのかよくわからない。きょうは2枚をアップ。1枚は、神宮前にあるプロダクションに行くときに、フト上を見上げたときの電線のくねくねがなんだかゲージツしてたから。下はちょびっとトリミングするほうがいいかも。
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もひとつは、勤め先のあるビルの1階でショーウィンドウの飾りつけをする人。こちらはちょっとトーンカーブをいじりました。
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先日読んだアラーキーの『写真への旅』での「一日だけの写真展」でのアラーキーのアジ演説を。
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ともかく、パーチバチ撮って、バンバン写真展をやろう。可愛い赤ちゃんを撮ったら、隣近所に見せて歩こう。回覧板があったら、それにはりつけて移動写真展にしてしまおう。七五三の写真は、郷里のおじいちゃんおばあちゃんに送るだけでなく、電話帳で住所を調べて赤の他人様にまで送ってみよう。きっと手紙がくる。それが批評というもんよ。団地だったら、掲示板にはるのもいいなあ。

(略)・・君のふみこさんの写真を定期入れに入れて、わざと校庭に落とすのよ。そうだなあ、鉄棒のあたりがリアルでいいなあ。そうすると、だれかが拾って、いろんな生徒に見せるだろ。君のところにもどってくるまでに、百人以上の生徒が見るだろうな。ちょっとカッコイイ写真展じゃない。やってみたら。

とにかく、バーチバチ撮って、バンバン他人様に見てもらうことです。写真展は、どこでも、いつでもできるのです。
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こうやってへたくそな写真をブログにアップしてるのも、写真展の一種かなあ。

by sustena | 2008-01-28 23:34 | GRDIIレッスン | Comments(0)
2008年 01月 27日

新橋演舞場「雷神不動北山櫻」

新橋演舞場の初春花形歌舞伎「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」を観た。市川海老蔵が五役を務めるという趣向で話題になった通し狂言だ。

荒事を身近で観るのは実は初めてで、観る前からワクワク。でも、ストーリーがわからないとチンプンカンプンだと悲しいかも、というので、国立劇場監修の歌舞伎公演記録集。『雷神不動北山桜』(2005年12月 ぴあ株式会社)と戸板康二の『歌舞伎十八番』(2003年8月 隅田川文庫)を読んで予習した。いやはや、なかなか込み入ったストーリーなのである。

といっても今回は、芝居の冒頭で海老蔵がストーリーの概略を説明してくれたこと。また、しかも台本もこみいった脇き筋を整理し、登場人物の性格づけをクッキリさせていたので、素人の私でも、頭に入りやすかった。

天下をのっとろうと企む早雲王子の悪巧み。お姫様の髪の毛の逆立つ奇病を、毛抜きが立ち動くことから粂寺弾正磁石のせいと推理する「毛抜」の名場面、雨の神を封じ込めた鳴神上人を、雲の絶間姫が色仕掛けで堕落させてしまう「鳴神」、早雲王子の悪事が露顕し、捕り物となるが、不動明王が登場して成敗する「不動」と、歌舞伎十八番の名場面が3つも入っている。

海老蔵は「鳴神上人」「早雲王子」「粂寺弾正」、陰陽師の「安倍清行」「不動明王」を勤める。それぞれの性格や表情、発声など、巧みに演じ分けていて、すばらしい♪ ドラクルでドラキュラを演じたときも眼の鋭さに射すくめられてしまう感じだったけど、やはり歌舞伎の大見得は実にカッコイイ。

成田山開基1070年記念で成田山新勝寺の出開帳もあって、受験生の健闘を祈ってきたのでありました。

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by sustena | 2008-01-27 11:46 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2008年 01月 27日

TAKE AND GIVE ARTSギャラリー「隠花な被写体」ほか

六本木のT&G Artsギャラリーの前を通ったら、写真展をやっていたので、フラッと入った。若いお兄ちゃんが立ち働いていて、学生さんの写真展かしらーと、順に見ていく。

モノトーンなんだけど、色みは全体的に薄くて、かそけき感じ。
ひとりの女のひとが、どこかの滝の近くの温泉宿に行って、ヌードになる。思わせぶりな道行きってわけだけど、最初は、恋人でも脱がせたのだろうかと思ったんだけど、視点が全然恋人っぽくない。とーってもきれいな女のひとだから、たぶんモデルか何か。

それにしても、ヌードなのに、なんだかゼンゼン感じない。写真ももっと湿ってていいのに、乾いてるわけじゃないけど、やたら温度が低い感じ。へたっぴじゃん。

2階は、暗い照明の中で、ベッドでのヌード。隣の部屋では、撮影シーンをつないだムービーが、ポリシートを壁に伸ばして仕立てたスクリーンに映ってる。写真はモノトーンだったけど、ムービーは時折カラーがところどころ混じって、すぐモノに変わる。チープなスクリーンで、モノもちょっとざらついた感じで、しわになったところや光線でテカッてるぶん、まだこっちのほうが写真より味わいがあるんじゃないかなぁ。

でも、同じヌードでも、アラーキーのほうが、もっと被写体のぬくもりがあるよねぇ。どこがちがうのかなー、と思いながら1階に戻ると、あれ、なんでここに紀信がいるの? ドア横をよーく見たら、篠山紀信写真展であった。ひぇ~、巨匠の作品を、下手くそな学生の写真かと思っちゃった。あわわ、バチあたりなsustena。
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きれいなモデルさん、と思ったのは、女優の小島可奈子さんでしたー(ギャラリーにおいででした)。写真展初日で、レセプションがあったみたい。

近くの別のギャラリーでは、エイズをテーマに、写真とエッセー、メッセージが。こっちの写真は体温が感じられて好き。
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by sustena | 2008-01-27 00:53 | Art/Museum | Comments(0)
2008年 01月 26日

「リスーピア」が超おもしろい!

昨日、有明にあるパナソニックセンターの「リスーピア」という、理科と数学の魅力を体感できるミュージアムを案内してもらった。ものすごぉぉぉくおもしろい!

1階は入場無料。たとえば、天秤につるされた形のちがう2つの立体で「重心とモーメント」について学んだり、4つのコースにボールをセットして、どれが一番早くゴールするかを調べる「サイクロイド曲線」など理科や数学の原理モデルが展示されている。また、アーカイブ映像を見ながら、クイズ形式で、レベル別に理科や数学の諸分野を学べるコーナーがある。
(たとえば、小町算にチャレンジ! 小町算というのは、1から9までの数字を使って、順序はそのままに、+-×÷の演算記号を入れて100をつくるもの。この記号のいくつかがブランクになっていて、正しい記号を入れるわけ)

   例)123●4-5-6-7●8-9

1階は写真を撮ってもいいものもあったので、ご紹介。

c0155474_2391747.jpg←入り口の「光の知究儀」。理科や数学の原理などを考え出した偉人を紹介するもの。年表でずらーっと出てくるとうっとおしいけど、操作盤をくるくるまわすと、地球が回って、イラストが飛び出してくる。
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→1カ所から玉を落とすと、杭にあたって、正規分布のカタチに散らばる!



↓カラーボールをどの穴から落としても、中央に集まる。放物線に対して垂直に落下した物体は、必ず焦点に向かって反射することが体感できる。なるほど、パラボラアンテナはこの原理なのね。
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圧巻は、3階のディスカバリーフロア。(中学生以下は無料、高校生300円、大人500円)。ここでは、光や音の原理をゲーム感覚で体感できるのだけれど、どの展示も、インタラクティブな工夫が見事。

たとえば、光の3原則。スクリーンに映し出された図形をお手本どおりに、手元の発射ボタンを操作して色を塗る。制限時間内に同じ色になれば合格。
あるいは「カラーチェンジングボール」のコーナーは、いろいろな色のボールの中から、指定された色のボールをゴールに入れるゲーム。途中で光線の色が変わるため、どれがその色なのかまったくわからなくなる。赤いボールが赤く見えるのは、光の中の赤い波長を反射してるからだということがリアルにわかるのだ。
5種類の厚さや形の違うレンズの中から、設問に登場する蝶や花と同じ大きさのレンズを選び、時間内にピントを調整できると、ゲームクリアとなるものも。

数学の分野では、エアホッケーの要領で素数以外の数字を打ち返すゲームや、スクリーンに写し出されたものと同じ形をつくる「ビッグタングラム」、自然界に隠された数学の法則を見つけ出す展示もあったっけ。

入口で貸し出されたPDAで、自分の見た展示を登録すると、展示ごとにわかりやすい解説があって「ナルホド~」とナットクできる。たとえばカラーチェンジングボールの解説はこんな具合。

  太陽の光のなかには、じつは たくさんの色がまじっています。
  赤色のボールは赤い光をはねかえします。わたしたちは、
  はねかえった赤い光の色を見て赤い色を かんじています。
  だから赤いボールも赤い光が当たらなければ、 赤い色には見えなくなってしまいます。

こんなふうに、きわめて理解しやすい文章で、わかりやすいイラストとともに説明されるのだ。そして、身近な例として、こんな解説も。

  わたしたちのまわりには、色のはたらきをうまく利用しているものがあります。
  たとえば、食品売り場では、赤い色が少し強いライトで商品をてらしています。
  このライトの光だと 食べものが色あざやかに、とても きれいに見えます。
  ちがう色のライトをあてると、ものの見え方がかわります。
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出口ではPDAにセットされたカードをもらえる。カードに記載されたログインIDパスワードで、自宅に帰ってからも、展示のくわしい解説を見て復習できる。すごい♪
(そうそう、出口では、記念写真も撮れる。それも、webで見ることができる。こんな感じ)

これまで見た中でもピカいちのおもしろさ。別のアポイントがあったので、途中で泣く泣く切り上げたけど、こどもはもちろん、大人にも超オススメ。

by sustena | 2008-01-26 22:46 | Art/Museum | Comments(0)
2008年 01月 25日

荒木経惟『写真への旅』

c0155474_065739.jpg荒木経惟の『写真への旅』(光文社文庫 2007年5月)を読む。これは、昭和50年(1975年)、「アサヒカメラ」に連載された「荒木経惟の実戦写真教室」をまとめ『現代カメラ新書13 写真への旅』(1976年5月朝日ソノラマ)として刊行されたフォトエッセイを再編集したもの。

アラーキーはまだ30代半ば。日本全国の写真愛好会のメンバーを生徒に、倉敷、ヒロシマ、神戸、山陰、(もちろん東京も)へと旅をする。彼らを相手に、写真にとっていちばん大切なのは何かをアラーキー節で自在に語るのだ。

曰く、「自分とは関係ない人物や風景をじょうずに作品ぽく撮ることがプロフェッショナルに近いとでも思っているのだろうか」と。「私現実」から始めよ、とひたすらに説きつづける。

月例コンテストのための写真を撮るために、村へ村へ、祭りへ祭りへとあくせく出かける。そんな、老化しつつある集団影法師を救済するための教科書としてアラーキーが挙げるのは、『庶民のアルバム明治・大正・昭和「わが家のこの一枚」総集編』なのだ。それこそが写真の原点を教えてくれる。写真論で頭でっかちになっていてはダメ。リアリティから出発せよ、というわけだ。

また、「世間を構図で見てしまっている写真家の動脈硬化をふせぐのに役立つ写真修業術」として「股右エ門撮影術」を紹介する。なんのことはない、股の間から撮影する術。「この修業を毎朝1年間つづけると、肉体の硬化をもふせぐことができる」というんである!

「自分にはまったく才能がない、才能があるのは世間様だと信じて、感じたモノをバーチバチ撮りに撮り」まくること。そして「自分が撮りに撮りまくったへたくそな写真を、くりかえしつりかえし見ること。その中には自分の『私性』が必ずあるはずである」。その見つけ出した「私眼」を信じて、また撮って撮って撮りまくれ。

アラーキーのコトバがすごく熱い。

先日読んだアラーキーの『写真ノ話』(白水社 2005年10月)よりずっーとおもしろかった。

(こちらは、3部構成で、1部はラジオ放送でのアラーキーのトークを5話収録したもの。2部は電通の社員をやっていたころから独立して、いろいろな写真を撮り、陽子さんをなくし、最近の日本人の顔を撮るまで、40年間の写真をまとめた「ARAKI by ARAKI」の写真をたどりながら、写真人生を語ったもの。第3部は和多田進によるドキュメンタリーについてのロングインタビュー。この本をいまいちと感じたのは、知ってる話ばかりだったから。でも、写真集をみて、アラーキーがどんな人か知りたいッて向きには手頃な1冊かもしれない)

下の写真は、強風がビュンビュン、おそろしく寒かった幕張で。なにしろ、ビジネスマンが、風をまともに浴びないように、歩道橋を後ろ向きになって(しかもケータイで話しながら)、歩いてたぐらいだ。寒そうな感じはぜんぜん出せてないんだけど。なんかガラーンとした街なんだよね。
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by sustena | 2008-01-25 00:07 | 読んだ本のこと | Comments(0)
2008年 01月 23日

東京に雪の降った日

朝起きたら、雪がちらほら。2年ぶりの雪!
このぶんだと、うっすらと白くなって、すぐ解けてしまうかな。ああ、きょうが休日だったら……とうらめしい。カメラをコートの下に吊るして、ほんの少し早めに家を出る。

こどもたちが通学するところ。きょうはバスに乗るために、小学校とは逆の方向に歩いたので、あまりこどもがいなかった。
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出がけはけっこう雪が激しくって、カメラが濡れるとイヤなので、傘のかげから大急ぎで1枚。たぶん白い透明なビニール傘のほうがいいんだろうけど。
電車の窓から撮ろうと思ったけど、吐く息でガラスが曇っていてあきらめる。
というわけで、乗換駅で1枚。
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歌壇の白い花がきれいだったので、マクロでえいや。ホワイトバランスや露出は?と気になったけど、まーいいやとプログラムオートで。
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地下鉄から地上に出たとき、傘の集団が。それを撮りたかったのに、間に合わなくて、残念至極。かわりに、傘を持って急ぎ足で行く人を撮ってはみたけど、なんだかなー。このころには、もう雪から半分雨になっていて、あーあ、あっけない東京の初雪。
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by sustena | 2008-01-23 22:10 | GRDIIレッスン | Comments(4)
2008年 01月 21日

INAXギャラリー「バードハウス展」

きょう、プレゼンテーションの帰り道、INAXギャラリーの前を通りかかったのでフラッと入る。「小鳥を呼ぶ家~バードハウス展」と、カンナ屑のような土を固めたオブジェをつくっている服部真紀子展(写真で紹介できないのが残念!)、「白い眺め」と題した中岡真珠美展をやっていた。中岡さんの作品も撮影禁止で、言葉で説明してもまったくイメージがわかないと思うけど、キャンバスにアクリルと油彩、樹脂塗料で描いた白が印象的なアート。たとえていえば、白っぽいソラリゼーションの写真に薄いオレンジのリキテックスを流したような味わい。
そこで、各国のバードハウスやこどもたちの作品がかわいらしかったバードハウス展の写真を1枚アップ。(手ブレご容赦)
アメリカでは、バードハウスの役目を終えたあとでも、ずっと大切にとっておいて、お嫁入り道具に持っていったりもするんだって。ナンバープレートを屋根にしたものとか、いろいろなカタチのものがあって、これが木々にちょこんとあるシーンを想像するだけで、ココロが広がる感じがする。
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by sustena | 2008-01-21 21:41 | Art/Museum | Comments(0)