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カテゴリ:Art/Museum( 435 )


2016年 04月 27日

ギヤノンと銀座ニコンサロン、2つの写真展

4月最終週に、銀座のキヤノンギャラリーと、ニコンサロン2つの写真展を見た。

キヤノンギャラリーで開催されていたのは、池上諭さんの「Banana Peel New York」。2014年1月にニューヨークを訪れたとき、「古びた工場の片隅に食べ捨てられたバナナの皮に向けてシャッターを切った瞬間、このアメリカ滞在中で探していたものが見つかったような気がした」とのことで、ニューヨークと聞いて私たちが思い浮かべる風景とはまるで違って、乾いた短編小説の舞台のよう。

銀座ニコンサロンの写真展は、バングラデシュの首都・ダッカ。そこで暮らす人々の汗や体温が伝わってくるような写真で、じとーっと湿ってて、ムンムンしてる。うん、まるで逆でしたね。
モノクロとカラーがまじってるんだけど、モノクロの写真を見てると、半世紀前もこんなだったんだろうなーって思っちゃう。写真家は山内 道雄さん。第35回土門拳賞受賞作品展1こちらは5月10日まで。
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by sustena | 2016-04-27 09:26 | Art/Museum | Comments(0)
2016年 04月 23日

萩尾望都SF原画展

c0155474_19191958.jpg武蔵野市立吉祥寺美術館で、「萩尾望都SF原画展 宇宙にあそび、異世界にはばたく」を開催中だ。

最近、美術館が漫画家の展覧会を開いているけれど、萩尾望都とは、おお、なつかしい名前!と散歩がてら出かけてきた。なんたって入場料が100円♪

萩尾望都は竹宮惠子、大島弓子、山岸凉子、樹村みのりら、1970年代に少女マンガの隆盛をひっぱってきた花の24年組の一人。手塚治虫に魅了され、漫画家を志し、1969年に『ルルとミミ』でデビュー。『ポーの一族』や『トーマの心臓』、『11人いる』など、せっせと読んだけれど、80年代以降はマンガそのものに接する機会がほとんどなくなって、野田秀樹と『半神』を共同で舞台化したといううわさを聞いて、ああまだ活躍してるんだなーごくたまに思い出すぐらいだった。

今回は、萩尾望都の200点を超える原画やカラーイラストが並んでて、そのきれいな線にあらためてびっくり。
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100円の入場料で、銅版画の浜口陽三記念室と木版画の萩原英雄記念室の展示も見ることができるのだが、うなったのが、萩原英雄の「ギリシャ神話への眼差し」の展示。ギリシャ神話シリーズは、1956年(昭和31年)から10年の歳月をかけて生み出された全40点のシリーズで、40代のころのいちばん油ののってるころの作品じゃないかなぁ。白黒のダイナミックな構図、女神などの白い肌、ピカソをちょこっと連想しちゃった。

このシリーズを見るだけでも行く価値があるよ。
 

by sustena | 2016-04-23 19:44 | Art/Museum | Comments(5)
2016年 04月 07日

シャネル・ネクサス・ホール『コンデナスト社のファッション写真でみる100年』

銀座のシャネル・ネクサス・ホールで『コンデナスト社のファッション写真でみる100年』という写真展をやっている。

コンデナスト社というのは、『VOGUE』や『VANITY FAIR』をはじめ、、100年以上にわたって、世界のファッションをリードするファッション誌を発行していた出版社で、当初、ファッションイラストでスタートした最新モードの紹介が、写真の発展とともに、名だたる写真家を起用して、ファッション写真という一大ジャンルを築き上げ,数々の傑作を世に送りだしてきた。

この写真展では、ニューヨーク、パリ、ロンドンおよびミラノのコンデナスト社のアーカイブから(なんと、NYに700万、ロンドンに100万ものアーカイブがあるという!)、エドワード・スタイケン、ホルスト P ホルスト、アーウィン ブルーメンフェルド、ギイ ブルダン、ヘルムート ニュートン、ブルース ウェーバー、ピーター リンドバーグ、ティム ウォーカーらのオリジナルプリントを展示(ダイアン・アーバスもあったよ)。ことに、彼らの駆け出しの頃の写真も登場し、ファッション写真で大胆でオリジナルな世界観を表現することで、自らの写真家の道を歩み、揺るぎないものとしていったこともうかがえるのだった。

プリントの美しさには、ほんと、ほれぼれしちゃう。展覧会の会場構成もすてき。キュレーシションは、ナタリー・ヘルシュドルファー。

その後、3月末にオープンしたばかりの、数寄屋橋の東急プラザ銀座に出向く。時間がなかったので、1~3階の三菱のショールーム「METoA Ginza」と、3-5階ののセレクトショップと6階のキリコラウンジをチラ見してきただけ。

エレベータからショールーム側を見る。
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64面のマルチディスプレイでは、映像作品が流れていた。
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インタラクティブに楽しめるデジタルサイネージや花びらの舞うオブジェ。手をかざすと、花びらがピンクに染まるのである。ま、よくあるパターンです。
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数寄屋橋交差点を見下ろす。本日は雨。
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キリコラウンジでは、舘鼻則孝、上出惠悟、高橋理子の3人のアーティストによる、「伝統と革新」を表現したアート作品が展示されていたんだけど、ちょっとなんだかなー、なのだった。というわけで、ラウンジ風景。
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by sustena | 2016-04-07 22:20 | Art/Museum | Comments(4)
2016年 03月 18日

宮嶋 康彦写真展「地名-妣(はは)の國から」

午前中に会社で一仕事終えて、近くのニコンサロンへ。ちょうど宮嶋康彦さんの写真展をやっていた。タイトルは、「地名」、ちめいではなく、ちなと読ませる、

地名は長らく、その地の歴史や文化を彷彿とさせる豊かな響きに包まれていたが、市町村合併があちこちで始まり、南アルプス市とか四国中央市といった、単に記号にしかならないような薄っぺらなものが増えてしまった。

宮嶋さんは2006年ころから、各地の心ひかれる地名を旅してきたという。古い土地の名前が消滅していくことへの危機感もあったとのこと。

そんななかで、出雲や石見、因幡、伯耆、隠岐は、まさしくここが「妣の國」だと感じられた。記紀神話を背景にした地名や日本人の心性が表れている地名が数多く残っていて、地名を詩のように感じるようになったのだという。

今回の展覧会では、そんな鳥取と島根のゆかしい地域の風景を背景に、その地域にすむ女性(老婆も、母子も、妊娠中の女性も、中学生もいた)たちのポートレートが並ぶ。プリントしたのは、宮嶋さんが原料の楮を育て、自分で漉いた和紙。それにプラチナプリントしているのだが、モデルのファッションはたしかにいまなのだが、明治や大正の写真のように、古びた味わいがある。前を向いた写真ばかりではなく、舌を向き、目を閉じているものも多かった。でもみんなゆったりした気持ちでいる。(人の写っていない写真も数枚あった)。どの写真にも、そこの地名が筆書され、他に郵便番号、北緯と東経が記されている。

地名を挙げてみよう。

多伎、阿用、赤埼、飯梨、道笑、豊成、十六島(うっぷるい と読む。出雲市にある)、根雨、泊、亀嵩、雲山、湯山、大社、阿宮、中垣内、紙祖、吉佐、彦名、神庭谷、国府、白兎、斐川、両三柳、武志、土下(はした)、母衣、鈩戸(たたらど)、父原・・・・

この写真の中では時間がゆっくり流れている。そんな気がした。
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by sustena | 2016-03-18 14:54 | Art/Museum | Comments(0)
2016年 03月 13日

第10回 shiseido art egg その2 GABOMI.展

資生堂ギャラリーで「第10回shiseido art egg」の第二弾、「GABOMI.展」を開催中で、リピーターズカードでスタンプを3個ゲットしたらもらえるマグネットがほしくて、さっそく出かけてきた。

今回のGABOMIさんは、1978年生まれ。
2008年から独学で写真で表現してるとのことで、GABOMIさんの考案した、TELENSで撮られた作品が実にきれいなのだ!

ちなみに、TELENS=手レンズは2011年に編み出した撮影技法で、市販のレンズのかわりに自分の手を使い、手で光を調節することで、独自のイメージをつくり出す。手の皮膚の血流が透けて赤色が写り込んだりもするんだそうな。

NO LENS というシリーズでは、カメラレンズを外して、完全なアウトフォーカスで草花やアスファルトなどをマクロ撮影し、被写体の色を抽出。色見本のようでありながら、微妙なトーンの違いがあって、すごくきれい。不思議な色を味わう展覧会。
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下の写真は、art eggとは関係なくて、資生堂ビルの壁面の小さなスペースのもの。
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by sustena | 2016-03-13 15:20 | Art/Museum | Comments(0)
2016年 03月 10日

横浜美術館「村上隆のスーパーフラット・コレクション」

c0155474_22492951.jpg横浜美術館で開催中の「村上隆のスーパーフラット・コレクション」。そのコレクションの幅の広さや質の高さ、バリエーションがすさまじくて、めちゃおもしろい。いったいこんなにたくさんのものを、いつもはどこに保管してるんだー?

今回展示されたのは、約5,000点以上にも及ぶ村上隆の美術コレクションのうち約1,100点だという。小さな美術館なんて、もう負けちゃうなー

曾我蕭白や白隠、仙厓義梵、縄文土器や弥生土器、李朝のツボや古九谷、備前や 魯山人の焼きものやコレクション、イギリスやアメリカのスリップウエア、漱石の書簡もあれば、田中一村のしっとりした「梨花」の絵もあるし、井上有一の和紙にコンテで書いた「よたかの星」の一節や「魚行水濁」の文字。
日本で初めてユネスコの記憶遺産に登録された山本作兵衛の「明治仕操方」もあったし
李朝の団扇やマス、手つき鍋などの日常の道具のたたずまいの美しさ、日本のいつの時代のものなのかわからないけれど、雑巾が2枚、ネル?のサイズ違いのコーヒーフィルターが展示されていたり。
アウトサイダーアートのヘンリー・ダーガ―や、奈良美智の作品もいっぱいあったし、現代アート・・・・・・。目に付いたもの、気に入ったものは、とことんゲットしたくなって、自分でも収拾がつかなくなったんじゃないかしらん、と思えるほど。

5つのパートに分かれてた。

■彫刻の庭

美術館エントランスのグランドギャラリーに、アンゼルム・キーファー/マウリツィオ・カテラン/グレイソン・ペリー/マルティン・ホナートらの作品でまず度胆を抜かれる

■日本・用・美
東洋陶磁や近代陶芸、江戸期の絵画が並ぶ。生活の中の美を探るコーナー

■村上隆の脳内世界

福助人形やボリビアの儀式で使う木杯、ネパールのお経、アンティーク家具や陶製のビールジョッキ、ペタンク、グラフィックアートなど、時代や地域をごたまぜに、「玉石混交」「ノーロジック」に並べた、村上隆の脳のカオスを体験するような空間。これ自体がインスタレーションという感じ

■スタディルーム&ファクトリー

部屋の中央にはだかの像が立っていて、イーゼルがあって、鑑賞者が自由にスケッチしたものを展示した参加型の空間。みんなけっこう上手なのにびっくりー
ミカ・ロッテンバーグの母貝から取り出した真珠をひたすら選別するアジアの女性たちと、花の匂いを嗅ぎながらくしゃみをするたびに鼻からパスタが飛び出す西洋の女性を対比させた映像作品がおもしろかった。

■1950-2015

1950年代から現在までの国内外のアート作品がずらり。アラーキーや篠山紀信、畠山直哉の写真や、大竹伸朗、ガブリエル・オロスコ・・。竹熊健太郎の「JR中央線夢のトーマス化計画とは何か」には笑っちゃった。キム・ジュンギの≪宴会≫≪すし屋での昼食≫に感動。なんてすごいデッサン力なんだー
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キハチでお昼。上品な味つけ。
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by sustena | 2016-03-10 17:04 | Art/Museum | Comments(4)
2016年 03月 06日

アニー・リーボヴィッツ展 「WOMEN : New Portraits」

東雲のTOLOTで、写真家アニー・リーボヴィッツの新作肖像写真展「WOMEN:New Portraits」を開催中というので出かけてきた。

アニー・リーボヴィッツは、1970年代初めにローリングストーン誌の写真ジャーナリストとしてキャリアをスタート。「Vanity Fair」や「Vogue」などのファッション誌でも活躍し、アメリカの名だたるアーティストや俳優、アスリート、政治家などを撮影してきたひと。撃たれるほんのちょっと前に撮ったジョン・レノンとオノ・ヨーコのベベッド・シーンなどは超有名。
アニーの撮ったパティ・スミスの写真が大好きで、何年か前に公開されたアニーの映画なども見ているんだけど、オリジナル・プリントは見たことがなかったので遠征したのだ。

今回は、UBSがスポンサードした世界巡回展で、1999年に出版された「Women」の延長上のライフワークとして、その後彼女が撮った女性たち──マララさんやアウンサンスーチー、バレエダンサーのミスティ・コープランド、人類学者のジェーン・グドール、映画監督のローラ・ポイトラス、元五輪金メダリスト ブルース・ジェンナーをはじめ、アーティストやミュージシャン、映画監督、経営者、政治家、作家、慈善活動家など、世界各地の現代を生きる女性のポートレートを紹介したもの。

この新作とあわせて、アニーと家族、ジョンとヨーコやスーザン・ソンタグ、メリル・ストリープなど、彼女の名前を世界に知らしめた写真が展示されていたんだけど、思いのほか写真が小さくて、しかも新作は壁に3列にあまり空間の余裕がないかたちで並んでて、さらに、被写体の説明がまた小さい文字で1カ所に集まっていて、ひとが一人見ているだけでもう解説の文章には近寄れないので、はっきり言ってめちゃ見にくかった。

かわりに、正面と右横のスクリーンに、Womenシリーズのポートレートが次々に映し出されるんだけど、どんな写真かはわかるけど、写真のプリントのなまめかしさはなくって、これじゃぁ写真展としてはちょっとね・・・・と思ったことだった。(左横はエリザベス女王の写真の映像だけど、こちらはずっと映し出されたまま)

それよりよかったのは、何年か前に9000部限定で発売された、50x69cm、476ページの超巨大な写真集( 重さはなんと26kg) を閲覧できたこと。
アニー・リーボヴィッツが40年以上にわたって撮り続けてきたなかから、約250枚を選んだもので、レオナルド・ディカプリオやレディ・ガガ、ミック・ジャガーをはじめ、パティ・スミスやローリー・アンダーソンやもうきらびやかなスターがいっぱい。パラマウント映画90周年の集合写真などもあったなぁ。
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会場へと上がる階段のところの照明? アート?
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このあたりは、ロジ関連の倉庫なとも多い。
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会員制のコミュニティサイクル。順調なのかな・・・?
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りんかい線のホームに、セキレイが。
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by sustena | 2016-03-06 23:36 | Art/Museum | Comments(2)
2016年 02月 22日

シャルル・フレジェ展「YÔKAÏNOSHIMA」

銀座メゾンエルメス フォーラムで、3日前からフランスの写真家、シャルル・フレジェの展覧会「YÔKAÏNOSHIMA」が開かれている。

シャルル・フレジェは、1975年、フランス、ブルージュ生まれ。世界各地の民族衣装や儀式、祭礼のためのコスチュームなどをシリーズで撮影している写真家で、 ヨーロッパ各地の伝統的な祝祭の儀式に登場する「獣人(WILDERMANN)」シリーズや、ブルターニュ地方のレースの頭飾りをつけた女性たちを撮影した『BRETONNES(ブルトンヌ)』シリーズが有名。※ちなみに、「BRETONNES」の写真も恵比寿のMEMで開催中。


今回の展覧会では、フレジェは沖縄や鹿児島、福岡、愛媛、佐渡、宮城、岩手など日本列島58ヶ所を取材し、その地の仮面や祭りで登場する獣や神、鬼たちの姿を、彼らが生まれた森や海などを背景に撮影。日本の多様で豊穣な精神を浮かび上がらせる。

会場構成を担当したのは、松島潤平建築設計事務所を主宰する1979年生まれの松島さんだ(育良保育園などが有名)。
起伏の多い日本のランドスケープをなぞって、「農耕」「島」「海」「洞窟」などのシーンで展示を構成。観賞する私たちは、両脇にグレーのウレタンフォームの法面と、写真が並ぶ坂道をのぼり、回遊しながら、日本の各地を旅していく。

会場奥の部屋では、「Winter」をテーマに。壁面にずらりと、ナマハゲをはじめ日本各地の歳神さま、もう片面には、ヨーロッパのワイルドマンが並ぶ。毛でおおわれたクマなど、日本と欧州で似ているものがいくつもあるのはとても興味深い。

カラフルな色合い、神々や動物のひょうきんな表情、あるいは、ダイナミックな造形など、どれもおもしろかった!
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by sustena | 2016-02-22 14:00 | Art/Museum | Comments(2)
2016年 02月 18日

TIMESCAPES 2016 – 無限旋律 2016 –  広川泰士

西巣鴨にある大正大学のESPACE KUU 空で、「TIMESCAPES 2016 – 無限旋律 2016 –  広川泰士」と題した写真展が開催されている。
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広川さんは1950年神奈川県生まれ。2002年に出版された「TIMESCAPES」では、世界中の砂漠に赴き、8×10インチの大型カメラを据え、広大無辺の静けさの中で、星ぼしの時間を見つめるような写真を見せてくれた。昨年は、その手法で富士山を撮影したという。この写真展では、1994年の青森県仏ヶ浦から始まり、モンゴルのゴビ砂漠、ナミビアのスピッツコップ、エジプト・シナイ半島のジェベル・ムーサ(モーゼの山)、チリ・アタカマ砂漠の月の谷、アメリカ・ユタ州のカテドラルバレー、そして2015年の富士山と広川さんの20余年に及ぶ「TIME SCAPES」プロジェクトを代表する10枚が展示されている。あわせて、2014年の≪月齢 Time and Tide - moon's age≫と題した映像作品が流れている。


    広川氏の写真には、ニュートンが感じていたに違いない幾何学と神秘がある。
    大地はどうしてこんなにも入り組んだ形をしており、
    星はどうしてあのような整数的な動きをするのだろう。
   そして、それが同じ法則で連動していることへの驚きが、ここにはある。

展示に添えられた坂本龍一のメッセージに、ナルホド、と思ったことだった。


広川さんはこんなふうに記す

    地表に露出している
    悠久の時の創造物である巨大な岩の造形に魅了され、
    畏敬の念を強く持ちながら、砂漠に足が向かうようになった。
    
    やがて、何十億年かけて形造られ、存在している岩山と、
    何十億光年をかけて地球に届く星の光を、
    同時に見たいと考えるようになった。
    それから一枚のネガに昼夜の時を重ね
    時の記憶を写す作業を続けている。
    
    見渡す限り、無限とも思える静寂な広がりの中に、
    幾昼夜も身を置いていると、時空を超え、生死の境目も超え、
    星や砂や風に溶けていくような気分になる

会場では静かにBGMが流れ、暗く落ち着いた雰囲気。
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by sustena | 2016-02-18 15:48 | Art/Museum | Comments(2)
2016年 02月 08日

「第10回 shiseido art egg」川久保ジョイ展Fall

新進アーティストを対象に、資生堂ギャラリーを発表の場として提供する「アートエッグ展」が、今年も始まった。
10回目の今回は、全国から370件の応募があり、その8割が20代~30代の若手だったとのこと。3人のアーティストが選ばれ、最初が1979年トレド生まれの川久保ジョイさん。

川久保さんは、写真、映像、光や音などを用いて世界をとらえるインスタレーションを制作するひとで、金融トレーダーとして働いた経験の持ち主なのだとか。「日常生活の中に自分なりの原理を見出し、そのロジックを試す」という点において、トレーダーとアーティストは似ている」と語っているそうだが、その言葉をあらわすように、展示室に入るやまず目に飛び込んでくる≪ダイダロスの滝/落命≫≪イカロスの落水/水落≫と題する2点の作品は、友人のトレーダーに日本の経済見通しを予測してもらった作品で、前者が日本の長期金利(10年物国債の金利)を、後者が米ドル/円相場の、それぞれ過去20年と未来20年を予測したグラフを、壁一面をに描いたもの(壁を削ったのだとか)。それがまるで滝のよう!

≪千の太陽の光が一時に天空に輝きを放ったならば≫と題されたインスタレーションは3点。写真撮影用の8×10インチの銀塩フィルムを福島の土の中に埋め、数か月後に取り出し引き延ばした作品。それぞれ、放射線量によって色が違うのだが、淡く実にきれいな色だった。

もうひとつ興味深かったのが、≪The God of the Labyrinth 迷宮の神≫という映像サウンド作品。ボルヘスの『ハーバートクェインの作品の検討』という短編作品の文字の順番をシャッフルして新たな物語を創り出し、画面では英語、ヘッドホンの左耳からは日本語、右耳からはスペイン語でナレーションが流れる。人類滅亡後に、星を人類の居住地にするために探査を行うという話なんだけど、3つの言語がぐるぐる頭の中でまわって、クラクラしてしまった。

写真は、この展示とはまるで関係がない。会社近くのショーウィンドウ。いつも靴やカバンを、別のものに見立てて表現してる。前回は、食卓で、靴が料理のひとつだった。

今回は宇宙遊泳?
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by sustena | 2016-02-08 21:02 | Art/Museum | Comments(2)