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カテゴリ:Art/Museum( 426 )


2016年 02月 08日

「第10回 shiseido art egg」川久保ジョイ展Fall

新進アーティストを対象に、資生堂ギャラリーを発表の場として提供する「アートエッグ展」が、今年も始まった。
10回目の今回は、全国から370件の応募があり、その8割が20代~30代の若手だったとのこと。3人のアーティストが選ばれ、最初が1979年トレド生まれの川久保ジョイさん。

川久保さんは、写真、映像、光や音などを用いて世界をとらえるインスタレーションを制作するひとで、金融トレーダーとして働いた経験の持ち主なのだとか。「日常生活の中に自分なりの原理を見出し、そのロジックを試す」という点において、トレーダーとアーティストは似ている」と語っているそうだが、その言葉をあらわすように、展示室に入るやまず目に飛び込んでくる≪ダイダロスの滝/落命≫≪イカロスの落水/水落≫と題する2点の作品は、友人のトレーダーに日本の経済見通しを予測してもらった作品で、前者が日本の長期金利(10年物国債の金利)を、後者が米ドル/円相場の、それぞれ過去20年と未来20年を予測したグラフを、壁一面をに描いたもの(壁を削ったのだとか)。それがまるで滝のよう!

≪千の太陽の光が一時に天空に輝きを放ったならば≫と題されたインスタレーションは3点。写真撮影用の8×10インチの銀塩フィルムを福島の土の中に埋め、数か月後に取り出し引き延ばした作品。それぞれ、放射線量によって色が違うのだが、淡く実にきれいな色だった。

もうひとつ興味深かったのが、≪The God of the Labyrinth 迷宮の神≫という映像サウンド作品。ボルヘスの『ハーバートクェインの作品の検討』という短編作品の文字の順番をシャッフルして新たな物語を創り出し、画面では英語、ヘッドホンの左耳からは日本語、右耳からはスペイン語でナレーションが流れる。人類滅亡後に、星を人類の居住地にするために探査を行うという話なんだけど、3つの言語がぐるぐる頭の中でまわって、クラクラしてしまった。

写真は、この展示とはまるで関係がない。会社近くのショーウィンドウ。いつも靴やカバンを、別のものに見立てて表現してる。前回は、食卓で、靴が料理のひとつだった。

今回は宇宙遊泳?
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by sustena | 2016-02-08 21:02 | Art/Museum | Comments(2)
2016年 02月 06日

野町和嘉「天空の渚」

竹芝駅近くのGallery 916で開催中の、野町和嘉さんの写真展「天空の渚」がすばらしい。

野町さんが2015年に訪れた、メキシコ、ボリビア、チリ、アルゼンチンの写真が並ぶ。
天空の鏡となった雨期のウユニ塩原、青く輝くアルゼンチンのペリト・モレノ氷河、その手の切れそうな氷河が崩落した断面、6000年間に及ぶ波の侵食により生み出されたパタゴニアのマーブル・ケープ、異国の地で朽ちていった船、山々を遠くに望むボリビアの夜景、いったいどこの惑星の奇景かしらと思ってしまうボリビア・アルティプラノの浸食された砂の堆積層、彫刻が実に見事なメキシコ・プエブラのサンタマリア教会の天井・・・・・

息をのむ絶景が、ちょうど駅張りの大きなポスターぐらいの大きさで、見る者に迫ってくるのだ。近づくと、一つ一つの石の粒までもがくっきりはっきり、ディテールがおそろしいまでによくわかる(写真集では到底こうはいかない)。5060万画素ってすごっ。

しかも、写真がギャラリーの空間と見事にマッチしているのだった。

別室ではエチオピアの写真もあった。野町さんの写真を見るたび、いつも旅に出たい、知らないところを見てみたいという気にさせられるのだけれど、今回はひたすら写真に圧倒されてしまった。

こんな案内写真を見たら、これだけで、行くっきゃない、って思ってしまう。
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この建物の6階にギャラリーはあります。
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入口から見ると
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窓の色や床に思わずうっとり。
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すわって写真集を眺めていると、ゆったり時間が流れていく感じ。
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展示室の外にも椅子やテーブルがあります。
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by sustena | 2016-02-06 16:53 | Art/Museum | Comments(0)
2016年 01月 30日

三好和義写真展「室生寺 十二神将」

昼休みにノエビア銀座ギャラリーの前を通ったら、 三好和義さんの「室生寺 十二神将」と題した写真展をやっていた。副題に、「土門拳に捧ぐ」とある。

土門拳の室生寺といったら、あの1枚を撮るのに何時間も粘る土門のエピソードがてんこもりで、仏さまたちも鬼気せまる感じ、またはひたすら静寂の中に身を置いている、といったふうなんだけど、写真家が違うとこんなにものびやかなのかなぁと驚いてしまう。
もっとも、今回展示されていたのは、三好が撮った室生寺の写真の中の、薬師如来を守護する12体の武神「十二神将」。なので、それぞれの武神によって性格も違うし、格の高い薬師如来とはもともとちょっと違うのかも。

こうした12神だと、どうしても自分の干支の動物を眺めて、それから他の武神たちと比べちゃうんだけど、酉の像など光を受けて明るかったなー。それぞれの表情が興味深いですー
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by sustena | 2016-01-30 17:37 | Art/Museum | Comments(0)
2016年 01月 28日

ENKI BILAL INBOX

銀座のシャネル・ネクサスホールで「ENKI BILAL INBOX」展を開催中だ。

エンキ・ビラルはフランスの漫画バンド・デシネ界を代表するクリエイターで、1951年旧ユーゴスラヴィアのベオグラード生まれ。10歳の時にイッパでパリに移住し、バンド・デシネを読み漁り、フランス語の響きに魅せられ、バンド・デシネ作家として1972年にデビューしたという。

その圧倒的な画力と、強烈なインパクトのあるSF作品で人気を博し映画界にも影響を与えたといわれる。日本でも『ニコポル三部作』、『モンスター [完全版]』、『ルーヴルの亡霊たち』などが出版されているから、ファンだという人も多いのではないかしらん。

最近では漫画にとどまらず、絵画、映画、舞台へとその領域を広げ、2015年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展では、インスタレーション「INBOX」を発表し話題になった。

日本で初めてとなる今回の個展はその『INBOX』が再現されるほか、富士山を浮遊する男女とサメなどをモチーフにした描きおろしの作品も展示されている。

孤高でユニセックス的なキャラクターが、なんともシャネルでの展示に合ってるのだった。こういう作品が1枚ほしいなー。でもクールな部屋でないと似合わないよねぇ・・・
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by sustena | 2016-01-28 20:20 | Art/Museum | Comments(2)
2016年 01月 28日

リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展

渋谷のBunkamuraで開催中の「英国の夢 ラファエル前派展」の内覧会のチケットをゲットしたので見てきた。内覧会のくせに混んでる~

ラファエル前派の名前を始めて知ったのは、大学の寮にいた時。ダンテ・ガブリエル・リオセッティを研究テーマにしている先輩がいて、美しい女の人の絵だなーと思ったのが初めてで、その後一人旅でぶらついたヨーロッパで、ロセッティ、ミレイ、ハントらの絵をパラパラと見たものの、きれいだけど平凡だなーぐらいのイメージしか抱かなかった。

今回。リバプール国立美術館(リバプール市内及び近郊の3美術館などの総称)から集まった65点を順に眺めて、こんなふうに象徴主義の先駆となっていったのね、とよくわかるのだった。

リバプールというのは、19世紀中頃にラファエル前派が結成されたまちで、当時、造船業が栄え、各種工業製品を輸出する有数の港町として栄えていて、財をなした人たちが美術館を建てたり、美術品を買い集めたのだ。

この展覧会では、ラファエル前派が結成されてから後世に引き継がれるまで、4つのパートで紹介されたいた。

第一章「ヴィクトリア朝のロマン主義者たち」
ラファエル前派のメンバーとして活躍したミレイやロセッティ、ハントの代表作を中心に紹介。古典的絵画の規範だった、ルネサンスの巨匠ラファエロ以前の絵画への回帰を唱え、自然描写を追求したので、ラファエル「前派」。
ロセッティの≪パンドラ≫が色っぽいの。

第二章「古代世界を描いた画家たち」
ローレンス・アルマ=タデマらの、古代ギリシャやローマの要素を盛り込んだ絵画作品。
フレデリック・レイトンの≪エレジー≫、チャールズ・エドワード・ペルジーニの≪シャクヤクの花≫。花弁の質感を同じように優雅にふくらむドレスの質感。

第三章「戸外の情景」
19世紀半ばに都市の人口が農村を上回ったイギリスで、田園の暮らしに憧れるようになり風景がが発達。
第四章「19世紀後期の象徴主義者たち」
エドワード・バーン=ジョーンズが率いた「ラファエル前派第二世代」や、ラファエル前派最大の復興者ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスなどラファエル前派に影響を受けた画家たちの作品。
ワッツの≪十字架のマグダラのマリア≫の表情、そのなまめかしさときたらない。
3月6日まで。
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by sustena | 2016-01-28 16:04 | Art/Museum | Comments(2)
2016年 01月 09日

石川直樹「まれびと」

銀座キヤノンギャラリーで、石川直樹の写真展をやっていた。

まれびと、というのは民俗学などで出て来る用語で、その土地に訪れる異形の神のこと。日本の各地にはそういった“来訪神”を迎える儀礼が数多く残されていて、石川は、そういった土地を、日本列島の北から南まで10年かけて訪れ、撮影してきた。

土田ヒロミの用意万端、画面のすみずみまで気を配ったような写真と違って、コンデジで、ぱしゃ、と撮ったような、どこにピンとがあってんのじゃ、こりゃ、といった写真も含まれているのだけれど、石川の興味はそんな写真の完成度では全然なくて、展覧会の惹句を借りるなら「仮面の祭祀儀礼をたどりながら、人間の内面に広がる未知の荒野へと迫」ることにあったのだということが、ともにまれびとを迎える仲間として、集落の人々にとけこんでいったろうことがよく伝わってくる写真展だった。
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by sustena | 2016-01-09 09:38 | Art/Museum | Comments(0)
2015年 12月 22日

ESPACE KUU 空「二人展 -東京 交差するふたりの視点-」

大正大学の5号館にあるギャラリーESPACE KUU 空で、大西みつぐ&ジェレミー・ステラの写真展「二人展 -東京 交差するふたりの視点-」が開催されていて、今週でオシマイというので西巣鴨に遠征した。

大西みつぐさんは、1952年東京深川生まれ。1993年「遠い夏」などで第18回木村伊兵衛写真賞受賞。1970年代から東京の下町を拠点として撮影活動を続けているひと。一方のジェレミー・ステラさんは、 1979 年フランス生まれ。旅を通して写真で表現するおもしろさを発見し、「彷徨写真」というジャンルに出会ったという。2005年に来日し、高層ビルと無秩序でアメーバーみたいな低層の家が同居する風景に魅せられて、現在東京在住。今回は、ゴタゴタした家々のならびに、建築設計事務所などのクールな建物が突然出現している風景を、そこを通りすぎる人の姿とともにとらえてる。
ジェレミー・ステラさんの写真は、東京画というサイトの彼のページを見るといい。(東京画のサイトは他の写真家のものもおもしろいですー)
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ところで大正大学には初めて出かけたのだが、5号館の隣には「すがも鴨台観音堂」、別名「鴨台さざえ堂があるのだった。さざえ堂とある通り、会津のさざえ堂と同様、二重螺旋構造で、上りの階段には17文字の梵字が、下り階段には千住博の色鮮やかな色滝が飾られていて、なかなか今風でハデ。撮影は禁止だったので、 外観のみ記念にぱちり。
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これは何のマークなのかなー。顔みたいとよく観たら、おお、鴨台という文字をアレンジしていたのね。
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さざえ堂の敷地には、合格祈願の巨大な「オクト(置くと)パス」君が。
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帰り道。初めてのところなので興味津々。西巣鴨はどこか中国の四川あたりの雰囲気が・・・。
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都営地下鉄西巣鴨駅近くの藤鮨というお店でランチのチラシを食べたんだけど、ネタが新鮮でびっくり。

by sustena | 2015-12-22 00:48 | Art/Museum | Comments(2)
2015年 12月 19日

ジャック=アンリ・ラルティーグ作品展

c0155474_2259765.jpg六本木の東京ミッドタウンにある富士フイルム 写真歴史博物館で、フランスのアマチュア写真家、ジャック=アンリ・ラルティーグの作品展を開催中で、近くに寄ったので見てきた。

ジャック=アンリ・ラルティーグは、7歳の時に写真好きの父親に三脚付きの暗箱カメラを買ってもらい、以来、家族や身の回りのいとおしいような瞬間を切り取ってきた。
彼が写真家として世間に知られることになるのは、アメリカ旅行で立ち寄ったニューヨークの写真エージェンシー・ラフォの創設者のシャルル・ラドにこれまで撮りためたアルバムを見せたことをきっかけに、MOMAの写真部長が彼の存在を知ることになってから。そして、1963年にニューヨーク近代美術館で回顧展が開催されてデビューを果たすのだ。そのとき、ジャック=アンリ・ラルティーグは69歳。

今回の作品展ではラルティーグが写真を始めたごく初期の1900年代から1910年代、ベル・エポック華やかなころの代表作25点が展示されている。

楽しい写真がいっぱいある。10歳で撮影した、ネコがボールに向かった飛び上がった瞬間を撮った「僕の猫ジジ」、兄のジスーにシーツをかぶってレンズの前に立ってもらってシャッターを切ったあと、閉じて、ジスーにいなくなってもらい再びシャッターを切ってできあがった「幽霊になったジスー」。このほか、空に向かって飛行機で飛び上がろうとしている写真や、走るクルマ、階段をジャップする従妹など、いずれも軽やかな動きの瞬間が捉えられた写真ばかり。ラルティーグの踊るような心までも写し取った、一瞬一瞬のきらめきを伝えてくれる写真に、見ているこちらまで、みること、撮ることの喜びでイッパイになる。

その後、ランチがわりにミッドタウン地下の南翔小籠で小籠包を。どの店の小籠包も写真じゃ区別がつかないなぁ。
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by sustena | 2015-12-19 18:22 | Art/Museum | Comments(2)
2015年 12月 17日

ローラン・グラッソ「Soleil Noir」

銀座のメゾン・エルメスでフランス人アーティスト、ローラン・グラッソの展覧会「Soleil Noir」(黒い太陽)を開催ヂ中だ。

この人の名前は全く知らなかったのだが、いつも会社に行く途中に、銀座駅の地下通路でこの金色を背景にした騎士をみて、なんだか不思議な感じがして、本日昼間見てきた。

グラッソは、歴史的資料や科学文献のリサーチから始め、神秘的な出来事や伝説、日食や隕石の落下などの天体現象や、月がふたつといった超常現象を古典的な様式で描き出すんだそうだ。今回も来日して、土偶や能面、金屏風などからインスピレーションを得て、中世ヨーロッパの僧侶像と日本の土偶を組み合わせたり、洛中洛外屏風みたいな絵を右に、騎士の像を左にと屏風仕立てにしたりと、西洋と東洋が交錯する不思議な世界を表現している。

本展のタイトルとなった「Soleil Noir」というタイトルのヴィデオ作品は、ポンペイ遺跡とストロンボリ島の噴火口をドローンで俯瞰的に撮影したもの。がらんとした遺跡を動きまわる白い犬が、現代人の象徴のようだった。
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by sustena | 2015-12-17 22:44 | Art/Museum | Comments(0)
2015年 12月 12日

石川直樹写真展「K2」

c0155474_1141770.jpg銀座のシャネル・ネクサスホールで、石川直樹がK2にチャレンジした際の写真展を開催していた。

石川直樹は、2001年、23歳でエベレストに登頂し、2011年には別ルートから二度目の登頂を果たす。その後も中判フィルムカメラを持ち、ヒマラヤの高峰に挑み、その写真を発表しているのだが、2015年夏、シャネルにスポンサードしてもらい、K2に遠征したのだ。

K2は高さ8611メートル、世界第二位の高さで、パキスタン、中国、インドと国境を接するカラコルム山脈の奥地にある独立峰、くるくると変わる気候から、危険きわまりない難峰とされる。

今回は2か月間に及ぶ遠征で、入念な準備をへて頂上をめざすも、天候に恵まれず登頂は果たせなかった。

しかし、氷に閉ざされた山、その写真の美しく気高いこと、厳しさに、圧倒されてしまった。(ことにビデオがすごいー)

何が石川さんをこんなに突き動かしてるんだろう。

それと、写真展を条件に、遠征費をスポンサードするシャネルも太っ腹。気高さ、孤高の高みへのチャレンジが企業精神とシンクロしているからだろうか。

http://www.straightree.com/


写真はシャネルのショーウィンドウ
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by sustena | 2015-12-12 18:10 | Art/Museum | Comments(0)