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2017年 08月 21日 ( 5 )


2017年 08月 21日

資生堂アートエッグ 菅亮平展

もう終わってしまったけれど、資生堂が新進作家にギャラリーを提供するアートエッグの今年度の第3回目は菅亮平さんのインスタレーション。
世界各地の美術館やギャラリーの、何も展示されていない白い空間の映像を、鑑賞者が歩き回っているかのような視点で映し出していく。
ベンチのある展示室を過ぎて右に折れてまっすぐ行って・・・とどんな構成なのか思い浮かべようとして映像を眺めるのだが、だんだんわからなくなって、頭がグルグルしてしまう。

先日、藝大展に行ったときに、この人の「White Cube‐06」という作品が出品されていて、あ、菅さんだ、とすぐ分かった。

菅さんは、1983愛媛県生まれ。2016年に東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻博士後期課程を修了。2015年に「野村美術賞」を受賞しているひと。
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by sustena | 2017-08-21 16:07 | Art/Museum | Comments(0)
2017年 08月 21日

納涼歌舞伎第3部「野田版 桜の森の満開の下」

先日歌舞伎座で『野田版 桜の森の満開の下』を観た。『野田版 研辰の討たれ』、『野田版 鼠小僧』、『野田版 愛陀姫』に続く野田版歌舞伎の第4弾。勘三郎とは『野田版 研辰の討たれ』のころから、次はこの『桜の森・・』と何度も話が出ていたものという。

もともと、坂口安吾の「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」を下敷きに、夢の遊眠社時代の野田が書き下ろしたものを、歌舞伎用にアレンジしているのだが、戯曲の基本的な構造はほとんど同じだ。

天智天皇のが治める時代。ヒダの王のもとに、耳男、マナコ、オオアマの3人の匠が集められ、ヒダの王の二人の娘、夜長姫と早寝姫を守る仏像づくりを言い渡される。しかし、マナコは盗賊であり、耳男はひょんなことから師匠を殺してしまい、もう一人のオオアマもいわくありげ。実はオオアマは鬼門をあけ、鬼たちの力を借りて天下を統べらんとたくらむ大海人皇子だった。約束の3年がたち、三人は仏像を彫り上げるが・・・・

野田流の奇想天外なストーリーと、言葉遊び、機関銃のように言葉がほとばしるかと思うと、抒情的なフレーズがうたいあげられ、異空間にひたるのだ。

かつて野田が演じた耳男を演じるのは勘九郎。野田はピュアな少年性とトリックスターをあわせもつキャラクターだったけれど、勘九郎は純朴な青年といった感じ。
それが七之助の演じる、残酷な夜長姫に恋をする。七之助の冷たーい激情にかられるサディストぶりがほんとピッタリ。青空のもと、世の中には戦争や人殺し、悲惨なことが多いけど、実はマイッタマイッタなんて言いながらみんなそれが好きなんじゃないか。プッチーニの「ある晴れた日に」が流れるなかで、夜長姫はそんな意味のことをつぶやく。

前半は、登場人物の関係性を把握するのにいっぱいいっぱいで、野田戯曲だから歌舞伎役者まだもが早口になることもあるまいに、何を言っているのかいまひとつわかりくい部分もあって少々しんどい。でも、後半はどんどん物語に引き込まれていく。

最後の桜が舞うシーンは実に美しい。
歌舞伎座の横に広い舞台がとても生きていたな。

巳之助のハンニャが生き生きして言葉もすっと耳に飛び込んできてよかった。とくに白粉をつけた顔が三津五郎にそっくりで、ちょっと胸をつかれた。
芝のぶは、本来とてもうまい人なのに、いつも大勢の一人でほんともったいない。今回のエナコは最高だった。

美術は堀尾幸男、衣装はひびのこづえ。

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耳男………………………勘九郎
オオアマ………………………染五郎
夜長姫………………………七之助
早寝姫……………………… 梅枝
ハンニャ………………………巳之助
ビッコの女………………………児太郎
アナマロ……………………… 新悟
山賊……………………… 虎之介
山賊………………………弘太郎
エナコ………………………芝のぶ
マネマロ……………………… 梅花
青名人………………………吉之丞
マナコ………………………猿弥
赤名人………………………片岡亀蔵
エンマ………………………彌十郎
ヒダの王……………………… 扇雀


by sustena | 2017-08-21 15:29 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2017年 08月 21日

納涼歌舞伎第2部

c0155474_20481089.jpg8月の歌舞伎座、第2部は、岡本綺堂の「修禅寺物語」と、猿之助と染五郎の「東海道中膝栗毛」、今回は歌舞伎座で殺人事件が起きるというミステリー仕立て。題して
「歌舞伎座捕物帖」であります。

修禅寺物語はとてもわかりやすいストーリー。
将軍源頼家(勘九郎)は、有名な面作師の夜叉王(彌十郎)に、己の顔に似せた面の制作を依頼する。しかし、いくら待っても面ができないのに業を煮やし、夜叉王のもとを訪れる。夜叉王の家には、二人の娘と、職人の春彦(巳之助)がいる。上の娘の桂(猿之助)は、宮仕えにあこがれ、職人をつまらないとあざけっている。一方、妹の楓(新悟)は、職人の地道さ、堅実さこそ大切とし、正反対の姉妹だ。

満足がいくものが作れなかったのだと謝る夜叉王に、あまりに遅すぎると頼家は斬ろうとする。それを制して桂が面を差し出すと、実によい出来。頼家はすっかり気に入ってしまう。夜叉王はその面には死相が現れていると訴えるが、頼家はきかず、桂を宮仕えさせると一緒に連れ帰る。しかし、その日御座所は鎌倉方に急襲されてしまう・・・

猿之助の桂はとても説得力があった。勘九郎の頼家はちょっとセンが弱かった感じ。あまりイラチに見えないのよねー。

次の「歌舞伎座捕物帖 こびきちょうなぞときばなし」は、昨年のラスベガスに行った東海道中膝栗毛の続編。

珍道中で一文無しとなった弥次喜多の二人は歌舞伎座で黒衣のアルバイトを再開。折しも歌舞伎座では義経千本桜の四の切が初日を控え、通し稽古が行われていた。そこに殺人事件が起きる。殺されたのは、源九郎狐役の綾人(隼人)の付き人だった。それがショックで綾人も寝込んでしまう。
犯人は誰か? 源九郎狐の役を綾人(隼人)に譲り静御前の稽古に励むものの、やはり源九郎狐をやりたい伊之助(巳之助)か?? 揣摩臆測が飛び交うなか、金に細かい座元釜桐座衛門(中車)は休演せずに、巳之助に代役をさせる。一方、座元の女房お蝶(児太郎)は愛人の新五郎(新悟)にその役をやらせたがっている。そこにまたまた第2の殺人事件が起きるのだった・・・

いかにもカルーいお話で、最初と最後の二度も染五郎と猿之助が宙乗りをするほかは、巳之助の源九郎狐のアクション?や、その登場シーンの仕掛けにナルホドとうなづいたり、座元の中車がカマキリなどの虫に詳しいことにニヤリとするなど、それぞれのキャラクターを楽しむ舞台なのデシタ。

監察医の七之助がちょっとしか出なかったけど、いいキャラ。
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初世坂東好太郎三十七回忌 二世坂東吉 弥十三回忌 追善狂言 岡本綺堂 作/市川猿翁 監修
修禅寺物語

夜叉王・・・・彌十郎
姉娘 桂・・・・猿之助
源頼家・・・・勘九郎
春彦・・・・・巳之助
妹娘 楓・・・・新悟
下田五郎・・・萬太郎
金窪兵衛・・・片岡亀蔵
修禅寺の僧・・秀調


十返舎一九 原作より
杉原邦生 構成/戸部和久 脚本
市川猿之助 脚本・演出

東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖

弥次郎兵衛・・・・・・・染五郎
大道具伊兵衛・・・・・・勘九郎
女医羽笠・・・・・・・・七之助
座元釜桐座衛門・・・・・中車
天照大神又は町娘お笑・・笑也
瀬之川伊之助・・・・・・巳之助
中山新五郎・・・・・・・新悟
玩具の左七・・・・・・・廣太郎
芳沢綾人・・・・・・・・隼人
女房お蝶・・・・・・・児太郎
舞台番虎吉・・・・・・・虎之介
伊之助妹お園・・・・・・・千之助
伊月梵太郎・・・・・・・金太郎
五代政之助・・・・・・・團子
瀬之川亀松・・・・・・・鶴松
芳沢小歌・・・・・・・弘太郎
瀬之川如燕・・・・・・・寿猿
芳沢菖之助・・・・・・・宗之助
芳沢琴五衛門・・・・・・・錦吾
若竹緑左衛門・・・・・・・笑三郎
同心古原仁三郎・・・・・・・猿弥
同心戸板雅楽之助・・・・・・・片岡亀蔵
鷲鼻少掾・・・・・・・門之助
関為三郎・・・・・・・竹三郎
喜多八・・・・・・・猿之助














by sustena | 2017-08-21 15:20 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2017年 08月 21日

カクシンハン「タイタス・アンドロニカス」

c0155474_11341434.jpg吉祥寺シアターで、カクシンハンの「タイタス・アンドロニカス」を見た。

シェイクスピアの初期の芝居で、これでもかというほど、次々に人が殺される、救いがほとんどない残虐な話である。
これをどう舞台化するんだろうか?? おそるおそる見に行ったのだが、実におもしろい!
ISISなどによるテロが頻発し、世界の憎悪をあおる指導者が存在するいまという時代の、現代に生きるシェイクスピア。言葉と俳優の肉体が、ぐいぐい迫ってくる、疾走感あふれる舞台だった。

とにかく俳優たちのエネルギッシュなことったらない!
主演の河内大和さんの存在感!(振付も担当したんだって、才能あるなー)。
ムーア人のエアロンを演じた岩崎MARK雄大さん、冒頭でやけにきれいな英語だと思ったらネイティブなんだー

ゴート人の女王タモーラを演じた白倉裕二さんの女っぷり。
サターナイナス役の、のぐち和美さんは、男優役がはまってた。
タイタス・アンドロニカスの娘・ラヴィニア役の真以美さんが舌を切られ手を切り落とされたところの演出は蜷川を連想したな。

衣装の色の変化、劇中のダンスや音楽など、見どころがたっぷり。
パイプ椅子が吊り下げられたシーンの美しさを今も思い出す。

アフタートークでは、演出の木村龍之介さんが司会進行を務めた。
おっとりした知的な話しかた。

初演との違いや、衣装について、BGMで使った、ララランドからEXジャパン、さだまさし、ボレロなどの音楽をどう選んだのかといった質問が飛んだ。

この戯曲は、シェイクスピアの他の他の戯曲と違って全部韻文であること。言ってみればミュージカルのようなもので、おそらく、当時流行っていたいろんな音楽を入れ込んで、この芝居で一旗あげてやろう、という彼の野心がいっぱいだったはず。
そういう意味で、観客それぞれが感情移入できるような音楽を選んだという意味のことを言ってらしたなー。

またここの劇団の芝居を観たい。
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by sustena | 2017-08-21 11:48 | Theatre/Cinema | Comments(0)
2017年 08月 21日

最近読んだ本

最近、あまり本を読めていない。

大竹昭子『間取りと妄想』(亜紀書房 2017年6月)は、マドリストである大竹さんが、13の間取りから物語を紡ぎ出したもの。

船の舳先にいるような/隣人/四角い窓はない/仕込み部屋/ふたごの家
カウンターは偉大/どちらのドアが先?/浴室と柿の木/巻貝/家の中に町がある
カメラのように/月を吸う/夢に見ました

間取りを見ながら動線や、どんな風景が見えるのかを創造しながら読むのが楽しい。
どれもいろんな仕掛けがあって、ほぉ、そう来たか」、と作者のたくらみにニヤリとしてしまう。

恩田陸『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎 2016年9月)は、浜松を思わせる架空の都市を舞台にしたピアノコンクールに挑戦する演奏家たちを描く。久しぶりに小説を一気読み。それにしても、よくもまぁこんなにも音楽語りが続くこと! 登場する音楽をもう一度ちゃんと聴いてみたいなと思った。

こだま『夫のちんぽが入らない』(扶桑社 2017年1月)は、タイトルには一瞬驚いたが(朝日新聞に広告が載ったけれども、タイトルは入れられなかった)、読むと、このタイトルしかないよねぇ。
コミュニケーションが苦手な主人公が、地方の大学に通うために下宿したときに出会った男性は、すっと人の心に入り込むのびやかな心のひとで、ひかれあうが、どうしたわけか性生活ができない。二人の出会いから結婚まで、そしてどうにか入れようともがく前半がとてもテンポがいい。
しかし、教師となった主人公が、学級崩壊に見舞われるあたりから、読むのがちょっとしんどくなる部分が。
装丁がとてもきれいー

ヒアリ騒動もあって、ガゼン、蟻がどのように増えるのか興味がわいたので、関連書籍を何冊か読む。
そのなかで、京都大学の松浦健二先生の『シロアリ 女王様、その他がありましたか!』(岩波科学ライブラリー202 2013年2月)は最高!
お恥ずかしいことに、この本を読んで初めて知ったのだが、シロアリはアリの仲間ではなくて、分類的にはゴキブリの仲間なんだって。

松浦先生は、小学校6年で岩田久二雄の『ハチの生活』という本に出会い、炬燵でシロアリを飼い始める、」シャーレの壁を上ることができないので、脱走する心配はないんだそうです。
多くのハチやアリのコロニーが女権社会であるのに対して(オスは巣を飛び立ってメスと交尾すると死んでしまい、メスだけでコロニーを創設する)、シロアリは一夫一妻で巣をつくり、王と女王が存在する。ワーカーや兵アリもオスとメスがいる男女同権社会なんだそうだ。
結婚飛行で同棲カップルが誕生する謎や、単独メスの巣でも卵が産まれる謎、女王が君臨している間、他のメスが二次女王となるのを抑止する仕組み、シロアリの卵に化ける、一見ボールのようなカビの話など、「へーえ」の連続なのだった。
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by sustena | 2017-08-21 11:04 | 読んだ本のこと | Comments(2)