2008年 10月 07日

東京都写真美術館『液晶絵画 STILL/MOTION』

東京都写真美術館で開催中の「液晶絵画」展を見てきた。
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高精細な液晶ディスプレイを使った映像表現は、従来のビデオアートとはまた違った可能性を開きつつある、それは時間芸術と空間芸術とが相互に融合したような、不思議な世界だ。
森村泰昌、やなぎみわ、千住博、チウ・アンション、ブライアン・イーノら、日本、中国、欧米の作家14名の作品が展示されていた。

いちばんわかりやすいのは、昔の西洋絵画風のリンゴの静物、ウサギの絵が、時間とともに次第に腐り、ウジがわいていく様を追ったサム・テイラー = ウッドの「スティル・ライフ」だろうか。
変化する時間を伝える「絵画」。

きれいだったのは、水が静かに動き、木々のこずえが揺れ、ときおり鳥がわたっていく水墨画屏風ふうの千住博の「水の森」。浴槽に横たわるヌードの女性と、窓からの風景が時間とともに変わっていく、ブライアン・イーンの「サーズディ・アフタヌーン」も、シック。

ポスターにもなっている森村泰昌の「フェルメール研究(振り向く絵画)」も楽しい。おお、青いターバンの女そのもの!(アトリエを再現した机の上に乗ってたニコマートや散らばっている本のタイトルにも注目を)

ドミニク・レイマン「YO LO VI(ゴヤ『異端審問』に倣って)」は、異端審問の死刑の現場を見ている人の姿も液晶に写りこむ。ちょうど、アメリカ兵がイラン兵を拷問している場面にたちあっているような感じで、ちょっとぞっとしてしまう。

ヤン・フートンの「雀村往東」。河北農村の冬を6面の映像で映し出す。アングルがすばらしく、それぞれ20分ぐらいの作品なのに、その1シーンをとって紙焼きしても、モノクロの写真作品として成立しそうな感じ。

いろいろな作品をみながら、それでもなお、絵画や写真などの動かないものの価値を思った。旅にあっても、ビデオでなくては表現できないものもあるが、写真はなんだかより強く記憶を増幅させてくれる感じがある。

10月13日まで。

by sustena | 2008-10-07 13:01 | Art/Museum | Comments(0)


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