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2008年 04月 05日

東京都写真美術館「知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展」

新聞で見たポスターが目に焼きついたので、東京都写真美術館で開催中の「マリオ・ジャコメッリ展」に行ってきた。
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彫刻家のジャコメッティじゃないんだよねー、という無知なワタクシ。でも、「知られざる」とあるくらいだから、まぁ、それがフツーかも。というわけで、どんな人かというと、1925年にアドリア海に面したイタリア北東部のセニガリアで生まれ、印刷会社につとめながら、その街で写真を撮り続けた。写真をはじめたのは、20代後半から。なくなったのは75歳、2000年である。

強烈なハイコントラストのモノクロ写真。「死」と「生」が幻想的にたちのぼってくるような写真で、ことにポスターにもなっている「私には自分の顔を愛撫する手がない(通称:若き司祭たち)」の、印画紙に焼き付けられた司祭たちの動きにはうなってしまった。

遺作の「この想い出をきみに伝えん」から作品がはじまる。
このあと、「夜が心を洗い流す」「雪の劇場」「スプーン・リヴァー」「自然について知っていること」「樹木の断面」「私には自分の顔を愛撫する手がない」「男、女、愛」「ジプシー」「スカンノ」「プーリア」「善き大地」「ルルド」「死が訪れても君の眼に取って代わるだろう(ホスピス)」そして、最後が、初期の作品群。

作品はすべて、ジャコメッリが自宅の暗室で制作したゼラチン・シルヴァー・プリントだ。印刷会社につとめていたから、現像などはお手のものだったという。
樹木の断面、大地の畝、老人の皺が、深く刻まれる。独特の心象風景が広がる。

辺見庸が寄せたメッセージ「蠱惑する“閾”の風景」が、ジャコメッリの世界をよく伝えている。

by sustena | 2008-04-05 22:16 | Art/Museum | Comments(0)


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