2017年 06月 12日
銀座にあるキヤノンギャラリーで、宇井眞紀子さんの写真展が開催されていることを知ったのは、成田についてから見たtwitterだった。 今を生きるアイヌ100人のポートレートという。 さっそく昼休みに出向くと、受付に宇井さんがいらした。 1960年千葉県生まれ。武蔵野美術大学在学中に樋口健二さんに出会い、写真の道に。もともとアイヌに興味を持っていた宇井さんが、アイヌの撮影を始めたのは1992年。フリーランサーとして雑誌の仕事をしていたとき、二風谷ダム建設の記事を目にしたのだという。そこで、アイヌ活動家のアシリ・レラさんに会い、以後、 /記事で進むことを決意しました。日本写真芸術専門学校にも学び、現在フリーランスの写真家として活動しています。 25年前、私はアイヌと出会い、「今を生きるアイヌの伴走者でありたい」という思いで写真を撮ってきたのだという。 しかし、一方で宇井さんは、「アイヌを侵略した和人である」というわだかまりを消すことがなかなかできず、撮影するときも、いきなりカメラを向けるのではなく、自分の存在が空気のように気にならなくなるくらい信頼関係を築いて初めて、シャッターを切ったのだという。”和人の束縛”から解き放たれるまで20年の月日が必要だったそうだ。 何度か写真展を重ねる中で、「アイヌってまだいたの」といったアイヌの存在をまったく知らない、または、自然と生きる人といったようなステレオタイプから多くの人が脱していないことに気づく。 そこで、スタートしたのが今回の;プロジェクトだ。日本列島を縦断し、全国で暮らすアイヌの今を「その人が撮りたい場所、撮りたい姿で撮る。そして次に撮る人物も指名してもらうという方法で撮影した100カ所・100組のポートレートが並んでいる。 民族衣装の人もいれば、家族がそろった写真、仕事中のもの・・。 関係性を築いてきた時間の長さ、深さを思った。 一人ひとりの肉声が聞こえてくるような気がしたなぁ。
by sustena
| 2017-06-12 16:52
| Art/Museum
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