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2017年 01月 07日

村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』

c0155474_22535448.jpg村上春樹の紀行文集『ラオスにいったい何があるというんですか?』(2015年11月刊 文藝春秋)。1年ぐらい待ってようやく予約順番が回ってきたので、読む。

これは、2004年から2015年にかけて、「AGORA」や「太陽」「TITLE」に掲載された紀行文をまとめたもの。
目次は次の通り。

チャールズ河畔の小径―ボストン1
緑の苔と温泉のあるところ―アイスランド
おいしいものが食べたい―オレゴン州ポートランド・メイン州ポートランド
懐かしいふたつの島で―ミコノス島・スペッツェス島
もしタイムマシーンがあったなら―ニューヨークのジャズ・クラブ
シベリウスとカウリスマキを訪ねて―フィンランド
大いなるメコン川の畔で―ルアンプラバン(ラオス)
野球と鯨とドーナッツ―ボストン2
白い道と赤いワイン―トスカナ(イタリア)
漱石からくまモンまで―熊本県(日本)

ああー、行ってみたいッてところばかりではあるんだけど、とくにこれを読んでガゼン出かけたくなったのがラオスですね。

ラオスの世界遺産の仏都、ルアンプラバンでの滞在を記していて、ここは日本の京都みたいにいたるところに寺院があるので、とにかく僧侶の数が多いんだそうだ。

「鮮やかなオレンジ色の僧衣をまとったたくさんの坊主頭の僧侶たちが、街のあらゆる通りを、あらゆる方向に行き来している。彼らはとても静かに裸足で歩き、どこまでも柔和な笑みを顔に浮かべ、ひそやかな声でなにごとかを語り合う。オレンジ色と、腰に巻いた帯の黄色の組み合わせが目に鮮やかだ」

村上春樹のエッセイだよなぁと思うのはこのあとだ。

「僧侶の多くは強い日差しを避けるために傘をさしているのだが、傘は残念ながらごく普通の黒いこうもり雨傘であることが多い。僕は思うのだけれど、誰かが──たとえばどこかのNPOなり海外援助部門なりが──僧侶に合わせてオレンジ色の素敵な傘を、あるいは帯に合わせて黄色の傘を、彼らのために作ってあげるべきではないのだろうか。そうすれば色彩の統一感がいっそう際立ち、ルアンプラバンの風景は今にも増して印象的なものになるに違いない。そして僧侶としての彼らのアイデンティティーも、より揺らぎないものになるのではないか。ヤクルト・スワローズの熱心なファンが、緑色の傘を携えて勇んで神宮球場に行くみたいに」

なーんて勝手な物思いにふけるのである。そして、人々が朝早くから托鉢僧に寄進する様子、朝市に並ぶ新鮮でグロテスクな魚、メコン川やアマンタカというリゾートホテルでのラウンド・ガムラン奏者の演奏がエリック・ドルフィみたいだったことなどを記していく。

私は村上春樹の小説よりは、肩の凝らないエッセイのほうがダンゼン好きで──もっとも今回の旅行記よりは、工場見学をまとめたものとか、ギリシャに滞在したときのことを書いた「遠い太鼓」のほうが、共感できる。なぜって、この本の場合、いいご身分だよね、ってヒガミ心がよぎらないこともないからなんだけど、このラオスの1本だけで、まーいっかーって思っちゃうのだった。

今朝もジョウビタキとカワセミ。
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年末に咲き始めたロウバイが、イッキにほころび始めた感じ。
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by sustena | 2017-01-07 22:56 | 読んだ本のこと | Comments(2)
Commented by Cakeater at 2017-01-08 10:08 x
おー、いたんだ。カワセミは8割くらい満足したから、ジョウビタキのオスを撮ってみたいなあ。花鶏はオスをとれたけど、ジョウビタキはメスばっかり。
昨日出た筋肉痛に今朝は半月ぶりに6時間ほど立ってた列見の疲れも重なって(どこも吊らなかったから、いい運動になってるという証拠)今日は遠出はあきらめました。半月ぶりだったから、部屋に鍵をかけるのを忘れて出かけて、まあ、P900とノートパソコンが無事なら荒らされてもいいかと夕方戻りました。朝に、携帯品並べて指差し呼称確認していって、鍵は入口の脇のテーブルに置いたまま。一度は鍵をかけてポケットに入れて出てから、うん、小用をしてからと一度戻った(ここで変化点が発生してたわけです)時に置いて、それきり忘れた。hahahaha.
sustena さんは鍵にかかわるボケはやりませんか?
Commented by sustena at 2017-01-08 21:30
本当に戸締りしたか不安になることはたまにあって、いつもの行動だから大丈夫と、一生懸命心落ち着かせようとあがくことがありますー。


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