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2016年 03月 18日

宮嶋 康彦写真展「地名-妣(はは)の國から」

午前中に会社で一仕事終えて、近くのニコンサロンへ。ちょうど宮嶋康彦さんの写真展をやっていた。タイトルは、「地名」、ちめいではなく、ちなと読ませる、

地名は長らく、その地の歴史や文化を彷彿とさせる豊かな響きに包まれていたが、市町村合併があちこちで始まり、南アルプス市とか四国中央市といった、単に記号にしかならないような薄っぺらなものが増えてしまった。

宮嶋さんは2006年ころから、各地の心ひかれる地名を旅してきたという。古い土地の名前が消滅していくことへの危機感もあったとのこと。

そんななかで、出雲や石見、因幡、伯耆、隠岐は、まさしくここが「妣の國」だと感じられた。記紀神話を背景にした地名や日本人の心性が表れている地名が数多く残っていて、地名を詩のように感じるようになったのだという。

今回の展覧会では、そんな鳥取と島根のゆかしい地域の風景を背景に、その地域にすむ女性(老婆も、母子も、妊娠中の女性も、中学生もいた)たちのポートレートが並ぶ。プリントしたのは、宮嶋さんが原料の楮を育て、自分で漉いた和紙。それにプラチナプリントしているのだが、モデルのファッションはたしかにいまなのだが、明治や大正の写真のように、古びた味わいがある。前を向いた写真ばかりではなく、舌を向き、目を閉じているものも多かった。でもみんなゆったりした気持ちでいる。(人の写っていない写真も数枚あった)。どの写真にも、そこの地名が筆書され、他に郵便番号、北緯と東経が記されている。

地名を挙げてみよう。

多伎、阿用、赤埼、飯梨、道笑、豊成、十六島(うっぷるい と読む。出雲市にある)、根雨、泊、亀嵩、雲山、湯山、大社、阿宮、中垣内、紙祖、吉佐、彦名、神庭谷、国府、白兎、斐川、両三柳、武志、土下(はした)、母衣、鈩戸(たたらど)、父原・・・・

この写真の中では時間がゆっくり流れている。そんな気がした。
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by sustena | 2016-03-18 14:54 | Art/Museum | Comments(0)


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