2015年 07月 04日
せんだいメディアテークのギャラリーで、「ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」という展覧会が開催されていることを知り、取材後に見てきた。この展覧会は、サグラダ・ファミリアやカサ・ミラをはじめ、ガウディが設計に携わった建築のスケッチや図面、建築模型などによって建築家ガウディの仕事を俯瞰するとともに、漫画家・井上雄彦の感性が捉えたガウディの人間像を、描き下ろしの40点などから構成したもの。 展覧会は3章に分かれていて、1章は、ガウディの子供時代とバルセロナでの学生期、卒業後まだ建築家として無名の頃のガウディを、関連資料でたどった「トネット少年、バルセロナのガウディへ」。内気で自然の動植物を見つめてきたガウディの発想の原点、世界観を井上雄彦が漫画で表現することからスタート。 2章は建築家としてデビューした26歳のガウディが新興ブルジョワのグエルとの出会いによって、彼の邸宅やグエル公園、コロニア・グエル教会などを次々に建てていく「建築家ガウディ、誕生」。ガウディの代表作の図面や模型、家具などが並ぶ。 3章は31歳のときに主任建築家として携わり始めたサグラダ・ファミリアに次第に修道僧のようにのめりこんでいくガウディと、未完のサグラダ・ファミリアをフィーチャーした「ガウディの魂、サグラダ・ファミリア」。井上の描く老年のガウディの肖像の筆の運びにうっとりしちゃった。 最後は、3.3m ×10.7mの和紙に描かれた井上の絵。こんなに大きい手漉き和紙がつくれるなんて!和紙づくりには井上自身が参加したという。 ところで、ガウディと井上のコラボだが、今回井上は、カサ・ミラ内にアトリエをかまえて制作を進めたというが、2011年5月にも6日間の日程でバルセロナを訪れ、ガウディの建築をはじめ、彼が建築のインスピレーションを得た山として知られるモンセラ山を訪れたり、職人やサグラダ・ファミリアの模型室長やガウディ研究家へのインタビューを行い、その後「『pepita』井上雄彦 meets ガウディ」なる書籍を出版している。その旅でサグラダ・ファミリアの彫刻を担当するブルーノ氏を訪ねたとき、ひょんなことから、工事中の「栄光のファサード」の7つの扉のうち、正面に向かって一番右側の扉─そこにはさまざまな言語で聖書の一節の文字が刻まれているのだが─、そこに刻まれる日本語「我らを、悪より救い給え」という文字を記すことになったのだという。不思議な縁だよね。 私がバルセロナに行ったのは、たしか2000年の正月だった。このときもあちこちが工事中だったが、いまもまだ18本の塔のうち8本しかできておらず、最近のコンピュータ技術の進歩によって工事がスピードアップし、2026年に完成予定らしい。なにしろ工事のスタートは1882年。実にべらぼうな長さ! 写真はそのときの数枚。 オリンパスC3040Z
by sustena
| 2015-07-04 22:26
| Art/Museum
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