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2015年 04月 19日

小松成美『仁左衛門恋し』

c0155474_12314547.jpg小松成美さんの十五代目・片岡仁左衛門へのインタビュー集『仁左衛門恋し』(徳間文庫カレッジ 201412年12月刊)を読む。親本は2002年で、文庫化にあたって、右肩腱板断裂の手術から2014年6月に復帰した際の仁左衛門への最新インタビューを加えている。

仁左衛門はもっか一番好きな歌舞伎役者で、猿之助、吉右衛門、勘九郎、菊之助の出る歌舞伎ももちろんなんだけど、この人のだけは見逃したくないッて思っちゃう。

この文庫判では、表紙が2014年6月の歌舞伎座での復帰公演の「お祭り」、口絵の3枚が2013年歌舞伎座の杮落とし10月の「義経千本桜」、2011年11月の平成中村座での勘三郎との「伊賀越道中双六」、2014年9月の孫の千之助君との「連獅子」で、どれも見ていたからそのときの舞台が思い出されてならなかった。

この本は、十五代目・片岡仁左衛門が、5歳で初舞台を踏んでから片岡孝夫として長らく活躍した間のいろいろなエピソードや、襲名して以降の自身の変化、大病をしたときのこと、歌舞伎にかける思い、「油地獄」や「すし屋の段」をはじめとする役作りetc 、人生と芸をじっくり語っている。

勘三郎や團十郎との思い出話なども興味深かったのだが、驚いたのが、高校時代に「神州天馬侠」に出ていたという話。えっ、神州天馬侠hこども時代によく見ていて、いまでg テーマソングを歌えるのだが、あれに出ていたなんて知らなかったな・・・。

関西歌舞伎が衰退してきて歌舞伎役者としての仕事がなくなりかけたころ、いまのように東京の歌舞伎座に出るというわけにも簡単にはいかなかった時代に、どうやって食べて行こうか、スナックパブのような店をやろうと商売のプランを考えていたなんて話や、映画の役作りの話もおもしろかった。「配達されない三通の手紙」や「わるいやつら」など、ビデオを借りて見てみようかしらん。

千之助くんとの連獅子、私は孫の千之助クンが凛々しくて、そのフレッシュでエネルギッシュな毛の振りに感嘆していたのだが、仁左衛門にいわせると「テンションがあがっていくと、毛の振り方にまだ品がない。スポーツじゃないから、速ければ良いというものでもない」、格調ある振り方が必要と手厳しいのだった。

仁左衛門もすでに70歳を過ぎ、「演じる時間は無尽蔵ではないですからね、いろいろ考えます。またそれが楽しいんですね」と語る。歌舞伎を見始める前はいろいろ決まりがあるし、浄瑠璃や清元がわからないしと自分には縁遠いものと思っていたのだが、この人のセリフは本当にすっと頭に入ってくるし、ややこしい筋でも登場人物の心理がよくわかって、得武器の世界に入り込んでしまう。こちとらもこの先どれくらい見続けることができるかわからないけど、仁左衛門の一役一役を楽しみながら、うっとりしていきたいなぁとシミジミ思うのだった。

目次
はじめに
第1章 十五代目仁左衛門の芸
第2章 人気者片岡孝夫
第3章 他流試合
第4章 今、そして未来へ
特別対談 父と子
文庫版特別収録 渾身の日々
仁左衛門演目解説
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by sustena | 2015-04-19 12:31 | 読んだ本のこと | Comments(0)


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