2015年 04月 22日
『伊東豊雄 子ども建築塾』(伊東 豊雄/村松 伸/太田 浩史/田口 純子:著 LIXIL出版 2014年12月刊)を興味深く読んだ。 建築家の伊東豊雄さんは、美術館で一日限定の子ども向けのワークジップをやったことをきっかけに、感受性豊かな10歳から12歳ぐらいの子どもたちと1年間建築を考える塾「子ども建築塾」http://itojuku.or.jp/course/childrenをスタートさせ、3年半やって大きな手応えを感じる。 その間の発見や得たもの、プログラムなどをまとめたのが本書。 塾の1年間のうち前期は、「いえ」について10回のプログラム。 たとえば、「星、山、波、虹、火のようないえ」を作る。 後期は「まちの建築」について10回のクラス。スタジオのある恵比寿のまちのなかに建築を作るという課題で、アプローチは、「~とともに**するまち」~に入るキーワードは、「水、ひと・おばけ、生き物、木、坂」。このキーワードと仲良くできるような建築を考えるというもの。どう? 楽しそうでしょ。 グループごとにティーチングアシスタントがついて、実際にまちに出かけて行ったり、こどもたちの建築の概念をゆさぶるような建築を実際にみたりもする。 いろいろな場所から年齢の違うこどもたちが集まる。 伊東は言う。「教えるというより一緒に考えるというスタンス」だと。子どもの直観力を生かし、今の教育が抱える凡庸な均質主義を打破することをめざしたい。子どもには具体的なものから思考して、ものを作る楽しさを知ってほしいというのだ。 子どもたちは、好きなところに直線的に入って行き、そこから全体を組み立てていく。こうした思考の仕方が大切。 子どものセンス・オブ・ワンダーを育むのに必要な三間は、「仲間」「時間」「空間」だという。それは、自然の神秘さや身の周りの不思議を受け止める感性である、生きる力を支える根っこのようなもの。この塾で磨かれたこどもたちの発想の自由なこと! 目次 子ども建築塾って何? 想像する 見つける 内と外のつながり 縄文の建築家になる まちで何する? 作る→考える→作る 伝える 作品紹介 樹上の眉のある歩道 8の字ドッグストリート ─人と犬と鳥とつどう場所 Pukabana、色鳥どりのタコ公園 おばけスクール 伊東豊雄インタビュー 具体的に考え、作る力 写真 恵比寿スタジオ 伊東豊雄×鷲田清一×為末大 よく生きるための想像力を 論考 子ども建築塾の組織と運営 座談会 子どもが変える、建築と街 世界の建築教育
by sustena
| 2015-04-22 23:52
| 読んだ本のこと
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