2015年 02月 22日

Home Bittersweet Home —カケラのイエ—

資生堂ギャラリーで開催中の、新進アーティストにギャラリーの門戸を広く「shiseido art egg 」(シセイドウ アートエッグ)。2015年度二人目の飯嶋桃代展がすばらしい。

今回は彫刻で、テーマは「Home Bittersweet Home —カケラのイエ—」である。

飯嶋桃代さんはこれまで一貫して「家族の記憶」をテーマに作品を制作してきた人。

《開封のイエ Fragments of glacier》では、半透明の家型のパラフィンワックスの中に、かつて使われていた古食器が閉じ込められていて、表面にところどころぽっかりとその一部が見える。

大きなドラム缶に食器を入れてどろどろのパラフィンワックスを流し入れて固めたものを切ったのかな? やり方はよくわからないけど、ちょっと暗いギャラリーの中で顔をのぞかせるカケラたちにぞわぞわーっとしたのだった。

半透明なので軽そうに見えるけど、一つ200kgぐらいあるらしい。作者の説明によると、この作品では現代社会と家族のつながりの希薄さを表していると同時に、巨大な氷河(=社会)から切り離されながら、海面を漂う美しい氷のカケラのようにも見せているんだってー。

ギャラリーの奥の小展示室には7×7=49個のご飯茶碗が、等間隔にスタンドの上にのっている。その下から光があたり、ひとつひとつがぼんやり闇の中に溶け込むように浮かんでいて、ちゃぶ台で食べた遠い過去のつながりがたゆたっているみたい。
こちらは《Singular(s) 光/水 器をみたすもの》
光りを宿す水面のさざめき、かけらの家のかけらたち
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by sustena | 2015-02-22 22:57 | Art/Museum | Comments(4)
Commented by iwamoto at 2015-02-23 10:08 x
面白いですね。
相当に重いのだろうなと思えるものですが、フワッとして見えるような。
移動も気を遣いますね。
パラフィンなら、中から照らすことも出来そうです。
Commented by esiko1837 at 2015-02-23 11:42
芸術は全然わかりませんが、サステナさんのカメラの腕はよ~くわかる写真群です!
撮影OKなのですね。
Commented by sustena at 2015-03-01 22:16
iwamotoさん、去年の秋、近くの公園を舞台にしたアート展で、やはりパラフィンワックスを使った作品があったんです。それは地面から氷柱がはえているようなものだったんですけど、パラフィンワックスはこんなふうにも使えるんだとあらためて思いました。中から照らすのもおもしろそう!
Commented by sustena at 2015-03-01 22:19
esikoさん、最近はフラッシュを使わないなら撮影可という展覧会も増えてきました。ソーシャルメディアでの拡散効果が大きいので、禁止するより効果大と考えるところが増えたのでしょう。もっとも、作家の意図がよくわかるように撮ってほしいと考える場合はやっぱりNGになっちゃうんだろうな。


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