2015年 03月 03日
ワタリウム美術館で、石川直樹+奈良美智が連れ立って、青森、北海道、サハリンへと出かけた記録「ここより北へ」と題した展覧会をやっている。1月末に見に行ったのだが、1977年東京生まれの石川と1959年青森県弘前市生まれの奈良の違いや青森県や北海道に残るアイヌ語地名の共通性など、いくつかの発見があっておもしろかったので、もう大半を忘れてしまったけど、メモっておく。 旅のきっかけは、「青森県と北海道のアイヌ語地名を訪ねてみよう」ということだったらしい。 地名の共通点というのは、たとえば北海道の知床の名前の由来はアイヌ語の「シレトク」で、地山の先のほうや突き出たところを意味し、同じ語源の「シレトコ」が青森県の下北半島やサハリンにあるらしい。また、シッカリというのは「行き止まり」という意味で、青森では尻労、北海道では静狩。サロマ湖の「サロマ」の語源はアイヌ語の「サオオマ」(葦のあるところ) の意で、青森県の猿ケ森も大小の池が点在するところだという。 旅の軌跡は── 2014年6月23日~ 6月27日まで、下北半島と津軽半島のアイヌ語地名を訪ねる旅(宇曽利湖、恐山、白糠、佂谷(蛇浦)、佐井村、牛滝、縫道山、むつ市脇野沢シレトコなど) 2014年7月4日~ 7月10日 北海道のアイヌ関連の土地を訪ねる(函館の近くの夷王山コシャマイン祭り、札幌、知床、斜里、ウトロ) 2014年8月21日~8月30日 サハリンへ。トナカイ祭りを見、旧日本の史跡や川上炭鉱跡、アイヌ部落跡などを巡る旅 石川の言葉をひく。 ---------------------------------------------------- 青森や北海道は日本列島の端にありながら北方世界への入口だった。サハリンはロシアという大国の東の果てにあるけれど、本当は南北への扉を開いている島だった。 自らの意志とは異なる偶然に導かれた北の地には見たことのない新しい世界があった。ふと後ろを振り返ると、かつて自分が立っていた場所さえもまったく違って見えた。そんなかけがえのない道行きを、写真によって少しでも分かち合えたらいいな、と思っている。 ---------------------------------------------------- 3フロアに分かれていて、 2F・・・・・青森や北海道の写真と二人の幼い頃のアルバムなど 3F・・・・・ 二人の靴や日記、リュックサック、青春時代の本やレコード、今回の旅のために読んだ本など 4F ・・・・・サハリンの旅の写真 サハリンの旅の写真では、アイヌとサハリンに生きる人々の顔つきは違うんだけど、サハリンの民族衣装の模様が、アイヌの模様とよく似ていたことに驚く。 個人的に一番おもしろかったのは、3Fに展示されていたレコードジャケットと本。ああ、こんな本を読み、音楽を聴いてきたのか。(私の本や映画などは到底ひとさまに見せられないな)
by sustena
| 2015-03-03 22:50
| Art/Museum
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Comments(2)
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ken_kisaragi at 2015-03-14 10:54
そう言えば、FOILだったか?
川内倫子とのコラボでは自らアフガンで写真撮っており、 写真撮らせても上手いのにはびっくりしました。
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sustena at 2015-03-17 22:41
奈良さんの写真と石川の写真を見ると、同じところに行ってるのに、こうも違う写真を撮るんだと実におもしろかった。やっぱり、その人らしさが出るんですよね。
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