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2014年 09月 16日

杉本博司「On the Beach」

kenさんが銀座1丁目のギャラリー小柳で杉本博司の「On the Beach」をやっていると教えてくださったので、さっそく昼休みに遠征する。

エレベーターを降りると、まず目に飛び込んでくるのが、作家所有の鎌倉時代の三鈷剣である。
何か不思議な気持ちになりながら、展示されている12点のプラチナプリントを眺める。
展示されているのは、1990年にニュージーランドの海に水平線の撮影に出かけたときに目に入った、砂浜に打ち捨てられ、錆び果てて朽ちようとしている自動車部品を撮った作品だ。

黒い質感のあるテクスチュアに溶け込み、暗い光の中で、金属の輪郭がなまめかしく、ひっそり息をしているかのように浮かんでる。圧倒的な美しさである。

車のパーツではあるけれども、どうかすると、中空から島を見下ろしたかと錯覚させるようなものもある。長い時間、そこにいて、ずっと在り続けてきたものたちの静けさがギャラリー全体を支配しているよう。

それにしても、おそろしい胆力だよなぁ、と杉本の写真を見るたびに思う。

入口の三鈷剣の意味は、リーフレットを読んで、合点した。

作家が入手したときは、刀身が失われており、現代の刀工に依頼してそれを復元したという。杉本はこんなふうに記す。
「出来上がった刀身は目映く輝き、私の鉄を巡る時間の旅の『今』という起点を示してくれた。思えばあのニュージーランドに打ち捨てられた自動車の数々も、海水に洗われて砂鉄となって海へと帰っていった。今、こに輝く刀身も、その砂鉄から作られたことを思うと、輪廻転生が思い浮かぶ。人は形あるものを作り出し、形あるものは歴史の腐食に晒されながら、また自然へと還っていく」
「時の物差し。私は錆び果てた砂上の文明のかけらから、その物差しを得たような気がする」

銀座2丁目。大倉本館はリニュアル工事中。カルティエの豹が睥睨してたな。
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by sustena | 2014-09-16 22:16 | Art/Museum | Comments(0)


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