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2014年 05月 08日

夢枕貘『人間って何ですか?』

c0155474_22565321.jpg作家の夢枕 獏さんが、池谷 裕二センセイや、長沼 毅センセイ、八代 嘉美センセイ、ビートたけしなど、脳科学や物理学、考古学、再生医学といった多様なジャンルの専門家8人に、人間とは何かという根源的な問いを投げかけた対談録『人間って何ですか?』 (集英社文庫 2014年4月刊)が図書館の新刊コーナーに並んでいて、魅力的な人選だったので、さっそく借りて読む。

ラインナップは次の通り。
第1章 ヒトに自由意志はあるのか(池谷裕二(脳研究者))
第2章 宇宙は人間に「ちょうどよく」できている(佐藤勝彦(宇宙物理学者))
第3章 縄文の精神に持続可能性を学ぶ(岡村道雄(考古学者))
第4章 人類という種の来し方、向かう先(長沼毅(生物学者))
第5章 人間の命だけが尊いのか(島薗進(宗教学者))
第6章 ダイオウイカの追跡から見えた、人間の可能性(窪寺恒己(海洋生物学者))
第7章 生命の境界を揺るがiPS細胞研究(八代嘉美(幹細胞生物学者))
第8章 人の死に方を考える(ビートたけし(芸人・映画監督・俳優))

集英社の「kotoba」の連載に大幅に加筆したものだというが、一人当たり新書で20ページ程度なので、内容的にはかなり薄かったな・・・・。一人一冊だったら、ちょうどよかったのかも。

夢枕漠さんがそれぞれの専門家に尋ねたいと思ったことは、たとえば次のようなことだ。
「宇宙にとって生命とはなにか」「自由意志は存在するのか」「脳の中に"私"は棲んでいるのか」「インド哲学でいう"無無"から宇宙は生ずるのか」「地球は、たった一種類のタイプの生命した生み出さなかったのか」「今も、新しい生命はこの地球で創造されているのか」「文字をもたない縄文人たちの信仰していた神々はどのようなものであったか」・・・・こうして、宇宙、地球、生命、進化、意識、脳、縄文、宗教、そして人間について順繰りにインタビューしていくことになった。

それぞれの専門家によって、人間とは何かに対する回答は異なる。
池谷さんは、人間とは「宇宙のエントロピーを増大させる存在、宇宙の老化を速める存在」と定義した。
宗教学者の島薗センセイは、「人の気持ちがわかる存在」という。本当はわからない部分が大半だけど、人が泣いていたら一緒に涙を流せる。そこに人間の希望と呼べるものがあると語る。

いくつか発見があった。

長沼毅センセイは、人間のような知的生命体が生まれてくる割合は低いという話をしたあと、宇宙は広いといったって、星の数なんてせいぜい10の22乗か23乗個ぐらいで、アボガドロ定数(6×10の23乗)にも及ばない。星を原子まで分解しても10の80乗個で、宇宙にはこの程度しか原子がない、なんて言うんである。

島薗センセイは、宗教を定義するのが難しくて、その質問をされるのが一番イヤなんだって。
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by sustena | 2014-05-08 23:17 | 読んだ本のこと | Comments(4)
Commented at 2014-05-12 19:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by jmiin at 2014-05-12 23:07
僕の人間論は比較的簡単です。

「人間は感情の生き物である」

これだけです。スンマセン。単純で。
Commented by sustena at 2014-05-14 01:23
jmiinさん、そうですね、理性のカタマリみたいに見える人でも、やっぱり感情の生き物だなって感じることがありますもんね。
Commented by sustena at 2014-05-14 01:26
鍵コメさま、そうだったわー。親指シフトで打ってて、右のキーがさわってなかった!! ご指摘ありがとうございます。修正しました。


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