2013年 12月 12日
シアタートラムで、シス・カンパニーの「グッドバイ」を観る。北村想が、太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」をモチーフに書き下ろしたちょっとせつなくてコミカルなラブストーリー。 さる私立大学の理事長夫人を妻に持つ、哲学とミステリ文学が専門の大学教授・黄村先生(段田安則)は、8人の愛人と別れるために、すこぶるつきの美人の結婚することを口実にと愛人と別れることを計画し、助手の渡山(柄本祐)の発案で美人秘書を募集中。合格したのは、口を聞かなければうっとりする美人だが、実はとんでもない豪傑オンナの河内出身という触れ込みの三舞理七(蒼井優)だった。 一番目の愛人、パーマ屋の青木さんには泣かれたものの、無事別れることを承諾してもらい、おでん屋(屋台の主人・半海一晃)で祝杯をあげている黄村先生と理七だったが、そこで飮んでいた無頼の太宰を気取るフリーライター(詩人だったかな、高橋克実)が二人に絡みだし、理七が河内出身でないことを見破る。実は、理七は、先生の助手の渡山の恋人だったのだ。 黄村先生と理七は毎度そこで待ち合わせて、終了後は祝杯をあげるのだが、理七は次第に、なぜ、いささかしょぼくれた黄村先生が8人も愛人を持っているのかに疑問を抱き始める。そして・・・・。 なんといっても松井るみの漫画のペン画のような美術が秀逸。舞台下手には、裸電球のともる斜めの電信柱が続く。空にはセリフが浮かぶ。中央は主人公の黄村先生の研究室になったかと思うと、街角のおでん屋になる。もち、ホンもおもしろかった! 太宰の「グッドバイ」の設定を借りて、60年代から70年代と、いまを両方とけこませて。 段田はうますぎるところがちょっとくさいんだけど、やっぱりうまくて、蒼井優は河内弁が甲高くてうわずっているのがやけに聞きづらいんだけど、胸きゅんとさせる雰囲気はうまいー。おでんやの主人がすてき。そして劇中歌が流しのギター弾きの茜役で出てくる山崎ハコの声はぐっときます。(山崎ハコだと、あの時代の気分が濃厚になるのー) 演出は寺十 吾。太宰の「グッドバイ」は青空文庫で読むことができる→http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/258_20179.html。
by sustena
| 2013-12-12 23:38
| Theatre/Cinema
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Comments(6)
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sirokabu2011 at 2013-12-13 17:11
夕闇になる前の時間帯が 何ともせつなくて好い写真ですね。
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jmiin at 2013-12-15 20:18
グッド・バイでこんにちは。
と言う事でまた再開です。遊んでやって下さい。
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higphotos at 2013-12-17 18:10
夕方写真が良い季節ですね。
高架線のシルエットがなかなか素敵です。 自分と言えば最近、夕方を撮っていません。 シルエッター(シルエット好き=自分)にはいい季節なハズですが、 寒くてすぐ家に入っちゃいます。 スナップには段々根性が必要な季節になってきました。
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sustena at 2013-12-19 22:22
sirokabuさん、助手席がぱちぱち撮りました。つるべ落としよりもさらに早くトップリ暮れてしまったのでした。
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sustena at 2013-12-19 22:24
higphotosさん、たしかに空気が澄んで、時間帯によっては銀座にいても空を見てほーぉ,,,,,と見とれてしまうことがあります。なかなかその色が出ないんだけど・・・。
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sustena at 2013-12-19 22:24
jmiinさん、あまりご無理をなさいませんように!
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