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2013年 10月 02日

森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る

銀座の資生堂ギャラリーで9月28日から始まった森村泰昌の「LAS MENINAS RENACEN DE NOCHE 森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」がおもしろい(12月25日まで)


森村泰昌は、ゴッホやフリーダ・カーロなどのアーティストをはじめ、レーニンやアインシュタインなどの歴史的な著名人、銀幕の女優など、さまざまな著名人に扮した「自画像的作品」を発表し続けてきた。

今回は、ベラスケスの「ラス・メニーナス」をテーマに、単に絵の登場人物になりきるだけではなく、視るものと視られるものの関係がくらくらしてくるような仕掛けを織り込んで、“全8幕の一人芝居”として森村独自の解釈を施して見せる。

構成は———

第1幕 ベラスケスの棺に跪く
第2幕 静寂のなかに小さな揺らぎを見つける
第3幕 絵の深奥の扉を開ける
第4幕 画家の背中越しに秘密の光景を覗く
第5幕 遠くの光に導かれ闇に目覚めよ
第6幕 王国の絵画、絵画の王国
第7幕 ほんとうは何も起こらなかった
第8幕 そして誰もいなくなった

プラド美術館のベラスケスの部屋の「ラス・メニーナス」の展示風景を見渡す位置の作品から話が始まる。そして、第2幕では「ラス・メニーナスを鑑賞している森村自身が登場し、第3幕では今度は森村は、絵の最奥部の階段にたたずむなど、幕が進むごとに変化が起きていく。絵の中の人物たちも額縁から飛び出し、絵を見ていたりして、私たちは「ラス・メニーナス」の謎を反復しながら鑑賞することになる。

第4幕で絵の中の画家が描いているのは1990年に森村がベラスケスが描いたマルガリータ王女に扮した「美術史の娘」だ。
さらに第5幕では、絵の中の登場人物が森村にかわり、第6幕ではその絵を「ラス・メニーナス」の両脇に並んで展示されていた国王夫妻が見ているのだ!(でも、この両脇の国王夫妻の絵──2幕目以降ではたしかにそうなっていたのだが──第1幕の実際のプラド美術館(たぶん)の絵を見直してみると、両脇にかかっていたのは違う絵だった・・・・・)
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第5幕の一部(写真は撮影可だった。ただしわかりやすいようにトリミング)
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第6幕の絵の一部

第7幕は、また全員が元の絵に戻ったように見えるが、実はそれぞれの登場人物は森村で、そして最後には絵の中からも人が消えてしまう。みんなどこに行ったのだろう???・・・・と思ったら、隣の部屋に、それぞれのポートレートがかかっていた。

登場人物の肖像写真と総数17点
入口のiPadでメイキング映像を見ることができる。変身のたいへんさときたら!

会場には、森村マネキンもいて、絵画の中のファッションに身を包んでいた。
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by sustena | 2013-10-02 20:55 | Art/Museum | Comments(4)
Commented by Lucian at 2013-10-02 23:00 x
パラレルワールドの一断片が現実の世界なら、
それらの多重露光のような重ね合わせがより実在に近いことを表現しているような…。
さらにもっと無数に重ね合わせていくと、ついに何も無くなってしまう。
あるいは無限の可能性だけが残る…。
量子力学の多世界解釈とアートの融合みたいですね。
Commented at 2013-10-03 19:15
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sustena at 2013-10-03 22:30
Lucianさん、近くなので、またしても出かけてきたんですけど、最初ササッと見てきたときには気づかなかった発見がありました。
Commented by sustena at 2013-10-03 22:37
P君、それは残念ですぅ。王妃のこんもりした髪形はフツーにかぶってると絶対に羽ランスがくずれてしまうので、写真撮影のときはピアノ線でつってたようなんですけど、そう思って、あの髪形を見るとたまらなくおかしいとか、ディテールを近くでじっくり見るのが楽しいので・・・。


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