2013年 07月 29日
先日、恵比寿の東京都写真美術館で開催中の「世界報道写真展2013」を息子とともに見てきた。 昨年1年間に撮影された写真を対象にしたコンテストで、今年は124の国と地域から5666人が応募、応募数はなんと10万3481点でにのぼり、54人が入賞したという。(一般ニュース・スポーツニュース・現代社会の問題・日常生活・観察肖像・演出肖像・スポーツフィーチャー・スポーツアクション・自然と9つの部門に分かれていて、それぞれ単写真、組写真の部がある。) 大賞に選ばれたのは、スウェーデンのポール・ハンセンの作品で、イスラエルのミサイル攻撃で殺された2歳と3歳の子どもの遺体を抱きかかえて歩く、パレスチナ・ガザ地区の男たちの行列を写したもの。一瞬、絵画のようだった。 今年はとくにシリア地区とパレスチナの写真が目立った。キャプションを読みながら1枚1枚眺めているだけでけっこう疲れて、余裕があったら別の階の米田知子さんの写真展を見ようと思ってたけど、到底ムリだった。(夫から全身に酸をかけけられた妻と娘の写真など、思わず目をそむけたくなるよう)。 印象に残った作品はいくつもあったけれど、「現代社会の問題」の部では、「認知症のルイジと最期まで生活をともにしたミレッラ」、「ベトナムの同性愛者たち」。 「自然」の部で、羽毛から無数の泡を放出することで遊泳速度を3倍に高める能力を持つコウテイペンギンの写真は迫力満点。「演出写真」では、「出稼ぎに出た両親と離れて暮らす中国の子どもたち」も心に沁みた。 写真でしか伝わらないものがある。この写真展を見るたびにいつも思う。 こんな写真展に足を運ばずとも、つねに世界のいまや日本のいろいろな問題をリアルに感じられるような写真や映像を、デジタルサイネージなどを使って映し出す場を新宿にでかい穴をほってつくりたいというのが息子の卒業制作なのだった。「どーだった?」と聞くと、大賞の写真などは15ふんぐらい見ていても飽きなかったーと。
by sustena
| 2013-07-29 22:22
| Art/Museum
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Comments(6)
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Lucian
at 2013-07-30 21:55
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写真史的には、絵画に近づいたり否定したりを周期的に繰り返しているように見受けられます。
今は近づいているような気がします。 個人的には否定派ですが。
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sustena at 2013-07-31 20:51
Lucianさん、たぶんふりんとあうとによもよるのかもしれませんが、とくに報道ものが絵画っぽく感じてしまいました。あまりに劇的だったからかもしれません。
新宿に大きな穴は難しいのではないでしょうか。
と言って、空は狭いし。 さぁ、どうしましょ。
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esiko1837 at 2013-08-03 22:34
こういう写真展を見ると、世界の現実はこうなんだと目の前に
付きつけられる気持ちになるでしょうね。 だって現実ですものね。 平和ボケで暮らしている自分に唖然としてしまいます。 息子さん、つい先日大学を変わったばかりだと思っていたら、 もう4年も経っていたんですね・・・。 やっとこれで一安心というとこでしょうか。
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sustena at 2013-08-05 22:16
iwamotoさん、卒業製作だから非現実的でもまぁいいんですよー。アルタ前にどかーんと巨大な穴を掘った1.5畳ぐらいの模型をつくって、いまだにそれがうちのサンルームを占領しています。
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sustena at 2013-08-05 22:19
esikoさん、いま大学院でまたもや大学を変わったんです。しかも、前いた学校に戻ったのですよー。でも、いったん辞めたところなので、またも入学金がドドーンとかかって、私のスネは細るばかり。おなかの肉が減ってくれたらいいのに。
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