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2013年 07月 16日

松緑のキリッとしまった顔にホレボレ「加賀見山再岩藤」

c0155474_22292376.jpg先日、歌舞伎座の七月花形歌舞伎の昼の部を見た。
演目は「加賀見山再岩藤」、別名、骨寄せの岩藤であります。これまで4、5、6と3か月間、大御所がそろっての杮落とし公演が続いていて、今月は松緑、染五郎、菊之助、愛之助をメインに、若手がイキのいいところを見せる花形歌舞伎。昼の部は松緑が岩藤と鳥井又助の二役。タイトルにも出てくる主役ですー。(ちなみに夜は、菊之助がお岩さんを演じる「東海道四谷怪談」)

ところで、「加賀見山再岩藤」は「鏡山旧錦絵」の後日談。前作で御家騒動で暗躍した局の岩藤は、悪事が露顕して殺されてしまうが、恨みイッパイで死んだだけに、野ざらしにされて骨だけになっても化けて出る。(この骨がヒューッと集まるシーンがあるので、「骨寄せの岩藤」って呼ばれるのね)。
さて、いつの時代にもお家乗っ取りを企むやつはいて、今回は、望月弾正が悪い奴なのであります。弾正は妻を妹だとウソをいって、お柳の方として多賀大領の側室にはべらせ、色仕掛けでたらしこむわけ。そのことを諫めた花房求女は、疎ましく思われただけでなく、家宝の香炉を奪われた咎で失脚。今は家来鳥井又助の家に厄介になっているんだけど、この鳥井又助も弾正に、お柳の方を殺せばまた求女を取り立ててやると言われてそれを信じ込み、謀略で提灯を取り替えられた正室の梅の方を殺してしまう。
その場に落とした刀の柄を手にした家老の安田帯刀(これはいいやつ)が、又助の家にやってきて、彼が主君の奥方を殺したことを告げると、大ショックで自害しちゃう。(まぁ最後には弾正一派の悪巧みが暴かれるんだけど、)ああ、しくじった・・と苦悶する律儀な家来と、かつての悪人の親玉的な局の霊、この二役を松緑がどれくらいがんばって演じるかがポイントだったのであります。

結論から言うと四幕目の鳥井又助内切腹の場、大いに泣いちゃったよー。

まずびっくりしたのが、松緑が去年見たときよりずいぶんと顔がキリッとしまって実にいい顔になっていたこと。動きがキビキビパキパキしすぎなのが気になるところはあるんだけど、目の不自由な弟の志賀市が弾く琴(このシーン、玉太郎エライッ)を聞きながら死ぬところは、めいっぱい感情移入しちゃったー。

もっとも、四幕以外はちょっと・・・。とくに、骨寄せのシーンは、ブラックライトで光った骨が少しずつ集まって、骸骨のカタチになっていくんだけど、ゴーストバスターズじゃなくて、なんだかの西洋の骨が踊るシーンみたいでちょっと興ざめ。そこから、一転、岩藤の亡霊が出て、だんまり、そして満開の桜を背景にした宙乗りとなるところも、いまいち段取が悪いというか、舞台転換がスムーズじゃなくてがっかり。(これは松緑が悪いんじゃないけどね)

菊之助は、お柳の方と、いい人のほうの二代目尾上の二役で、眉があるかないかで見分けるんだけど、変化に乏しくてあと一歩って感じ。悪人のお柳の方、最初の登場シーンで、もっといかにも主君を手玉に取る感じがあるといいのにって思ったよ。(後ろのひとなんて、発端のボートのシーンが終わったあと、お柳の方って、いい方?悪い方?って隣のひとに聞いてたくらいだしー)

染五郎は、安田帯刀のまっすぐな人の思い詰めた感じがマル。愛之助さんのミエはいつもカッコイイです。

発 端 多賀家下館奥庭浅妻舟の場
  序 幕 浅野川々端多賀家下館塀外の場
      浅野川々端の場
      浅野川堤の場
  二幕目 八丁畷三昧の場
      花の山の場
  三幕目 多賀家奥殿草履打の場
  四幕目 鳥井又助内切腹の場
  大 詰 多賀家下館奥庭の場
  
岩藤の霊/鳥井又助松 緑
二代目尾上/お柳の方菊之助
望月弾正愛之助
蟹江主税亀 寿
又助妹おつゆ梅 枝
花園姫右 近
奥女中関屋廣 松
又助弟志賀市玉太郎
松浪主計廣太郎
梅の方壱太郎
花房求女松 也
若党勝平松 江
蟹江一角権十郎
多賀大領/安田帯刀染五郎

新しい歌舞伎座の座席についてる字幕ガイド、たまにそれでお勉強してる人がいるけど、1000円もするので、フツーはつけない。
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芝居がはねて4丁目方面に歩いていると、遠くから「ツァラツストラはかく語りき」の音楽が聞こえてくる。なにかな、と思ったら、歩行者天国のはじっこで、マック赤坂が演説をしてたのだった。
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by sustena | 2013-07-16 22:29 | Theatre/Cinema | Comments(0)


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