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2013年 05月 08日

『レミングー世界の涯まで連れてってー』

c0155474_23241219.jpg先日パルコ劇場で上演中の、寺山修司没後30年/パルコ劇場40周年記念公演「レミングー世界の涯まで連れてってー」を見てきた。

寺山修司の演劇で真っ先に思い浮かぶのは、学生時代に晴海国際貿易センターのどでかい空間で見た「奴婢訓」だ。暗い空間のなかで、ひきつったようにうごめく召使と主人の倒錯した妖しい雰囲気、このままここに閉じ込められちゃうんじゃないかと思わせる奇妙な圧迫感がいまだによみがえってくる。

今回寺山の戯曲を再構成するのは、維新派の松本雄吉と少年王者舘の天野天街。「レミング」の初演は私は見ていないので、どう違うかについてはよくわからない。ただ、独特なリズムを刻む「ヂャンヂャン☆オペラ」の
松本雄吉の演出だから、天井桟敷とはかなり肌合いは違うはず。

冒頭、都市をシルエットにした空間を、20人近く?の出演者が、コートを着てちょっと腰を落し、足でリズムを刻みながら進んでいく。寺山なら痙攣的な静かな舞踏となりそうな場面。

そして舞台の都市の説明が入るのだが、早口で滑舌がよろしくないので、何を言ってるのかいまいち聞き取りにくい(わざと?)

コックのタロ(八嶋智人)とジロ(片桐仁)が同居する五反田駅前の安アパートで、中国料理の名前や包丁さばきの様子を唱えながら、二人が並んで座ってラップのようにリズムを刻んでいると、突然、部屋の壁が消え、女性が夫が死にそうだというのでパニックになっている。壁が壊れたことを大家に訴えにいくと、大家は碁に興じていて、そんな場所はないとつれない。壁が消えた二人の部屋は、あるときは、心をや病んだ影山影子(常盤貴子)を主人公にした映画療法が行われる舞台となり、銃を持ってかけていく女性の通り道となる。また、その部屋の床下では、タロの母親(松重豊)が野菜を育てていて、ときどき穴から顔を出しては息子を監視するのだが、突然、もぐらたたきのように母親が増えてしまったりする・・・。

ストーリーというより、夢の断片のような、コラージュ風のエピソードの集まりで、夢から夢へと飛躍するように場面がうつりかわっていく。登場人物たちが夢を見ているのか、彼らの夢のなかで観衆が見られているのか・・・? でも、普通だったら、なにやらわけがわからないながらも、その夢の隠微な絵や、詩的な寺山の言語に陶然となるんだけど、今回はいまいち役者のセリフが生硬で、めくるめく寺山ワールドというわけにいかないのが残念。途中でちょっぴり飽きちゃうんだよね。

たびたび舞台を行軍する集団、あれはレミングではなくて、しぶとい都会のラットのように思えたよ。

作:寺山修司
演出:松本雄吉(維新派)
美術:林田裕至/舩木愛子 音楽:内橋和久

コック1:八嶋智人
コック2:片桐 仁
影山影子:常盤貴子
母親:松重 豊

花井京乃助/廻 飛呂男/浅野彰一/柳内佑介/酒井和哉/鹿内大嗣/金子仁司/KEKE/高木 健/金子紗里/あやちクローデル/髙安智実/髙田郁恵/今村沙緒里/笹野鈴々音/万里紗
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by sustena | 2013-05-08 22:05 | Theatre/Cinema | Comments(6)
Commented by Lucian at 2013-05-08 22:47 x
これはポピーではなく、雑草のナガミヒナゲシですね。
アルカリ性土壌を好むので、コンクリートの傍に増えるとか。
Commented by iwamoto at 2013-05-08 23:15 x
はい、ナガミヒナゲシですね、実が長いから。
Commented by esiko1837 at 2013-05-09 20:30
田舎にいると舞台には御縁がないので、たまに映画を見に行きます。
昨日は「藁の楯」を見てきましたが、迫力満点で飽きませんでした。
日本で実際にはあり得ない展開でしたが、まあ・・映画ですから。

花ですが、私ははなっからポピーだと思い込んでしまいましたです。
Commented by sustena at 2013-05-09 23:41
Lucianさん、近くの空き地のいつもトラックにツタがはえてくる場所でもこの花が咲いていました。あちこちでみかけて、単にケシの仲間だぐらいのイメージしかなかったので、正式名称がわかってウレシイです。
Commented by sustena at 2013-05-09 23:43
iwamotoさん、実が長いとのお話に、検索してケシの見分け方を確認しました(ついでに大麻とはどう違うとかも)。東京都健康安全研究センター 薬用植物園の『ケシ鑑別マニュアル』をもとに紹介してあるサイトがわかりやすかったデス。
Commented by sustena at 2013-05-09 23:45
esikoさん、三池崇史監督の「藁の楯」は私もちょっと興味があって、みたいなーと思っている映画です。迫力満点でしたか! 興味しんしん。


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