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2013年 02月 16日

「日本の民家一九五五年 二川幸夫・建築写真の原点」展

c0155474_2364194.jpgASAで月に一度購読者向けに実施しているチケットの抽選で、二川幸夫さんの写真展の招待券をゲットしたのでパナソニック汐留ミュージアムに出かける。

同館の開館10周年プレ企画展覧会として企画された「日本の民家一九五五年 二川幸夫・建築写真の原点」展であります。

二川幸夫さんは、これに掲載されれば一流と評される建築誌「GA」を主宰してるひと。早稲田大学文学部在学中に、建築史の教授をしていた田辺泰から「田舎に帰るのだったら飛騨高山の日下部邸を見てきたら」と言われ、そこで民家と出会い、ぞっこんその美しさに惚れ込んで、以後民家を撮影するために主にベッサⅡをもって全国行脚(野宿しながら7年間、その後出版が決まってからは伊藤ていじとともに3年間!) 、その記録を1957-59年に美術出版社から『日本の民家』全10巻(文・伊藤ていじ)として世に送りだした。

今回はそれに収められた280点の写真から72点を選び出して、新たにプリントしたもの。会場構成は藤本壮介。『日本の民家』の編集に沿い、,日本で最も早く都市文化が形成された「京・山城」にはじまり、「大和・河内」「山陽路」「四国路」「西海路」と南下。続いて「陸羽・岩代」に移り、「武蔵・両毛」「信州・甲州」と移動し、最後は二川さんの民家への旅のスタート地点となった「高山・白川」へ。会場の導線が工夫されていて見やすかったなぁ。

二川幸夫さんは、自分は写真家ではないと、これまで展覧会はしてこなかったという。それを今回は、彼が撮影した当時──「民家がまだ美しかった国土で自然と人々の生活とともに生きていた1955年、という時代を限定してタイトルに付け加えるのであれば」ということを条件にOKが出たのだとか。

それにしても、二川さんの撮った民家の美しさときたら! 町家が押し合いへし合いぎっしり屋根を連ねている京都、旅籠屋や茶屋が街道沿いにめじろ押しに並ぶ本山宿の町並みなどの俯瞰した写真から、屋根やまるでモンドリアンのような格子組の美しい民家の正面の外観、そして大黒柱や梁が黒く光る内部・・。
堂々として、気品があって、つつましやかで、そして懐かしさに胸が締めつけられる感じがする。

木のサイズや人間自身の作り出すオーダーからなる構成比の秩序だった美しさ、素材にせよ、木組みや家のつくりなど、あちこちに自然と相対してきた生きる知恵が詰まっていて、見ていて飽きることがない。

山梨県塩山市の民家の大黒柱など、天然のクリの木の2つに分かれる股をそのままそのまま使い、なんと3階まで達していたよ。

会場の外のDVDの映像で、当時は民家が美しいなんて誰も信じない時代で、撮りたいといっても断られる。そこで毎朝4時に出かけて立っていると、3~4日も経つと、おなかがすいただろうから朝ごはんでも一緒にと招じ入れてくれ、そんなふうにしてやっと撮影できたことを二川さんが懐かしそうに語っていた。

おすすめです。2013年3月24日まで

写真は去年の正月に訪れた五箇山。ただ、行ってきたぞという証拠写真ですが・・。GRD3。
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by sustena | 2013-02-16 22:54 | Art/Museum | Comments(6)
Commented by Lucian at 2013-02-17 19:37 x
写真展の写真かと勘違いして拝見していました。
Commented by iwamoto at 2013-02-17 23:40 x
わたしたちは美しい街並みの中に住みたいですよね。
街の中で目立たない美しい家を建てれば良いのです。

世界で最も醜い街になってきてるのでしょうか、この日本全国。
我欲を捨てよ、と言うしかありません。
Commented by esiko1837 at 2013-02-18 20:17
五箇山の写真は、十分に美しいです。
モノクロが冬の厳しさにピッタリです。

写真展の招待券が当たったなんて、今年はもっといいことがあるかも。
Commented by sustena at 2013-02-19 00:11
Lucianさん、二川さんの写真の構図の決まってることといったら!20代での撮影だったことを考えると、天性のセンスですよね。ため息が出ちゃいました。
Commented by sustena at 2013-02-19 00:13
iwamotoさん、私自身ペラペラの醜い狭小な家に住んでいて、恥じいるばかりです。ぞうきんがけの似合う家に憧れるんですけど(掃除がキライなくせに・・・)
Commented by sustena at 2013-02-19 00:15
esikoさん、ASAの抽選は<二回に一回ぐらいの確率でゲットできるんです♪ 印象派の展覧会とか人気のものはたいていダメですが、写真展は狙い目なのー。


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