2012年 12月 15日

『東京建築―みる・あるく・かたる』

c0155474_0113190.jpg建築史家の倉方俊輔さんと文筆家で雑貨のプロデュースなども手がける甲斐みのりさんが、おしゃべりしながら東京の建築を案内する『東京建築―みる・あるく・かたる』(京阪神エルマガジン社 2012年11月10日刊)が楽しい。

建築を見る楽しさは、建築家の名前を知って、歴史の中に位置づけて、デザインや特徴をチェックするだけじゃない。公共的な建築や商店だったら実際に足を踏み入れてみて、喫茶店だったらそこでおいしいものを食べて空間を味わうこと。同じ建物を見ても、ひとによって見方が違う。眺めたあとは大いに語りあおう!というのがコンセプト。

アテネ・フランセのピンク色が大好きで、ピンク色の建物を探したことがある、というみのりさんのコメントに、そんな捉え方は男性はあまりしないかも・・と言いながら、ここを設計した吉阪隆正が1950年から2年間ル・コルビュジエに建築を学んだひとで、コルビュジエに影響を受けた建築家は多いけれど、直接に師事した建築家だけが赤・青・黄といった原色を効果的に使うことができる、と倉方さんが教えてくれる。当時の出版物はモノクロだったから、どんな色をル・コルビュジエが使ったかなんてことまでは伝わらなかったのかな、ってわけ。

東京會舘のカフェテラスでお茶をしても、「器に(照明の)水玉や星が映り込んでいるように感じる。光まですくう感覚がポエティック」なんて話をしながら、マロンシャンテリーを一緒に食べているんである。

散歩する場所は
●お茶の水‐神保町―カラフル&味わい建築。
●向島‐浅草―東京スカイツリーが照らし出す街。
●両国‐深川―震災復興モダンを歩く。
●青山‐表参道―明治時代と最先端。
●上野公園―野外建築ミュージアム。
●丸の内‐日比谷―「あえて行く」東京の中心。

よく歩く場所だけど、それぞれの建物の来歴や建築家の名前まで知らないものも多くて、ああ、倉方さんみたいな造詣の深いひとに教わりながら歩くと最高だろうなーと思いながら読了。

写真も、「新建築」に載ってるような、人を寄せつけないような建築写真とは違い、その場所の空気が漂ってくるようで、雰囲気があってマルです。
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by sustena | 2012-12-15 00:11 | まち散歩 | Comments(0)


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